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中国市場攻略の秘訣:革新的マーケティングトレンドを利用した戦略

中国市場を攻略するには、トレンドを把握し、それにうまく乗ることが大事です。

特に中国ECコマースでは、様々な革新的マーケティングトレンドが生まれては、消えています。

その革新的なトレンドをうまく取り込み、戦略的に成功しているブランドや企業も続々と出てきています。

この記事では、直近の革新的マーケティングトレンド、そのトレンドを利用した戦略の成功事例、注意すべきトレンドについて、紹介していきます。

目次

直近の革新的マーケティングトレンド

仮想現実という新たな空間

最近の革新的マーケティングトレンドとして、欠かせないのが仮想現実です。

中国では、ライブコマースが非常に盛んですが、その中でもXR (Extended Reality)がライブコマースをさらに盛り上げています。

実際、2022年の国慶節キャンペーン(中国の建国記念を祝うセール)では、XRデバイスという、拡張現実の関連機器の売上が伸びただけではなく、XRデバイス自体がライブコマース全体の売上に大きく貢献しました。

まず、XRデバイスそのものの売上は、前年比で330%伸びました。

さらに、XRデバイスを使ったタオバオライブコマースでは、食品関連のお店では238%売上が伸び、ペット用品店舗では180%売上が伸びていました。

最近、ライブコマースでは、バーチャルインフルエンサーが活躍していることにも注目です。

バーチャルインフルエンサーとは、仮想現実上だけに存在するインフルエンサーです。

メリットして、ブランドによるコントロールが容易で、炎上リスクも低いことが挙げられます。

デメリットとして、キャラクターデザインや音声設定など最初に初期投資がかかることなどがあります。

しかしながら、長期的にはライバー人件費より安くなることや、メリットがデメリットを大きく上回ると期待するブランドが多くなっています。

デジタル商品

仮想現実分野が盛んになるのと同時並行で、大きく発展してきているのがデジタル商品です。

特にメタバース領域での発達がアメリカに劣らず著しいです。

2021年が中国におけるメタバース元年とされており、産業価値は約400億元(8,000億円相当)に達しています。

2026年には2,000億元(4兆円相当)を超えると予測されています。

メタバース上でも取引されるデジタル商品であるNFT(Non Fungible Token)は、2021年9月に中国で規制対象となり、残念ながら取引はできません。

しかしながら、NFTに相当するデジタルコレクティブル(中国語:数字产品)があり、2022年6月時点で、中国では300万人以上が所有しています。

中国最大手のECプラットフォームであるT-mallでは、2022年6月からデジタルコレクティブル(中国語:数字产品)の販売特別エリアがあり、デジタルアートや大手ブランドのデジタル商品が販売されています。

一方、投機目的の二次転売が禁止されている点や、値段が50元(1,000円相当)以下のデジタル商品が大半を占めている点、中国人以外は購入できないなど、様々な制約があり、今後のデジタル商品市場の発展に注目が集まっている状況です。

ショート動画SNSのECコマース化

ショート動画SNSのECコマース化も、中国での革新的マーケティングトレンドのひとつです。

ショート動画プラットフォームである中国版TikTok抖音(Douyin)は、特にその動きが顕著です。

中国版TikTok抖音(Douyin)のECコマースである抖音电商(抖音電商)は、2019年末からオープンしています。

中国版TikTok抖音(Douyin)は、中国のショート動画アプリにおいては最も人気がありますが、抖音电商(抖音電商)は当初、開店条件も厳しかったことから、それほど人気がありませんでした。

ところが、オープン後、約一年の時間をかけて、中国版TikTok抖音(Douyin)は、「ショッピングカート」、「POI(Point of Information)」、「抖音支付(Douyin Pay)」等のECに関する機能を拡充していきました。

同時に、開店条件の緩和やインフルエンサーの加入により、知名度を徐々に上げ、今や、中国人ならだれでも知っているほどのECに成長しました。

2020年10月には、抖音电商(抖音電商)と外部ECとのリンクを禁止し、中国版TikTok抖音(Douyin)における、完全に独立したECとして、運営されています。

詳細は下記の記事で紹介していますので、興味のある方はご覧ください。

抖音电商(抖音電商)とは? 中国版TikTok抖音(Douyin)のECが注目を集める理由とその特徴 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

安売りセールから消費者ニーズ追及型への方向転換

中国ECはこれまで安売りを武器に、多くの中国人を魅了してきた面があります。

ところが、2022年ごろからその動きは変わりつつあり、中国の各プラットフォーム自体が、安売りセールから消費者ニーズ追及型への方向転換を図ろうとしています。

例えば、タオバオ(中国最大のECモール)や京東(タオバオに次ぐ中国巨大ECモール)では、既に割引をネタに集客をすることは少なくなり、会員制導入により、消費者ロイヤリティを高める努力が行われています。

タオバオでは、会員になることで、素早い返金対応ができるなど、割引以外の様々な特典があります。

京東でも、すべての商品が返品・交換が可能になるなど、安心して買い物ができるようになる仕組みを会員が享受できるようになっています。

さらに、面白い動きは、中国版TikTok抖音(Douyin)のECプラットフォームである抖音电商です。

抖音电商では、兴趣电商(インタレストコマース)という、独自の新しいコンセプトを生み出し、運用されています。

兴趣电商(インタレストコマース)とは、ユーザーの興味に基づいて、中国版TikTok抖音(Douyin)が、特定の動画やライブを各ユーザーへリコメンドすることによって、潜在的なニーズを引き出して、ECでの売買を活発化させていくことを指します

これまでのECモデルの購入プロセスは、ユーザー側でのニーズの明確化→ECプラットフォームで検索→購入、が基本でした。

一方、兴趣电商(インタレストコマース)では、ユーザーは、中国版TikTok抖音(Douyin)のショート動画を視聴しているときに、動画の中で使用されている商品が欲しいという思いが湧き、その商品を購入するという、プロセスです。

さらに、兴趣电商(インタレストコマース)は、全域兴趣电商(全域インタレストコマース)へ、既にバージョンアップされています。

全域兴趣电商(全域インタレストコマース)は、ショートムービー・ライブコマース・モール・検索画面、すべての領域で兴趣电商(インタレストコマース)への入り口をユーザーへ提供し、消費者ニーズを満たしていくコンセプトを指します。

プラットフォームごとで、消費者へのアプローチやサービス内容は異なりますが、安売りセールから消費者ニーズ追及型への方向転換という方向性は一致しています。

広域(オープンプラットフォーム)→私域(クローズドプラットフォーム)への移行

現在、中国マーケティングでは、広域(オープンプラットフォーム)→私域(クローズドプラットフォーム)へ移行するトレンドが生まれています。

広域とは、中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)、微博(Weibo)などのオープンなプラットフォーム指します。

私域とは、WeChat公式アカウントや企業公式サイトなどの比較的クローズドなプラットフォームを指します。

広域の特徴は、中国版TikTok抖音(Douyin)に代表されるように、何といっても非常に大きい集客力を持っていることです。

ところが、プラットフォームでの広告手数料、KOLへの出演費用などが年々上がっており、プラットフォームでは非常に厳しい管理が行われており、少しでも運用規定に違反した場合は、アカウントの一時停止やアカウント閉鎖のリスクもあります。

そのようなリスクをできるだけ抑えたいという対策から、WeChat公式アカウントなどへの私域へ顧客を移行させる動きが出ているのです。

詳細は下記の記事で紹介していますので、興味のある方はご覧ください。

WeChat公式アカウントと中国版TikTok抖音(Douyin)を連携することで実現できるマーケティング戦略 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

トレンドを利用した戦略の成功事例

バーチャルヒューマンを活用した広告

ここからは、革新的マーケティングトレンドを利用した戦略の成功事例をいくつか紹介したいと思います。

1つ目は、バーチャルヒューマンを活用した広告で、成功したホンダです。

バーチャルヒューマンをアンバサダーとして採用し成功した事例として、中国でも大きなニュースになるほど話題になりました。

ホンダは、アリババに籍を置く有名なバーチャルヒューマン「AYAYI」をアンバサダーとして採用し、様々な中国プラットフォームで広告塔として、新車の発表などを行いました。

結果、これまでアプローチできなかった中国Z世代などから注文を獲得することができ、ブランド認知拡大やユーザー層の拡大に大きく貢献しました。

バーチャルヒューマンを活用した広告は、ホンダだけではありません。

日本初のバーチャルヒューマンである「imma」も中国ローカルのアイスクリームブランド「夢龍(Magnum)」のアンバサダーを務め、中国ブランドの売上に大きく貢献しています。

日本のバーチャルヒューマンも中国で活躍しているのです。

広域(オープンプラットフォーム)→私域(クローズドプラットフォーム)への移行

広域(オープンプラットフォーム)→私域(クローズドプラットフォーム)への移行で、成功している最も有名なブランドは老饭骨です。

老饭骨は、中国ローカルの料理教育・食料品販売のアカウントで、中国版TikTok抖音(Douyin)→WeChat公式アカウントへの顧客の移行に成功しています。

老饭骨が、うまくいっている要因は、2つあります。

1つ目は、中国版TikTok抖音(Douyin)上で唯一無二の地位を築いたことです。

まず、老饭骨は、中国版TikTok抖音(Douyin)を始めたのは2019年2月という後発組ではありましたが、圧倒的な料理のレベルとユーモアで、唯一無二の地位を築きました。

2つ目は、フォロワーのニーズをうまくくみ取っていることです。

フォロワーが増えた後、老饭骨は、中国版TikTok抖音(Douyin)上で、フォロワーグループ(中国語:粉丝群)を作ります。

ここで、中国版TikTok抖音(Douyin)のフォロワーグループとは、一定条件を満たすフォロワーだけが入れるグループです。

フォロワーグループに入ると、そのグループ内で特別な通知や割引券などを取得することなどができるようになります。

老饭骨は、フォロワーのニーズに合わせて、複数のフォロワーグループを作り、フォロワーのニーズをうまくくみ取り、フォロワーとの結束性を高めていきました。

それと同時に、WeChat公式アカウントも開設しますが、WeChat公式アカウントのフォロワーグループではより細分化し、各ユーザーのニーズに細かく対応しています。

安売りセールから消費者ニーズ追及型への方向転換

実は、安热沙(ANESSA)は、中国ECマーケットで、消費者ニーズ追及型で先んじて成功しています。

安热沙(ANESSA)は、中国版TikTok抖音(Douyin)では、ブランディングの期間を、初期、中期、爆発期と分けます。

そして、それぞれの期間で、適切な施策を行いました。

具体的には、初期(2021年4-8月)は、中国版TikTok抖音(Douyin)内での認知拡大を目的として、トップ中国インフルエンサーに、動画投稿などを依頼しました。

中期(2021年9-12)は、業界全体として、日焼け止めクリームのニーズが小さくなり、閑散期になるため、ミドル級以下のKOLを中心に動画投稿を依頼しました。

また、ライブコマースを行うことで、潜在顧客とのコミュニケーションも絶えず行います。

爆発期(2022年1月~現在)には、日焼け止めクリームのニーズが徐々に高まることも見据えて、再びトップKOLに動画投稿依頼、ライブコマースも合わせて積極的に行いました。

結果として、前月比で売上増加幅が500%を超える結果を生み出すほど、中国で人気の商品になりました。

さらに、驚くべきことに、ほとんど安売りを武器にしていないことです。

実際、中国では日焼け止めクリーム(90ml)としては、169元(3400円相当)で安くない商品ですが、よく売れています。

注意すべきトレンド

中国政府による規制

これまで、中国の前向きなマーケティングトレンドを紹介してきましたが、後ろ向きのトレンドもあります。

中国独特の注意すべきトレンドは、中国政府による規制や圧力です。

中国政府は国際間の問題だけではなく、ビジネス上でも大きな影響を与えます。

例えば、子どもの教育費用が家計を大きく圧迫しているとして、突如、教育ビジネスに関する規制を強化することが日々当たり前のように起きています。

中国ECビジネスでも同様で、2022年2月、京東の前CEO徐雷は、個人資産である株式20億ドル相当を慈善団体へ寄付することを発表しました。

さらに、その数ヵ月後、なぜか徐雷はCEOの辞任に追いやられます。

背景としては、現在中国政府は、「共同繁栄」を重視しており、富の再分配や慈善寄付を奨励し、富裕層の力を削ごうとしている動きが関係していると言われています。

徐雷の一連の発表や人事は、中国政府の意向を十分に表しているというのが、中国現地の大方の見方です。

リスク対策

中国政府による規制へのリスク対策としては、常に中国政府の動きをチェックしておくことが有効です。

中国政府の動きをチェックしておけば、おのずと方向性やトレンド、転換点などが見えてきます。

そのほか、どんなことが起きてもいいように、分散化をしておくことが、ビジネス上の保険としてうまく機能することがあります。

例えば、広域(オープンプラットフォーム)→私域(クローズドプラットフォーム)への移行もその一つです。

広域(オープンプラットフォーム)である中国版TikTok抖音(Douyin)では、少しでも中国政府に関連しているだけなく、関連している判断されれば、アカウント停止処分を受けてしまいます。

WeChat公式アカウントなどの私域(クローズドプラットフォーム)では、そのようなことは起きにくいことから、中国政府によるリスク対策になるでしょう。

最後に

以上、直近の革新的マーケティングトレンド、そのトレンドを利用した戦略の成功事例、注意すべきトレンドについて、解説しました。

弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。

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