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化粧品事例紹介:中国版TikTok抖音(Douyin)と小紅書(RED)の活用成功モデル

中国化粧品業界において、中国版TikTok抖音(Douyin)と小紅書(RED)を活用してマーケティングを行うことが主流になっています。

また、数年前までは、中国版TikTok抖音(Douyin)などを単に活用するだけで、大きなプロモーション効果がありました。

ところが、既に競合他社が増加しているため、以前よりも活用の難易度は高くなっています。

現在では、中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)におけるマーケティング手法を熟知することが、中国市場で成功するための一つの条件といえるでしょう。

この記事では、中国化粧品業界の現状、化粧品業界における中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)のマーケティング成功モデル、化粧品事例紹介をしていきます。

目次

中国化粧品業界の現状

中国化粧品市場は大きくなり続けている

中国の化粧品市場は、2021年時点で4,000億元(約8兆円)の規模に達しています。

直近では成長の鈍化がみられるものの、年率約10%前後で成長し続けている大きな市場です。

世界の化粧品市場規模は横ばいであることから考えると、非常に有望な市場と言えるでしょう。

また、ローランド・ベルガーなどの市場調査データによれば、直近ではインターネットによる購入比率が高くなっています。

10年前まではインターネット購入比率が30%でしたが、現時点では40%以上に達しています。

さらに、18-24歳の層がメインユーザー層(40%近く)であり、18-30歳の層で60%以上の化粧品の消費を占めます。

インターネット購入に対して全く抵抗がない若年層がより増えていくことを考慮すると、インターネット購入比率が大きくなることは間違いないでしょう。

一方で、中国の若年層は、海外や中国国内ブランドに対するこだわりや偏見はほとんどなく、クオリティや価格などをフラットに評価し、購入する傾向があります。

総括して言えば、日本の中小企業にとっては、中国拠点がなくても越境ECで中国消費者へ十分にアプローチできるため、販売手続きの面では有利な面があります。

ところが、市場としては、中国ブランドの台頭などがあり、中国市場の攻略の難易度は日に日に高まっている状況です。

中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)を活用した戦略が活発に

中国市場の戦略の難易度が高まっているのは、外資大手ブランドや中国ローカルブランドにとっても同じであり、各ブランドが様々な戦略を策定・実行しています。

そして、中国マーケティング戦略の中で、中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)を活用した戦略がよく採用されるようになっています。

化粧品関連の販売実績規模でいえば、未だにアリババグループが運用する「淘宝(タオバオ)」・「Tmall(天猫)」がナンバーワンです。

ところが、最近では、「淘宝(タオバオ)」・「Tmall(天猫)」における化粧品販売実績の成長はマイナスになっており、中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)での販売が活発になっています。

例えば、「淘宝(タオバオ)」・「Tmall(天猫)」の2022年上半期における、スキンケア商品の売上実績額/前年同期比は143.8 億元(約3,000億円)/-2.9%,メイクアップ商品の売上実績額/前年同期比は 51.8億元(約1,000億円)/-19.2%でした。

一方、中国版TikTok抖音(Douyin)では、スキンケア商品の売上実績額/前年同期比は45.1 億元(約9 00億円)/+47.5%,メイクアップ商品の売上実績額/前年同期比は 11.5億元(約200億円)/+44.6%でした。

つまり、化粧品関連の販売実績規模でいえば、「淘宝(タオバオ)」・「Tmall(天猫)」は依然としてナンバーワンですが、中国版TikTok抖音(Douyin)の成長率で見ていくと、数年で「淘宝(タオバオ)」・「Tmall(天猫)」を追い越すことが容易に想像できる状態なのです。

小紅書(RED)でも同じような現象が起きており、化粧品業界では、中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)を活用したマーケティングが活発になっています。

中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)で成功している企業は外資系?!

化粧品業界において、中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)で大きく成功している企業は、外資系ブランドです。

実際、2020年末から2021年にかけて、アメリカブランドのメイベリン、エリザベス・アートン、ヨーロッパブランドのロレアルなどのグローバルブランドが中国版TikTok抖音(Douyin)へ本格参入し、大きく成功しています。

2022年には、エスティローダー、ランコム、ヘレナ、SK-IIなどのハイエンドブランドが、一斉に中国版TikTok抖音(Douyin)へ本格参入しています。

結果的に、2022年10~12月には、外資ブランドが売上ランキングの上位を制覇していました。

これが直近までの中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)の化粧品業界の動きですが、2023年では少し変化が起き始めています。

その変化とは、中国国内ブランドの台頭です。

花西子、自然堂、珀莱雅、FV、肌先知などの中国国内ブランドの人気が、日に日に高まっています。

特に、肌先知は、2022年3月頃から中国版TikTok抖音(Douyin)で24時間ライブを行うなどし、頭角を現し始めています。

また、中国国内ブランドの特徴は、主に価格が安いことや中国風を売りにしている面があります。

それらは、コストパフォーマンスを重視し、自国へのプライドを持つ中国若年層のハートをしっかりつかんでいるのです。

中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)の今後の動きはタオバオモールで占える

現在、化粧品業界における中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)での成功者は、外資ブランドであることは間違いありません。

しかしながら、中国ブランドの台頭もあり、必ずしも外資ブランドが勝ち続けることは限りません。

なぜそのようなことが言えるかというと、多くの中国ECプラットフォームは、タオバオモールと同じ運命をたどっているからです。

ここで、同じ運命とは、最終的に、各プラットフォームの成功ルールを熟知したブランドが成功するということです。

タオバオモールがオープンしたばかりの2003年では、主に芳草集、阿芙などのタオバオブランド(中国語:淘品牌)と呼ばれるタオバオモール内で有名になった中国マイナーブランドが、優勢でした。

ところが、2011年になると、珀莱雅、韩束、自然堂、百雀羚等などの中国国内の有名ブランドが、タオバオモールに参入しはじめ、勢力図のトップに君臨するようになります。

2015年頃になると、グローバルブランドが参入しはじめ、売上ランキングの上位を占めるようになります。

2018年頃になると、中国国内ブランドが台頭しはじめ、外資と中国国内化粧品ブランドが競い合う、玉石混合の時代となります。

現在は、国内外ブランドの関係はなく、タオバオモールにおける成功のルールを熟知したブランドが成功するようになっています。

そして、タオバオモールにおける成功のルールとは、簡単に言うと、上位に検索されるルールを指します。

現在、タオバオモールでは、各ブランドが、いかに上位に検索されるかに集中して、しのぎを削っている状態なのです。

実は、中国版TikTok抖音(Douyin)もタオバオモールと同じ運命をたどっています。

「抖品牌」と呼ばれる中国版TikTok抖音(Douyin)モールで有名になったマイナーブランドが制覇していた時代は過ぎており、2021年後半から中国国内有名ブランドが勢力図のトップに君臨します。

2022年前半頃から外資ブランドが中国版TikTok抖音(Douyin)モール内で制覇していましたが、2023年現在は再び中国有名ブランドが台頭しはじめ、玉石混合の時代に突入しようとしています。

タオバオモールと異なる点は、勢力図の変化のスピードが速いことと、プラットフォームの成功ルールが異なる点です。

タオバオモールでは、中国マイナーブランド→中国有名ブランド→グローバルブランド→玉石混合の時代というサイクルまで15年の歳月を要しています。

一方で、中国版TikTok抖音(Douyin)では、わずか5年ほどです。

また、タオバオモールでは上位検索が成功のキーですが、中国版TikTok抖音(Douyin)では主にコンテンツの面白さが成功のキーです。

コンテンツの面白さを競う際は、ブランドの価値観だけではなく、商品それぞれの特徴をうまくコンテンツに落とし込む必要があるという面で、中国版TikTok抖音(Douyin)でのマーケティングの難易度は若干高いと言えるでしょう。

化粧品業界における中国版TikTok抖音(Douyin)活用戦略

中国版TikTok抖音(Douyin)活用の成功モデル

中国版TikTok抖音(Douyin)の活用においては、中国現地では「内容为王(コンテンツが最重要)」と呼ばれるほど、コンテンツが重要視されています。

中国版TikTok抖音(Douyin)活用の成功モデルは、コンテンツを磨き上げることに尽きます。

伸びるコンテンツの作り方は、下記の記事で詳細を解説していますので、興味のある方はご覧ください。

抖音(Douyin)の伸ばし方!中国における効果的な集客方法とマーケティング戦略 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

もう少し長期的な視点での成功モデルを紹介すると、最も理想的な成功ステップは3段階あると中国現地では言われています。

  • 1段階目:知名度を上げるために、インフルエンサーを起用する
  • 2段階目:フォロワー数が一定程度になった時点で、フォロワー管理に力を入れる
  • 3段階目:インフルエンサーの使用率を一定程度に抑え、自社で販路拡大できるようにする

1段階目では、自社商品のビジュアルなどによほどのインパクトがない限り、すぐに大きなヒットを生み出すようなコンテンツを作るのは難しいです。

そのため、短期間に効率よく中国版TikTok抖音(Douyin)で、マーケティング効果を得たいと考えるのであれば、インフルエンサーの起用が欠かせません。

2段階目では、フォロワー数が増えてきますので、フォロワー管理や分析に力を入れることが大事になります。

具体的には、フォロワー層などをよく分析し、フォロワーが好むコンテンツや、商品販売につながるようなコンテンツ作りに力を入れます。

3段階目では、フォロワー管理をうまく行うだけでも、ビジネスが回るようになってきます。

この段階で、インフルエンサーの使用率を一定程度に抑え、自社でフォロワー増加や販路拡大できるようにすることが大事になります。

インフルエンサーの起用費用は増加傾向にあり、またインフルエンサーの不祥事などが中国で多発しているため、インフルエンサーへの依存は早い段階で脱却しておくことが肝心なのです。

化粧品事例- Avene

中国版TikTok抖音(Douyin)をうまく活用し、実際に大きく成功した化粧品ブランドを紹介しましょう。

1社目はAvene(中国語:雅漾)という、フランスの化粧品外資ブランドです。

【Aveneの中国版TikTok抖音(Douyin)アカウント】

当初、Aveneは中国ではそれほど有名ではありませんでしたが、今では一定の知名度を得ています。

Aveneの戦略は、「アリ軍隊戦略」と中国現地で呼ばれ、ひとつの成功モデルになっています。

「アリ軍隊戦略」とは、ブランドとの親和性が高い多数のインフルエンサーを起用し、一斉にプロモーションやライブを行うことを指します。

それまでインフルエンサーの活用と言えば、トップインフルエンサーを1-2名起用するのが基本であったため、当時としては非常に斬新でした。

結果としては、わずか数日で、フォロワーが約30万人増加、約2500万元(約5億円)の売上を達成することができました。

化粧品事例-ロレアル

2社目の成功事例は、ロレアル(中国語:欧莱雅)です。

ロレアルは、中国版TikTok抖音(Douyin)で、化粧品ブランドとして1位を何度も獲得しています。

【ロレアルの中国版TikTok抖音(Douyin)アカウント】

特に、中国版TikTok抖音(Douyin)ライブでは、数日間に販売額1300万元(約2億6000万円)を達成するほど、大きく成功しています。

ロレアルは世界的にも有名なブランドではありますが、中国でのマーケティングを綿密に行い成功しています。

例えば、ロレアルは商品機能、商品価格、数量、コンテンツの組み合わせなどの面から、中国消費者の反応を研究し、最終的に最適なコンテンツ作成を行っています。

その他、千川という中国版TikTok抖音(Douyin)の情報分析サイトを活用し、どのタイミングでコンテンツを投稿すると良いのか、最も売上が上がるライブの時間帯などを調査しています。

このように、ロレアルほどの有名ブランドでも知名度だけで売れることはなく、綿密に中国版TikTok抖音(Douyin)での成功パターンを探り、成功しているのです。

化粧品業界における小紅書(RED)活用戦略

小紅書(RED)活用の成功モデル

小紅書(RED)でのマーケティング成功モデルは、KFSモデルと中国現地では言われています。

ここで、KFSとはKOL、FEEDS、SEACHの頭文字を並べたものです。

まず、KOLについては、KOLのピラミッド図の理解が重要と言われており、KOCの選択・トップKOL~KOCの使い分けをうまく行うことが、一つの成功のキーと言われています。

具体的には、中国KOLは、シンプルにフォロワー数によって、トップKOL~マイクロKOLまで、ピラミッド図が形成されています。

さらに、その下には、KOC(Key Opinion Consumer)という、知名度やフォロワー数、専門性などでは中国KOLに劣るものの、フォロワーとの関係が綿密というインフルエンサーもいます。

次に、FEEDSについて、口コミマーケティングを指します。

口コミマーケティングにおいては、プロセスやターゲティングなど精密に行って初めて成功します。

商品によっては、口コミマーケティング期間を半年以上かける必要がある場合や、開始するタイミングも吟味する必要があります。

ターゲティングについても、潜在顧客のカバー率を上げようとするなら、フォロワー層の異なる中国KOLやKOCを複数選ぶことが大切になります。

最後に、SEACHについて、検索時に使われるキーワード精査が成功のキーになっていることを指します。

潜在顧客はどんなキーワードで検索を行い、どのようなコンテンツを見ようとするのかを綿密に調査する必要があります。

最終的に、ファンになってくれそうな顧客向けのキーワード精査など、顧客の興味度合いに応じてのキーワード精査を行い、中国KOLに投稿依頼するときには、キーワードを入れてもらうなどの対応をしてもらいます。

このように、小紅書(RED)での成功モデルが確立しているのです。

化粧品事例- ANESSA

化粧品事例- ANESSA

ANESSAは、資生堂が展開している日焼け止めクリームのブランドです。

【ANESSAの小紅書(RED)アカウント】

現在、ANESSAの日焼け止めクリームは、中国でも大変人気があります。

小紅書(RED)では、主として、フォロワーが1万人以下のKOCに動画の投稿依頼などをお願いしていました。

KOCは、専門性・フォロワー数などではKOLに劣りますが、フォロワーとの関係が綿密という特徴があります。

小紅書(RED)では、コミュニティ形成や口コミサイトとして人気なプラットフォームのため、フォロワーに近い存在であるKOLの方が、効果的にマーケティングができるのです

結果として、ANESSAの知名度は高まり、中国における日焼け止めクリームブランドとしてトップに君臨するまで成功しています。

最後に

以上、中国化粧品業界の現状、化粧品業界における中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)のマーケティング成功モデル、化粧品事例について、解説しました。

弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。

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