中国人をターゲットとして、自社サービスや商品を販売したいと考えた時、広告枠の選定は非常に重要です。
また、広告枠の選定を行う際は、中国市場の特徴や、どのような広告枠があるのかなど比較検討しておく必要があります。
この記事では、中国市場の特徴、広告枠の種類、そして中国人消費者にリーチするための最適な広告枠について、解説していきます。
中国市場の特徴とビジネスチャンス
中国市場の特徴
中国は世界最大の人口を抱える国であり、その巨大な市場は非常に魅力的です。
あらゆる業界の市場規模も全体的に年率10%の勢いで伸びており、日本をはじめとする先進国市場の成長が鈍化していることから比較すると、有望な市場と言えます。
しかし、中国市場に参入するためには、中国市場の特徴を理解することが不可欠です。
以下、中国市場の大きな特徴を紹介しましょう。
- 文化と言語
- デジタル市場の発展
- 中国消費者の需要
- 競争環境
1つ目の中国市場の特徴は、中国は文化的多様性があり、異なる地域で異なる言語や文化があることです。
中国市場戦略を展開する際には、その地域の差を考慮し、文化や好みに合った対応が必要になります。
2つ目は、中国のデジタル市場が大きく発展していることです。
モバイルアプリやオンラインプラットフォームが広告展開において、重要な役割を果たしています。
特に、中国版TikTok抖音(Douyin)、小紅書(RED)、微信(WeChat)、Alibabaなどのプラットフォームの動きには注目です。
3つ目の特徴としては、中国の消費者は高品質な製品とブランドに対する要求が高くなっていることです。
安さや日本ブランドだけの協調では中国消費者を引き付けることはできず、しっかりとしたブランディングに基づいた品質と信頼性を強調することが成功の鍵と言えます。
4つ目の特徴は、中国市場は既に競争が激しいため、独自性を持つ広告戦略が必須です。
競合他社の分析を行い、差別化ポイントを見つけるのが大切です。
日本企業にとっては大きなビジネスチャンス
中国市場の特徴を知ると、「なんだか難しそう」と尻込みしてしまう方もいるかもしれません。
しかしながら、日本企業にとっては、実は大きなビジネスチャンスです。
その主な理由は、中国市場は非常に大きく・成長率が高いこと、日本ブランドのイメージが良いこと、日本と中国の親和性が高いことなどが挙げられます。
まず、人口から推定すると、中国市場規模は日本の10倍以上あります。
成長率も著しく、年率10%前後であらゆる産業の市場規模が大きくなっています。
横ばい状態の日本と比べると、大きなチャンスであることは間違いありません。
また、中国では、日本ブランドに対するイメージはとてもいいです。
日本ブランドというだけで通用する時代ではないものの、未だアドバンテージはありますので、他国のグローバルブランドよりも有利であると言えるのです。
最後に、日本と中国の親和性は非常に高く、優位性があります。
例えば、商品機能面でいえば、身長、体形、肌の質感など、日本人と中国人は非常に似ており、ファッションや化粧品などでは、日本の製品がそのまま中国で受け入れられることが多いです。
距離が近いこともあり、日本語・中国語や日中の文化に精通している会社や人材が多く、ビジネスインフラは比較的整っています。
リスクへの万全な対策も必要
日本企業にとって、中国市場を攻めることは、大きなビジネスチャンスである一方で、リスクがあることに注意をする必要があります。
まず、中国の法律や規制リスクがあります。
中国の法律や規制は、複雑でかつ変動が激しいため、事業を展開する際に法的コンプライアンスを確保することが難しい場合があります。
最近では、知的財産権や個人情報の保護などが特に重要な領域です。
次に、政治的リスクにも注意が必要です。
中国の政治環境は不透明で、直近ではコロナ対策や福島処理水に対するバッシングなど、政府政策が急激に変化することがあります。
コロナ対策が実施されたときには、多くのブランドが中国への販売ができない時期がありました。
福島処理水に対するバッシングでは、海産物や加工食ブランドだけなく、日本ブランド全般に大きな影響を与えています。
最後に、中国市場は競争が激しく、また商品やサービスによっては、参入障壁が高い点に注意が必要です。
世界一の消費者市場を狙っているグローバルブランドや中国国内ブランドが日に日に増えています。
また、教育や通信など、中国政府から保護されている産業などもあり、その場合は参入障壁が非常に高いです。
中国人をターゲットとした広告マーケティング
広告枠の種類
中国市場の特徴とリスクは、概ね理解できたかと思います。
どのように中国人へ自社商品やサービスをアピールしたらよいのかについて、知りたくなった方がいるのではないでしょうか。
ここで、中国人消費者をターゲットとした広告枠にはどんなものがあるかについて、簡単に紹介しますね。
- 新聞広告:信用力が高い、文字表現でのメッセージ力が強いというメリットがある一方で、広告有効期間が短い、情報容量が小さい、拡散範囲が制限されているなどのデメリットがあります。
- 雑誌広告:信用力が高いことやターゲットとする中国ユーザー層にリーチできるなどのメリットがある一方で、広告有効期間が短い、情報容量が小さいなどのデメリットがあります。
- テレビ広告:拡散範囲が広い、信用力が高い、情報量が多いなどのメリットがありますが、広告費が高い、ターゲティングしにくいなどのデメリットがあります。
- インターネット広告:拡散範囲が非常に広い、ターゲティングしやすい、効果が測定しやすいなどのメリットがある一方、競争が激しく、技術的な要求が高くなっているなどのデメリットがあります。
中国人をターゲットとした広告戦略の特徴
広告枠の種類としては、日本とあまり変わらないことが分かったと思いますが、中国の広告マーケティングでは大きな特徴があります。
その最も大きな特徴は、インターネット広告が非常に活発であることです。
日本では2021年にインターネット広告費がテレビなどのマス広告費を追い抜いたと、大きなニュースになりました。
ところが、中国では日本に先駆けてインターネットネット広告費がメインになっています。
特に、中国では、スマートフォン向けのインターネット広告マーケティングが非常に盛んです。
スマートフォン向けのインターネット広告が盛んな理由は、中国のネット利用状況を調べるとすぐわかります。
CNNIC(中国インターネット情報センター)によれば、2022年6月時点、中国のインターネットユーザーの規模は10億5100万人で、インターネット普及率は74.4%に達しています。
そのうち、中国のスマートフォンによるネットユーザーの割合は99.6%で、その規模は10億4700万人です。
中国現地に来るとすぐにわかりますが、老若男女問わず、中国人は時間があれば、スマートフォンを片手にSNSやショート動画を見ています。
つまり、大半の中国人がインターネットユーザーであり、そのうちほぼ全員がスマートフォンを使っているのです。
スマートフォン向けの広告枠の特徴
さらに、そのスマートフォン向けの広告枠では、他の広告とは違った特徴があります。
その特徴とは、中国SNSという限られたプラットフォームで使われていること、動画やライブが盛んであること、インフルエンサーの活用です。
中国では、ファイスブックやYouTubeなどの世界でメジャーなSNSが使えません。
グレートファイヤーウォールという中国政府管理の検閲によって、世界でメジャーなSNSの利用が制限されているためです。
中国検閲体制はさぞ中国国民を苦しめているのだろうと思うかもしれませんが、その代わりとなる中国独自の中国SNSがあり、不自由を感じることはほぼありません。
そして、中国人はその中国SNSでコミュニケーションや動画視聴を行い、広告主側は中国SNSを活用し、広告枠の設定などを行っています。
さらに、SNSの中では、動画コンテンツやライブ販売が非常に人気です。
動画コンテンツやライブ販売では、インフルエンサーとタッグを組んで行うのが、一般化しています。
特に、中国のインフルエンサーの影響力は、日に日に大きくなっており、インフルエンサーマーは既にSNSマーケティングでなくてはならない存在になっています。
中国のインフルエンサーの影響力については、下記の記事で詳細を記載していますので、興味のある方はご覧ください。
中国のKOLランキング:ビジネスへの影響とマーケティング力 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
中国人消費者をターゲットとした最適な広告枠
中国人消費者をターゲットとした最適な広告枠を考えるポイントは、ターゲティングを明確にすることと、定期的に分析を行うことです。
実はターゲティングを明確に定めないまま、単に人気のあるSNSを適当に選んで、うまくいっていないケースが多いです。
ターゲティングを明確にすると、選ぶべき広告媒体やSNS、インフルエンサー、マーケティング戦略などが自然と決まります。
例えば、若い中国人女性向けに広告をしたいと考えるなら、そのターゲット層とユーザー層とマッチする中国SNSなどを選びます。
さらに、地域ごとで人気なインフルエンサーが異なることがあるため、中国全国をカバーできるように、複数のインフルエンサーとタッグを組み、マーケティング戦略を策定することもあります。
また、広告枠を設定し、プロモーションを実施した後の分析がとても重要です。
プロモーション後の分析を行うことで、より効果のある広告枠を設定やプロモーション戦略などを実施できるようになるのです。
中国の主要プラットフォームの紹介
中国版TikTok抖音(Douyin)
最適な広告枠の決め方がわかったところで、スマートフォン向けの広告枠で具体的にどんなプラットフォームが使われているのかについて、見ていきましょう。
まず、直近で、最も大きく成長しているプラットフォームと言えば、中国版TikTok抖音(Douyin)です。
中国ではすでに10億人が使っている動画SNSアプリで、ショート動画プラットフォームではNo.1です。
中国国内では、広告枠として最もよく活用されているSNSであり、Quest Mobile(インターネット専門の中国大手市場調査会社)の最新調査によれば、2022年1~10月における中国インターネット広告収入占有率で、ランキングNo.1は中国版TikTok抖音(Douyin)になるほどです。
ただし、中国消費者向けに使われているのは中国大陸版であり、私たち日本人が普段使っている国際版とは、全く異なるプラットフォームであることに注意が必要です。
詳細は、下記の記事で紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
抖音(Douyin) 完全活用ガイド:インストールから登録、使い方まで- 中国版TikTok | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
百度(Baidu)
2つ目は、百度(Baidu)です。
中国最大の検索エンジンのプラットフォームであり、中国版グーグルとも呼ばれることもあります。
中国では、以前、何かわからないことがあれば、百度(Baidu)で検索するのが一般的でした。
ところが、多く中国人が中国版TikTok抖音(Douyin)などのSNSを使って、情報収集するようになっており、百度(Baidu)は少し下火になっています。
実際、2021年下半期には、百度(Baidu)は中国版TikTok抖音(Douyin)に検索量で抜かれています。
ただ、検索広告枠としては、まだまだ大きな存在感があり、多くのブランドが一定の広告枠を確保している状況です。
大衆点評(大众点评)
3つ目は、大衆点評(大众点评)という、簡単に言うと、中国版ぐるなびのような口コミサイトです。
中国国内では、レストランやホテルなどのレビューサイトとして非常に有名です。
日本では、中国人消費者をターゲットとしたインバウンドビジネスの広告枠としても、よく使われています。
また、最近、大衆点評(大众点评)自身が医療観光・インバウンド集客には力をいれ始めていることにも注目です。
具体的には、大衆点評(大众点评)が中国国内の患者から問い合わせを受けて、大衆点評(大众点评)に出店している日本の医療機関へ患者を紹介するというサービスを開始しています。
実力のあるクリニックにとって、非常に効率的に集客ができるツールになることは間違いないでしょう。
小紅書(RED)
4つ目は小紅書(RED)です。
小紅書(RED)は、インスタグラムのような写真投稿機能があり、中国版インスタグラムとも呼ばれています。
小紅書(RED)上で、投稿した内容に関する商品を購入することができる機能も備わっています。
ユーザー数は3億人を超えており、中国の若い女性がメインユーザーで、美容関連の情報が多いのが特徴です。
インバンドビジネスでも非常に注目されており、中国の若い女性が良く使っているアプリということで、実際に日本のスイーツのお店なども多く紹介されています。
比达咨询という中国調査会社によれば、中国人が旅行で計画を立てる際に使うプラットフォームを調査したところ、1位が小紅書(RED)だったという調査結果があるほどです。
試しに、小紅書(RED)で、「日本旅行」と検索すると、直近1か月以内の情報が上位に表示され、コンテンツも非常に豊富です。
メインユーザーが中国の若い女性ということもあり、ターゲティングもしやすく、購入までつなげることができます。
若い女性向け商品やサービスを扱うブランドにとっては、まさに万能なプラットフォームと言えるでしょう。
微信(WeChat)
5つ目は、微信(WeChat)です。
微信(WeChat)は、中国で最もよく使われているメッセンジャーアプリで、中国版LINEとも呼ばれることがあります。
LINEのようにメッセンジャーアプリとして使われているだけでなく、お財布機能として、貯金やモバイル決済機能(WeChat Pay)があり、日本インバウンドビジネスでも必須のツールです。
広告枠としては、微信(WeChat)プラットフォーム内でのプロモーションや告知などとして使われています。
ところが、多くのブランドでは、単純なプロモーションや動画投稿としては微信(WeChat)を使っていません。
実は、多くのブランドで採用されているのは、中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)などを使って、うまく中国市場でブランディングができた後、自社の微信(WeChat)公式アカウントへの顧客の囲い込みなのです
例えば、微信(WeChat)で顧客の囲い込みを行なうことができると、微信(WeChat)でプロモーションを行う場合は、比較的簡易な告知で購買につなげることができます。
理由は、微信(WeChat)の公式アカウントに登録されている顧客は、ほぼファンに近いレベルのユーザーの為、凝ったプロモーションを行わずとも、購入してくれるためです。
また、中国版TikTok抖音(Douyin)の投稿内容に関する規制は、厳しくなっている傾向があり、突然アカウントの利用停止処分を受けるなどのリスクがあります。
微信(WeChat)の公式アカウントの場合、お気に入りにしないと全部の情報が見ることができないなど、クローズドな空間のため、比較的規制が緩いというメリットが享受できるのです。
下記の記事で、詳細を紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
WeChatから抖音・小紅書まで:中国SNSマーケティングの全貌と効果的なテクニック | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
最後に
以上、中国市場の特徴、そして中国人消費者にリーチするための最適な広告枠について、解説しました。
弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。
ぜひご気軽にご相談ください。
クレソン株式会社 HP
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小紅書(RED)運用代行
【 こんなお悩みありませんか??】
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