中国市場向けのプロモーションにおいて、RED(小紅書)は必須といえる中国SNSプラットフォームです。
多くのユーザーがトレンドや商品情報を共有し、口コミを拡散する力を持っています。
同時に、RED(小紅書)のガイドラインが厳しく、違反行為が発覚するとアカウントが「バン(停止)」や「凍結」されるといったリスクに直面することがあります。
そこで、今回は、小紅書(RED)アカウントがバン・凍結される6つの主要原因と、それに対する防止策を実例を交えながら解説します。
なぜ小紅書(RED) アカウントが「バン(停止)」や「凍結」されるのか
小紅書(RED) アカウントが「バン(停止)」や「凍結」されるとどうなるのか
小紅書(RED)は、中国でのトレンドや最新商品情報、口コミ情報が共有されるプラットフォームです。
多くのブランドが小紅書(RED)を活用したプロモーションを行い、ヒット商品やブランド認知度を高めるのに成功しています。
一方、 小紅書(RED) アカウントが突然「バン(停止)」や「凍結」される事象も発生しています。
実際そうなった場合に、下記のような画面が表示されます。
【小紅書(RED)アカウントが「バン(停止)」や「凍結」されたという表示】
この画面には、「インターネット上のコンプライアンスに反した行為があったため、あなたのアカウントを停止処置を行い、小紅書(RED)アカウントが利用できなくなっている」旨が記載されています。
この状態では、小紅書(RED)アカウントで新たな投稿ができなくなるだけでなく、これまでに投稿した動画や画像を他ユーザーが見ることはできません。
過去に獲得したフォロワーや「いいね」やコメントも、水の泡と化してしまうのです。
一番下に青文字で「我要投诉」と記載されていますが、このボタンをタップすることにより、小紅書(RED)に対して、解除を申し立てることができます。
違反していない理由や、次回から対策を設けて防止するなどの状況説明書を提出し、解除をお願いすることができるのです。
ただし、仮に解除ができても、数日~数か月の時間がかかることがあり、その間はコメントや投稿もできません。
小紅書(RED)をプロモーションツールとして利用しているブランドにとっては、影響が大きいです。
小紅書(RED) アカウントが「バン(停止)」や「凍結」される理由
なぜ小紅書(RED) アカウントが「バン(停止)」や「凍結」されてしまうのでしょうか。
その理由は、小紅書(RED)側で、健全なプラットフォームの規律に悪影響を与えると判断されるためです。
具体的には、主に、コンプライアンス違反と、不審な行為とみなされる場合にわけることができます。
コンプライアンス規定や不審な行為とみなされる事象は、YoutubeやXなど私たちが普段使っているSNSとほとんど同じです。
ところが、小紅書(RED)は中国のプラットフォームのため、中国政府規制や政策の影響を大きく受ける点に注意が必要です。
例えば、中国政府に対する批判は言語道断ですし、美容や医療などに関してはライセンス管理は非常に厳しいです。
小紅書(RED)アカウントがバンされる・凍結される原因と対策‐コンプライアンス違反
アカウントがバンされる・凍結される原因について、以下の2つの場合に分けることができるとお伝えしました。
ここからは、コンプライアンス違反について、具体的な事例と対策を紹介したいと思います。
よくある事例としては、以下の3つです。
コンテンツのガイドライン違反
小紅書(RED)はユーザーの信頼を保つため、健康や美容のコンテンツに対して特に厳しい基準を設けています。
誇張表現や不正確な情報は、すぐに削除対象となり、違反が続くとアカウント自体がバンされるリスクがあります。
事例
美容クリニック美莱(Meilai)が、施術効果を誇張した投稿を行い、ユーザーから「内容が大げさすぎる」という批判を受けました。
このため、美莱(Meilai)が投稿した動画が削除され、アカウント自体も一時的に凍結される事態に至りました。
防止策
正確な情報と共に、実際のユーザーの体験談を交えることで信頼性を高めましょう。
美莱(Meilai)はその後、顧客からのフィードバックを基にしたリアルな投稿に切り替え、中国一般顧客からの信頼を取り戻しました。
美莱(Meilai)だけではなく、芸星系整容医院などをはじめとする美容整形外科への罰則や、美容医療系のインフルエンサーなどが突然中国SNSから姿を消すなど多発しておきていました。
【芸星系整容医院の誇大広告に対する罰則の公示、500万円相当の罰金が科されている】
背景としては、美容整形関連の整形事故が多発し、中国政府からの監視強化が開始し、小紅書(RED)でも取り締まりが厳しくなった背景があります。
過去投稿して問題なかったコンテンツでも、中国政府や小紅書(RED)の規定改定などにより、ガイドライン違反になることもあります。
中国政府の政策や小紅書(RED)ガイドライン改定などの情報は常にチェックしておくことが必要です。
これまでの中国美容医療業界については、下記記事で紹介しておりますので、興味のある方はご覧ください。
医療業界における中国版TikTok抖音(Douyin)と小紅書(RED)活用術:事例で見る成功のポイント | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
著作権やブランド権利の侵害
著作権侵害や他ブランドの無断使用は、小紅書(RED)で厳しく取り締まられています。
無断で他社ロゴや画像を使うことは著作権問題を引き起こし、違反した場合はアカウント凍結の原因になります。
事例
韓国系のコスメブランドは、別のブランドのロゴを使用した投稿を行い、小紅書(RED)のガイドラインに違反してしましました。
その結果、該当投稿が削除され、ブランドイメージにもダメージを受けました。
防止策
オリジナルコンテンツの使用や、適切な著作権許可を取得することが重要です。
このコスメブランドは、その後、独自の画像とユーザー投稿を活用したコンテンツ制作に切り替え、ブランドイメージを回復しました。
インフルエンサーの報酬に関するガイドライン違反
インフルエンサーとの報酬関係が過度に商業的である場合や、露骨に表現されると、小紅書(RED)のガイドライン違反として処罰対象になります。
特に、過剰なプロモーションで金銭的な意図が前面に出ると、ユーザーからの信頼が損なわれます。
それだけでなく、プラットフォームの規律を乱す行為として、小紅書(RED)側からも監視対象にされやすいのです。
事例
中国食品ブランドである鐘薛高(Chong Xue Gao)は中国インフルエンサーと提携し、過度な報酬金額を公開するプロモーションを行いました。
その結果、小紅書(RED)で過度な商業的活動とみなされ、警告を受けてしまいます。
キャンペーンの効果は低下し、ブランドの印象も悪化しました。
防止策
インフルエンサーには自然な使用体験を共有してもらい、報酬の公表は控えるのが良策です。
鐘薛高(Chong Xue Gao)は、実際のユーザーの使用シーンを中心とした口コミを活用するように方向転換しました。
中国消費者にとっては、自然な紹介が最も効果的なプロモーション手法ですし、小紅書(RED)も口コミサイトとしてそのような投稿を良しとしています。
小紅書(RED)アカウントがバンされる・凍結される原因と対策‐不審な行為とみなされる
ここからは、不審な行為とみなされる事例と対策を紹介したいと思います。
よくある事例は下記の通りです。
不審なアクセスや異常なアクティビティ
小紅書(RED)は不正アクセスに敏感で、異常なアクティビティ(行動パターン)が検出されるとアカウントが一時的に停止される場合があります。
特にVPNの利用や、異なるデバイスからの頻繁なアクセスはリスク要因の一つになります。
ここで、VPNとは、「Virtual Private Network」の略で、仮想の専用線を指します。
仮想の専用線を使うことで、中国のインターネット検閲システムを潜り抜けることができます。
中国のインターネット検閲システムにより、中国国外から中国国内の動画サイトの視聴もできない場合、VPNを利用することでアクセスできるようになります。
VPN事情については、下記の記事でも紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
中国のインターネット事情:規制と革新が共存する世界 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
事例
中国系の食品有名ブランドである百草味(Bestore)が、国外からのアクセスを促進するキャンペーンを行った際、中国国外からのVPNを利用したアクセスが急増しました。
【百草味(Bestore)の小紅書(RED)公式サイト】
これにより不審なアクセスとして検出され、アカウントが一時停止されたことがありました。
防止策
プロモーションを行う際は、様々なネットワーク面も気にかけ、不審なアクセスと判断されないように対策を行いましょう。
例えば、百草味(Bestore)は、その後、国内外向けのアカウントを分け、アクセスの安定性を確保する対策を取りました。
以後、そのような不審なアクセスやアクティビティとして、バンや凍結されることはなくなりました。
実際、小紅書(RED)はVPNだけでなく、どのWi-Fiを使って投稿しているか、そのWi-Fiを使って過去にどのような不正が起きたかなども詳細に分析しています。
過去不正を行ったWi-Fiを使って投稿しても、バンや凍結されることはありませんが、動画表示の優先順位などには影響があります。
フォロワーの不正な増加やスパム行為
フォロワーの不正増加は、小紅書(RED)でのバンや凍結原因として最も頻繁に見られます。
急激なフォロワー数増加や「いいね」数が異常に多い場合、チャット機能を使った個人ユーザーへの連絡が多くなると、小紅書(RED)の不正・スパム検知機能が発動し、アカウントを停止する場合があります。
事例
日本のファッションブランドが、中国市場進出を狙い、短期間でフォロワーを増やそうとして、裏市場で大量のフォロワー購入を実施しました。
フォロワー数の急増により、小紅書(RED)が不正行為と判断し、アカウントが一時停止されてしまいました。
また、日本の他コスメブランドでも、中国マーケット向けのプロモーションで結果を早く出そうとしたあまり、小紅書(RED)上で、多数の中国個人向けにチャットで広告を流しました。
その結果、小紅書(RED)のスパム対策システムに引っかかってしまい、アカウントが一時バン、凍結される事態が発生しています。
防止策
自然な中国ビジネスの成長を心がけ、信頼性の高いフォロワーを確保するようにしましょう。
フォロワー数やエンゲージメントの向上は、良質なコンテンツの提供やユーザーとの交流によって行うのが基本です。
過剰なフォロワー購入や、チャット機能を使った多数の個人向けの連絡やプロモーションは控えるべきです。
広告・プロモーション投稿の頻度が多すぎる
小紅書(RED)は、あくまで一般ユーザーが楽しめる自然な投稿内容を重視しています。
ファッションやグルメの口コミサイトとして地位を確立しているため、過度な商業投稿はアカウント凍結のリスクが高まります。
頻繁なプロモーションは中国消費者に対し悪印象を与えますし、さらには小紅書(RED)側からも制限がかかる可能性があるのです。
事例
中国Z世代に大きく支持されている中国コスメブランドである完美日記(Perfect Diary)は、頻繁に広告投稿を行ったことでユーザーの反感を買い、エンゲージメントが低下しました。
【完美日記(Perfect Diary)の小紅書(RED)公式サイト】
さらに、小紅書(RED)からも商業目的が強すぎるとみなされ、投稿頻度を減らすよう指導されました。
防止策
インフルエンサーとの協業で、商品紹介を自然な形で行うことが推奨されます。
その後、完美日記(Perfect Diary)は、
- インフルエンサーの活用
- ユーザーからの自然な体験談
- 日常生活の中での使用方法
などを中心にした投稿へと切り替え、フォロワーからの好感度が回復しました。
インフルエンサーの選定や活用は、日本のマーケティングと異なり、少し難易度が高いです。
はじめて中国マーケティングを行う場合でしたら、外部からの支援を受けるのも良いでしょう。
外部からの支援を受けるケースについて、下記の記事で紹介しておりますので、興味のある方はご覧ください。
中国SNS運用代行の成功への道: 最適な中国SNS運用代行パートナーの探し方 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
小紅書(RED)は多くの可能性を秘めたマーケティングプラットフォームですが、そのガイドラインを遵守しないとアカウントの停止や凍結といったリスクに直面します。
安全に利用するためには、フォロワー増加の自然な成長、正確な情報の提供、ユーザーからの自然な投稿を重視、適切なインフルエンサーの選定といった対策が重要です。
最後に
以上、小紅書(RED)アカウントがバン・凍結される6つの主要原因と防止策を実例を交えながら、紹介しました。
弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。
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