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WeChat(微信)企業版の魅力とは?ビジネスに活かすためのポイント

WeChat(微信)は中国で最も使われているメッセンジャーアプリですが、WeChat(微信)企業版があります。

みなさんが普段使っているWeChat(微信)は個人版ですが、企業版を使うと一般ユーザーから公式アカウントとして扱われます。

今や中国市場を攻略したいと考えるブランドにとって、必須のツールと言えるでしょう。

この記事では、WeChat(微信)企業版の魅力、そしてビジネスに活かすためのポイントなどを紹介していきます。

目次

WeChat(微信)企業版の魅力

WeChat(微信)企業版とは

WeChat(微信)は中国で最も人気のあるメッセンジャーアプリで、中国版ラインと呼ばれることがあります。

中国ビジネスや中国人と関わりのある方でしたら、一度は使ったことのあるアプリだと思います。

そのWeChat(微信)には、個人版と企業版があります。

普段みなさんが使っているのは個人版で、別途申請を行うことにより、企業版が使えるようになります。

中国マーケティングで成功している会社やブランドは、漏れなくWeChat(微信)企業版を有効活用しています。

今や、中国マーケティングを行う上で、WeChat(微信)企業版は必須のツールと言っても過言ではないでしょう。

なお、個人版のWeChat(微信)の使い方については、下記記事で紹介していますので、興味のある方はご覧ください。

WeChat(微信)を上手に日本で使うコツと注意点 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

WeChat(微信)企業版でできること

WeChat(微信)企業版では、セールやキャンペーン情報の発信、クーポンの発行、そして直接ユーザーとのメッセージ機能を通じた密なコミュニケーションが可能になります。

これにより、商品の販売促進や来店促進が効果的に進めことができるという、大きなメリットがあります。

同時に、WeChat(微信)企業版は公式アカウントの広告・ミニプログラム広告・モーメンツ広告の掲載も可能です。

これらをユーザーとのコミュニケーションと組み合わせて利用することで、より大きな集客効果が期待できるのです。

最近になってようやく日本でブランドの公式LINEなどが普及していますが、中国ではすでにWeChat(微信)企業版を活用した公式アカウントが広まっています。

特に、数秒単位でのレスポンスがないと、ユーザー側から「遅い」「対応が悪い」などの評価を受けます。

実際、中国ブランドの公式アカウントやECモールに問い合わせると、ほとんどの場合、数秒でレスポンスが返ってきます。

そのスピードは、日本側ではサービスの良さに感動するレベルですが、中国では一般レベルなのです。

メールを使用した丁寧な対応も大事ですが、中国ではスピードとコミュニケーションのしやすさが重視されています。

そのスピード対応を実現させてくれる点も、WeChat(微信)企業版の魅力のひとつです。

WeChat(微信)企業版の種類

サブスクリプション(購読)アカウント【中国語:訂閲号】

WeChat(微信)企業版には、3つの種類があります。

  • サブスクリプション(購読)アカウント【中国語:訂閲号】
  • サービスアカウント【中国語:服務号】
  • コーポレート(企業)アカウント【中国語:企業号】

それぞれ特徴がありますので、紹介していきますね。

まず、サブスクリプション(購読)アカウント【中国語:訂閲号】は、Webメディアやブログの更新を通知するために有用なアカウントであり、個人でも登録できます。

【サブスクリプション(購読)アカウント【中国語:訂閲号】】

サービスアカウント【中国語:服務号】とサブスクリプション(購読)アカウント【中国語:訂閲号】の機能は、非常に似ています。

この2つのアカウントの主な違いは、サービスアカウントが月に4回までの配信しかできないのに対し、サブスクリプション(購読)アカウントは1日1回の配信が可能であるという点にあります。

次に、機能面に見てみましょう。

両者ともユーザーからの基本メッセージの受信・返信のAPI(Application Programming Interface、プログラム同士をつなぐインターフェース)が利用可能です。

サービスアカウントでは、サブスクリプション(購読)アカウントよりも、広範囲なAPI機能と「WeChat Payment(WeChatペイメント)」の機能が利用可能です。

サービスアカウント【中国語:服務号】

次に、サービスアカウント【中国語:服務号】の詳細について、紹介します。

サービスアカウント【中国語:服務号】は、フォロワーに対して情報を発信するだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションの強化を主な目的として利用されています。

さらに、サービスアカウントは、通常のチャット画面と同じ場所に配信内容を表示できます。

ちなみに、サブスクリプション(購読)アカウントは専用の「購読フォルダ」にメッセージが届く仕組みです。

この差異から、サービスアカウントのメッセージの開封率が高くなり、サブスクリプション(購読)アカウントの開封率は低い傾向があります。

また、サービスアカウントは企業向けの機能が充実しており、特に中国ビジネス展開を考えている企業にとっては有益です。

日本法人として認証取得をする場合は、WeChat(微信)公式アカウントを開設する必要があります。

申請はウェブ上で行い、以下の情報が必要です。

  • 登記簿謄本に記載の情報(住所、経営範囲、代表者氏名など)
  • 銀行口座の情報
  • 運営担当者のパスポート番号
  • 登記簿謄本の写真
  • 運営担当者の直近3か月分の携帯電話料金明細

その後、指定の口座へ手数料の振込(送金)をします。

情報に不備がある場合にはメールや電話で問合せがあります。

コーポレート(企業)アカウント【中国語:企業号】

コーポレート(企業)アカウントは、企業が社内で情報を共有するために利用されているアカウントです。

これは、チャットツールとしての機能を果たし、「チャットワーク」や「Slack」、「LINE WORKS」などに似ています。

コーポレート(企業)アカウントの開設はオンライン上で行われ、アカウントを申請する前に、別途「個別審査」などの認証手続があります。

認証プロセスには年間300元の費用がかかり、開設手続きが完了するまでにかかる期間は1か月程度を見込んでおくとよいでしょう。

認証手続きの完了後、公式アカウントのIDやアイコンの設定などができるようになります。

WeChat(微信)企業版を使ってみよう

WeChat(微信)企業版の申請方法‐サブスクリプション(購読)とサービスアカウント

WeChat(微信)企業版の大枠が理解できたところで、実際に申請方法や活用事例などを見ていきましょう。

まず、WeChat(微信)企業版の申請方法について、サブスクリプション(購読)アカウント【中国語:訂閲号】とサービスアカウント【中国語:服務号】は、下記のウェブサイトへ入り申請します。

https://mp.weixin.qq.com/

すると、下の画面から、サブスクリプション(購読)アカウント或いはサービスアカウントを選ぶことで次に進めることができます。

次の作業では、個人のWeChat(微信)のアカウントを持っていないと進めませんので、WeChat(微信)アカウントをお持ちでない方は、個人アカウントを作りましょう。

WeChat(微信)のアカウントの登録については、下記記事の「2-1、WeChat(微信)アカウントの新規登録方法」で紹介していますので、参考までにご覧ください。

WeChat(微信)を上手に日本で使うコツと注意点 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

なお、現在、中国法人がない場合は、サービスアカウントのみ登録が可能です。

WeChat(微信)企業版の申請方法‐コーポレート(企業)アカウント

コーポレート(企業)アカウント【中国語:企業号】の申請方法は、下記の4ステップです。

1、 WeChat(微信)企業版申請ウェブサイトへ入り、右上の「企业登录」を選択します。

https://work.weixin.qq.com/

2、WeChat(微信)企業版アカウントを持っている場合は、直接認証コードをスキャンします。

もしアカウントを持っていない場合は、画面下の「企业注册(日本語:企業登録)」をクリックします。

3、下記画面の中の項目について、すべて入力し、次へ進みます。

参考までに、各項目の日本語翻訳は、下記の通りです。

  • 「企业名称」:会社名
  • 「行业类型」:会社の業種分類
  • 「员工规模」:従業員数
  • 「管理员姓名」:管理人の名前
  • 「管理员手机号」:管理人の電話番号

「短信验证码(日本語:ショートメッセージ認証番号)」の項目では、右側の「获取验证码(日本語:認証番号を入手)」をクリックし、その後ショートメッセージに送られてくる6ケタの確認コードを入力し認証作業を開始します。

全部入力しましたら、下の青いボタン「注册」をクリックします。

なお、管理者として登録する場合は、QRコードをスチャンすることで、自分のWeChat(微信)アカウントと連携することができます。

登録が完了したら、WeChat(微信)の運用会社であるテンセントからお知らせが来ますので、これにて登録完成です。

WeChat(微信)企業版の広告費用

WeChat(微信)企業版を開設したからと言って、すぐにフォロワー増加や高いエンゲージメントを期待できるわけではありません。

他のSNSアカウントと同様に、ブランドコンセプトや、人を惹きつけるコンテンツが大事です。

そして、認知度を高めるための施策も必要になってきます。

WeChat(微信)企業版では、公式アカウントの広告・ミニプログラム広告・モーメンツ広告の掲載が可能です

さらに、WeChat(微信)企業版であれば、個人版よりも信頼性は高いため、大きなプロモーション効果が期待できます。

企業版の広告種類は豊富で、価格相場も異なります。

課金方法は、スケジュール式・オークション式・クリックオークション式の3種類があります。

まず、スケジュール式の広告掲載は、特定の期間・場所に広告を掲載する方法です。

料金はインプレッション数(広告表示回数)に基づき、地域や掲載面によって決められています。

掲載面については、モーメンツ広告、公式アカウント記事の下部と中央への広告、公式アカウント記事への動画広告、ミニプログラムのバナー広告などがあります。

直近の広告費用の相場は、下記の通りです。

  • モーメンツ広告:

最低金額:5万元(約100万円)/1回

動画広告:60元(約1200円)~180元(約3600円)/1000インプレッション

写真広告:50元(約1000円)~150元(約3000円)/1000インプレッション

  • 公式アカウント記事の画面下への広告

最低金額:1000元(約2万円)/1回

動画広告:30元(約600円)~40元(約800円)/1000インプレッション

写真広告:25元(約500円)~35元(約700円)/1000インプレッション

  • 公式アカウント記事中央への広告

1000元(約2万円)~/1回

  • 公式アカウント記事動画広告およびミニプログラムバナー広告

15元(約300円)~25元(約500円)/1000インプレッション

次に、オークション式の広告形式は、ターゲットユーザーや広告時間に基づいて柔軟にCPM(1,000回あたりの広告表示金額)単価を設定し、配信する方法です。

先ほど同様に、各方式の広告参考価格は、下記の通りです。

  • モーメンツ広告:

最低金額:1000元(約2万円)/1回

値段:30~600元(約600~12000円)/1000インプレッション

  • 公式アカウント記事下部への広告

最低金額:50元(約1000円)/1日

値段:20~200元(約400~4000円)/1000インプレッション

  • 公式アカウント記事動画広告

最低金額:200元(約4000円)/1日

値段:10~200元(約200~4000円)/1000インプレッション

  • ミニプログラム広告

最低金額:1000元(約2万円)/1日

値段:30~200元(約600~4000円)/1000インプレッション

最後に、クリックオークション式の掲載広告は、クリック単位で課金がなされる方法です。

公式アカウント記事下部と中央への広告、ミニプログラムのバナー広告に適用されます。

先ほど同様に、各方式の広告参考価格は、下記の通りです。

  • 公式アカウント記事下部への広告

最低金額:50元(約1000円)/1日

値段:0.5元(約10円)/1クリック

  • 公式アカウント記事中央への広告

最低金額:50元(約1000円)/1日

値段:0.5元(約1円)/1クリック

  • ミニプログラムのバナー広告

最低金額:50元(約1000円)/1日

値段:0.5元(約10円)/1クリック

なお、WeChat広告では、核心都市(北京と上海)の広告単価が高く、重要都市(広州・成都・深圳・杭州・武漢・蘇州・重慶・南京・天津・西安・沈陽・長沙・青島・寧波・鄭州・大連・厦門・済南・ハルビン・福州など)が次に高く、その他地域の広告単価は低い傾向があります。

WeChat(微信)企業版の活用事例

WeChat(微信)企業版を活用している中国ブランドが増えていますが、日本ブランドでも成功事例が出てきています。

例えば、無印良品は、オンラインとオフラインの両面からファンを引きつける戦略を展開しています。

具体的には、公衆号アカウントを通じて商品の紹介やイベント案内を積極的に行い、同時に公式アプリ「MUJI passport」と連携させることで、ショッピングでたまるポイントを管理できるようにしています。

この戦略では、公衆号アカウント、ミニプログラム、会員、決済、ビッグデータ、実店舗の要素が組み合わさり、顧客の忠誠度を高める効果があり、売上にも大きく貢献しています。

2つ目の事例として、マツモトキヨシでは、訪日中国人を主要な顧客としてターゲットにし、WeChat公式アカウントを通じて積極的にSNSを活用しています。

このアカウントは、ドラッグストアとしてだけでなく、日本の小売り業界でもトップクラスのフォロワー数を誇ります。

来店を促進する情報発信と同時に、自社ウェブサイトや中国のECプラットフォームへの誘導も行うことで、旅マエ、旅ナカ、旅アトといった様々な状況にある中国消費者にアプローチしています。

実際、毎月4回程度の投稿を行い、積極的に情報発信をしています。

クーポンや商品情報の提供を通じて来店を促し、中国語対応の公式サイトや「天猫国際 旗艦店」への誘導も行っています。

ビジネスに活かすためのポイント

ここまで読んだ方は、WeChat(微信)企業版の全体像を理解できたと思います。

最後に、ビジネスに活かすためのポイントについて、情報整理も含めて紹介しますね。

WeChat(微信)企業版を活用するためのポイントは、以下の手順ではじめてみることです。

1、 現状把握

2、 3種類のWeChat(微信)企業版から選択

3、 実際に運用し改良していく

まず、自社商品やブランドの中国ビジネスの現状を把握します。

中国におけるブランド認知度や中国現地法人があるかなどによって、そもそもWeChat(微信)企業版を使うべきなのか、どのWeChat(微信)企業版を使えばいいかが変わってきます。

例えば、サブスクリプション(購読)アカウント【中国語:訂閲号】は、情報発信を目的としたアカウントであり、毎日1回の配信が可能です。

このため、ニュース速報の発信や企業や、宣伝活動に利用することが一般的です。

一方で、サービスアカウント【中国語:服務号】は、企業とユーザーのコミュニケーションが強化できることが特徴です。

さらに、投稿はチャットリスト内に表示されるため、ユーザーの目に留まる確率が高く、決済機能の導入も可能です。

商品やサービス販売を見据えた状況でしたら、サービスアカウント【中国語:服務号】がいいでしょう。

その他、コーポレート(企業)アカウント【中国語:企業号】は、社員などの特定メンバーのみが利用可能な企業内部向け情報ツールです。

中国スタッフや顧客が増え、リアルタイムで中国ビジネスの管理を行いたいと考えるのでしたら、コーポレート(企業)アカウントを選ぶといいでしょう。

WeChat(微信)企業版から自社に合うタイプを選びましたら、実際に運用していきます。

使っていくとわかりますが、多くの機能があり、驚くことでしょう。

例えば、コーポレート(企業)アカウント【中国語:企業号】では、セミナー情報や営業プロモーションを通じて効果的に配信することができます。

また、他の営業促進アプリを導入することで、エンゲージメントの計測や見込み顧客への効率的なフォローメッセージの配信も可能です。

どのWeChat(微信)企業版も、日々アップデートされており、様々な便利な機能が使えるようになっているのです。

少しでも気になった方は、本記事で紹介したURLなどへ訪問してみることをお勧めします。

最後に

以上、WeChat(微信)企業版の魅力、そしてビジネスに活かすためのポイントなどを紹介しました。

弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。

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