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小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin):飲食店業界の成功事例

2023年の日本の飲食店業界は、倒産件数が過去最多記録を更新しそうなほど、大きく冷え込んでいます。

主な原因は、経済不況であり、経済の先行き不透明な状況を見ると、根は深いと言わざるを得ないでしょう。

その厳しい市場環境の中、中国顧客という新たな市場を開拓できたことで、大きく成功している飲食店があります。

そして、成功している飲食店は、漏れなく、中国ソーシャルメディアの力を借りています。

この記事では、中国ソーシャルメディアの力を活用した飲食店業界の成功事例について、解説していきます。

目次

飲食店業界での中国市場という新しいビジネス機会

倒産件数最多記録を更新する勢いの日本の飲食業界

最新の東京商工リサーチによれば、2023年(1-8月)累計で飲食業界の倒産件数は569件となりました。

この件数は、昨年2022年の年間(1月〜12月)倒産件数をすでに上回っています。

そして、このままいくと、年間倒産件数が過去最多を更新するのではないかといわれているのです。

【飲食店業界倒産月次推移、東京商工リサーチより】

この倒産件数増加の原因は、「不況型』倒産(過去累積損失のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)が約90%を占めています。

経済の先行き不透明な状況を見ると、根が深い問題といえるでしょう。

また、直近では、円高による海外仕入れ価格の高騰もあり、値上げがしにくい経済環境のもとで、倒産までには至らないものの、経営状態は非常に厳しいという話もよく耳にするようになりました。

中国市場は新しいビジネス機会になりえるのか?!

日に日に厳しくなっていく飲食店業界は、限られた日本市場で新しいビジネス機会を見つけることは難しい状況です。

ところが、いったん中国市場に目を向けると、新たな可能性が広がっていることがわかります。

以下の通り、日本の飲食店業界にとって中国市場はビジネスチャンスになりえるのかについて、考えてみましょう。

  • 日本の食に対する強い関心
  • 中国人観光客の増加
  • 大きくなっていく中国市場

まず、中国人は、日本の食に対する強い関心があります。

中国の消費者は日本料理や和食に対する興味が高く、寿司、刺身、ラーメン、焼き鳥などの和食を楽しむために日本へ訪れます。

特に、地元の特産品を使用し、伝統的な和食を提供する日本の飲食店は、中国人にとても人気があります。

2023年8月24日に福島処理水の放出が始まって以降、中国側では日本の水産物輸入を全面的に停止するなど、厳しい状況が続いていますが、中国側では「日本に行って中国では食べることができない水産物を食べたい」という需要は少なからずあるのです。

また、日本の飲食業界におけるサービス品質の高さにも定評があり、日本に訪問して初めて日本の良さを知り、日本のファンになっていく中国人はかなりの数います。

次に、中国人観光客が増加していることも、中国市場はビジネスチャンスととらえる飲食業界にとって、追い風になるでしょう。

中国のコロナ政策が解禁後、日本へ訪れる中国人観光客は増加しています。

福島処理水の問題で、日本と中国間の関係は一時的に悪くはなっているものの、増加トレンドであることは間違いありません。

日本へ訪れる中国人観光客の動向については、下記の記事で詳細を記載していますので、興味のある方はご覧ください。

インバウンド中国人観光客の行動傾向:旅行先での関心事と何を見ているのか? | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

さらに、中国では、世帯年収が1万1500-4万3千ドルといわれる中産階級層が増加しており、高品質の飲食体験に対する需要が高まっています。

日本の飲食店は高品質な料理・食材・サービスの代表格であり、高級志向の中国の顧客を引き寄せることが十分に可能です。

最後に、大きくなっていく中国市場は、これから急速に人口が減っていく日本市場にとって、魅力的な市場になっていく可能性が高いです。

例えば、日本のGDP成長率は1%前後ですが、中国は4%を維持しています。

4%といえば、日本のバブル経済期と同じ成長率ですから、日本にとって魅力的な市場といえるでしょう。

最近では、実態の中国経済は冷え込んでいるとは言われているものの、若者が多い都市での消費は活発に行われています。

このように、ひとたびお隣の消費大国中国へ目を向けると、大きなビジネスチャンスがあることに気づくと思います。

小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)の活用が成功のキー

日本飲食業界にとって、中国市場はビジネスチャンスであることは分かりました。

ところが、実際どのようにそのチャンスを取りに行ったら良いのかわからない、という方が大半だと思います。

様々な集客戦略がありますが、最も効果的・効率的に成功できる方法は、小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)の活用です。

まず、小紅書(RED)は、中国版Instagramとも言われる、中国人女性に大変人気のプラットフォームです。

小紅書(RED)のユーザー層は8割女性・8割若者で、口コミサイトとしても利用されています。

20-30代の中国人女性は、気になる商品があれば、まずは小紅書(RED)で口コミ調べるという行動が、一般化しているほどです。

そのため、中国の女性をターゲットとしてマーケティングをしたい場合は、小紅書(RED)を活用するのが非常に有効です。

女性客が多いカフェやスイーツ店にとって、このプラットフォームを使わない手はないでしょう。

小紅書(RED)については、下記の記事で詳細を記載していますので、興味のある方はご覧ください。

小紅書(RED)とは? 中国人女性に人気のSNSについて解説!!  | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

次に、中国版TikTok抖音(Douyin)は、日本でもお馴染みのショート動画プラットフォームです。

中国では8億人を超える利用者がおり、最も利用されているショート動画アプリでもあります。

中国版TikTok抖音(Douyin) の大きな強みは、多くの幅広い中国消費者層にアプローチできることです。

ユーザーの年齢層は、中国の年齢層とほぼ一緒で、老若男女問わず、多くの中国人に支持されています。

また、おすすめ動画として扱うかどうかの判定を行う仕組みであるアルゴリズムが、非常に特徴的で、強みにもなっています。

簡単に説明すると、中国版TikTok抖音(Douyin)では、動画コンテンツ自体が純粋に評価される仕組みがあり、一度高い評価を得ると、一気に拡散する爆発力を持っています。

例えば、中国で自社の美容サロン店・美容院の認知度が低い場合やフォロワー数が少ない場合であっても、ひとたび投稿した動画がヒットすれば、短期間で拡散していきます。

中国で知名度のある飲食店は限られているため、ほとんどの飲食店は、中国版TikTok抖音(Douyin)を使ったプロモーションが向いています。

中国ソーシャルメディアを活用した飲食店業界の成功事例

Reissue(リシュー)

ここまで読んでいただいた方は、日本にいながら中国市場を狙うことは十分に可能であることが、理解できたと思います。

どんな飲食店が中国ソーシャルメディアを活用して、どのように成功しているのかについて、気になったのではないでしょうか?

日本のサイトでは成功事例は見つけにくいですので、3つの成功事例を紹介しますね。

1つ目の成功事例は、Reissue(リシュー)です。

Reissue(リシュー)は、3Dラテアートで知名度が一気に高まった日本のカフェです。

【Reissue(リシュー)の3Dラテアート、小紅書(RED)より】

Reissue(リシュー)は小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)と戦略的活用により、中国人から多くの注目を集めました。

具体的には、小紅書(RED)において、Reissue(リシュー)は、とてもきれいなラテアートを小紅書(RED)に投稿することで、中国のラテアート愛好家から注目を浴びました。

その後も多くの中国インフルエンサーや中国観光客などにより、きれいなラテアートのみでなく店内の様子も、小紅書(RED)に投稿されていきます。

結果として、店の雰囲気やメニューなど、Reissue(リシュー)の詳細な情報が拡散されていったのです。

さらに、Reissue(リシュー)は、小紅書(RED)や中国版TikTok抖音(Douyin)で、ラテアートの制作過程を示す動画を共有し、ラテアートをどのように生み出していくかについてのプロセスを公開しました。

この動画は、若い中国人視聴者から特に注目され、多くのコメントや反響がありました。

Reissue(リシュー)の成功のキーは、インパクトのある視覚的なラテアートを通じて、中国人の心をうまく引き付け、中国ソーシャルメディアを通じてその美術作品と店舗に関する情報を拡散させたことにあると言えます。

Reissue(リシュー)の成功事例は、小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)を活用し、飲食店の知名度を高める方法として、飲食店業界で新しい顧客を引き寄せる方法を示している非常に参考になる成功事例です。

koffeemameya(コーヒーマメヤ)

2つ目の成功事例は、koffeemameya(コーヒーマメヤ)です。

koffeemameya(コーヒーマメヤ)は、東京都港区に位置する小さなこだわりのあるカフェです。

koffeemameya(コーヒーマメヤ)は小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)を活用して、認知度を高め、中国人という新しい顧客を引き寄せました。

まず、小紅書(RED)において、koffeemameya(コーヒーマメヤ)は、美しいコーヒーの写真と詳細コーヒー豆情報などについての投稿をしました。

その投稿には、コーヒー豆の種類、焙煎度、淹れ方などの詳細情報が含まれ、中国のコーヒー愛好家から多くの注目を浴びました。

また、コーヒーに合うスイーツや軽食の写真も投稿し、新たな食事体験も提供していったのです。

次に、中国版TikTok抖音(Douyin)において、 koffeemameya(コーヒーマメヤ)はコーヒーの淹れ方やラテアートの制作プロセスを示す短い動画を拡散させることに成功します。

中国ソーシャルメディアを通じて、コーヒーアートとその製造方法を魅力的に伝えたのです。

特に、コーヒーショップ内での実際のアクションや準備過程を示す動画が中国人から注目を集め、中国版TikTok抖音(Douyin)における注目度を一気に高めました。

koffeemameya(コーヒーマメヤ)の成功の要因は、美しいコーヒーの視覚的コンテンツと情報の共有、および小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)を使用して、ブランドの魅力を効果的にプロモーションしたことです。

特に、コーヒーの専門知識と製造プロセスについての詳細情報を提供し、顧客に新しい飲食体験を提供しました。

この成功事例は、小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)のようなソーシャルメディアプラットフォームを活用して、飲食店業界でブランドを高めながら、新しい顧客を引き寄せる方法を示しています。

ナンバーシュガー(表参道)

3つ目の成功事例は、ナンバーシュガー(表参道)です。

インスタ映えするレストランとして、日本人にもとても人気のある飲食店です。

ナンバーシュガー(表参道)は、大衆点評という中国版ぐるなびでも、常に1-2位の人気ランキングに入るほどです。

ナンバーシュガー(表参道)で注目すべきなのが、多くの大衆点評のコメントを見てみると、小紅書(RED)の影響が非常に強いことです。

ナンバーシュガー(表参道)の大衆点評では「小紅書(RED)で紹介されていたのを見て来てみました」というコメントが非常に多く見られます。

【ナンバーシュガー(表参道)の大衆点評の画面、画像右上に「私も小紅書(RED)を見て来た」というコメントがある】

さらに面白いのが、小紅書(RED)でのナンバーシュガー(表参道)の紹介内容を見てみると、有名なインフルエンサーが紹介しているのではなく、フォロワーの決して多くない一般人が紹介している点です。

【小紅書(RED)でフォロワーが50人くらいの一般人の紹介が、人気のトリガーになっている】

現在、多くの中国人は、日本に訪問する前に、訪れたいお店を入念に調べて、リストアップしています。

日本の現場でどのように売り込むかを検討するのも大事ですが、中国ソーシャルメディアを使って、日本へ訪れる準備をしている中国消費者に対して、どのようにアピールするかも非常に大切なポイントになるでしょう。

中国ソーシャルメディアを活用した飲食店業界の成功のポイント

インフルエンサーの活用

中国ソーシャルメディアを活用した飲食店業界を紹介しましたが、ここで成功のポイントを押さえておきましょう。

成功のポイントを3つにまとめるのと、下記のとおりです。

  • インフルエンサーの活用
  • 魅力的なコンテンツ
  • 根気強さ

まず、飲食店業界に限ったことではありませんが、中国ソーシャルメディアを使ってプロモーションを行う場合、インフルエンサーの活用が非常に大事になります。

インフルエンサーの中国ビジネスへの影響は、日本と比較にならないほど、非常に大きいです。

実際、中国においては、インフルエンサーを活用したマーケティングはすでに主流になっています。

その背景には、中国消費者は、大きな組織による裏切りを経験してきた過去があり、会社自身による広告は信じていません。

結果として、ブランドに起用されている有名人よりも、一般庶民に近いインフルエンサーの情報の方が信頼性できると評価されているのです。

そのため、中国では、知名度の高い有名人やトップインフルエンサーを使い、会社公認のアンバサダーとして広告を行う方式はあまり受けが良くありません。

成功事例で紹介したナンバーシュガー(表参道)が小紅書(RED)でヒットするきっかけとなった一般人の投稿が、圧倒的に中国消費者受けは良いです。

特に、食べ物などの体に大きな影響を及ぼすものに対しては、中国人は非常に慎重になります。

ブランドや店舗と関係のない一般人が発信している情報は、中国消費者にとってより大きな信頼性のある情報として受け取る傾向があるのです。

魅力的なコンテンツ

次に、中国ソーシャルメディアを活用する際は、魅力的なコンテンツを作成することが大事です。

具体的には、流行を意識することや視聴者を飽きさせない工夫が重要です。

例えば、中国語動画制作・動画編集を行う際は、流行を意識して行うことが求められます。

中国版TikTok抖音(Douyin)では、流行っているジャンルの関連動画を連続して多く見るユーザーが多く、話題性のある動画を制作・編集するだけで、動画再生数が大きく伸びるためです。

また、動画のテーマだけでなく、トレンドに乗っているBGMを選ぶだけで、再生数が伸びることもあります。

現在流行っている話題やトレンドには、常にアンテナを張っておくことが、たくさん再生される動画を作ることにつながります。

一方、話題性のある動画は、既に多く投稿されており、それだけ競争が激しい状態である可能性があります。

自分が投稿するタイミングや独自性等も考慮しながら、動画編集していくと良いでしょう。

視聴者を飽きさせない工夫も、大事なポイントです。

具体的には、動画撮影・編集前に、動画の構成やシナリオをしっかり考えておくことが、コツです。

特に、ショート動画については、開始数秒が最も離脱率が高い傾向がありますので、開始数秒の動画編集には最も力を入れるようにしましょう。

特に飲食の場合は、製造過程すべてを撮影しても、中国消費者に飽きられてしまいます。

中国人が面白いと思えるところだけに絞って、動画内容を編集し、可能な限り短く、インパクトのある動画にまとめることが大事です。

根気強さ

中国ソーシャルメディアを活用した美容サロン・美容院業界の成功のポイントとして、技術的なことを紹介してきました。

最後に大事なのは、成功するまで分析していく根気強さです。

中国ソーシャルメディアの状況や運用ルール、そして中国消費者心理は、日々変化しています。

トレンドも大きく変わることがあるため、これまでの成功パターンが急に使えなくなるということもあります。

そのため、中国ソーシャルメディアで投稿した後でも、何が足りないのか、そして中国消費者が求めているものは何かなどを根気強く分析していくことが大事です。

最後に

以上、中国ソーシャルメディアの力を活用した飲食店業界の成功事例について、解説しました。

弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。

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