美容サロン・美容院業界は、新たな顧客を獲得することが難しく、競争の激しい市場になっています。
その厳しい市場環境の中、中国顧客という新たな市場を開拓できたことで、大きく成功している美容サロン・美容院があります。
そして、彼らは漏れなく、中国ソーシャルメディアの力を活用しているのです。
この記事では、中国ソーシャルメディアの力を活用した美容サロン・美容院業界の成功事例などについて、解説していきます。
美容サロン・美容院業界での中国市場という新しいビジネス機会
年々厳しくなる美容サロン・美容院業界
日本の美容サロン・美容院業界は非常に大きな市場であり、多くの人が美容施術を受けています。
この市場は長らく成長してきましたが、近年は成熟期に入り、成長率は鈍化しています。
新たなサロン店舗の増加と、既存のサロン間の激しい競争により、市場規模に大きな変化が見られない中、年々競争の激しさは増してきています。
例えば、美容サロン業界では、「オーバーストア」と呼ばれ、美容室の数は既に飽和状態にあるといわれています。
そんな厳しい市場では、技術の進化やトレンドへの対応、SEO対策の強化、直近では感染症予防策の実施などが、成功のポイントとなっていました。
ところが、多くの競合がいる日本市場で成功するのはなかなか難しく、店長一人が集客に頭を抱えて悩み続けるというのが実態です。
中国市場は新しいビジネス機会になりえるのか?!
美容サロン・美容院業界は日本国内で競争が激化し、限られた日本市場で新しいビジネス機会を見つけることは難しい状況です。
ところが、いったん中国市場に目を向けると、新たな可能性が広がっていることがわかります。
以下の通り、日本の美容サロン・美容院業界にとって中国市場はビジネスチャンスになりえるのかについて、考えてみましょう。
- 日本の美容技術力・サービス品質の高さ
- 中国人観光客の増加
- 大きくなっていく中国市場
まず、中国では、日本の美容技術力が高く評価されています。
例えば、ヘアーカットの技術は、日本と中国を比較したとき、圧倒的に日本の方が優れています。
中国でヘアカットサロンの学校では、中国人美容師を日本へ留学させることや、日本人美容師を講師として中国に招いており、日中の技術には大きな差があります。
実際、中国現地でも、ヘアーカット美容師の単価は、中国国内でヘアーカットを学んだ中国人美容師 〈 日本でヘアーカットを学んだ中国人美容師 〈 日本人美容師 の順で値段に格差が生じているほどです。
サービス品質の高さにも定評があり、美容サロン・美容院業界にかかわらず、日本のサービスは中国では大変人気があります。
次に、中国人観光客が増加していることも、中国市場はビジネスチャンスととらえる日本美容サロン・美容院業界にとって追い風になるでしょう。
中国のコロナ政策が解禁後、日本へ訪れる中国人観光客は増加しています。
福島処理水の問題で、日本と中国間の関係は一時的に悪くはなっているものの、増加トレンドであることは間違いありません。
また、日本旅行の中にヘ日本の美容サロン・美容院へ訪れる中国観光客は少なくないのです。
日本へ訪れる中国人観光客の動向については、下記の記事で詳細を記載していますので、興味のある方はご覧ください。
インバウンド中国人観光客の行動傾向:旅行先での関心事と何を見ているのか? | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
最後に、大きな成長をし続ける中国市場は、これから急速に人口が減っていく日本市場にとって、魅力的な市場になっていく可能性が高いです。
例えば、日本のGDP成長率は1%前後ですが、中国は4%前後を維持しています。
GDP成長率4%といえば、日本のバブル経済期と同じ成長率ですから、日本にとって魅力的な市場といえるでしょう。
最近では、実態の中国経済は冷え込んでいると言われているものの、若者が多い都市での消費は活発に行われています。
このように、ひとたびお隣の消費大国中国へ目を向けると、大きなビジネスチャンスがあることに気づくと思います。
小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)の活用が成功のキー
日本美容サロン・美容院業界にとって、中国市場はビジネスチャンスであることは分かりました。
ところが、実際どのようにそのチャンスを取りに行ったらいいのかわからない、という方が大半だと思います。
様々な集客戦略がありますが、最も効果的・効率的に成功できる方法は、小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)の活用です。
まず、小紅書(RED)は、中国版Instagramとも言われる、中国人女性に大変人気のプラットフォームです。
小紅書(RED)のユーザー層は8割女性・8割若者で、口コミサイトとしても利用されています。
20-30代の中国人女性は、気になる商品があれば、まずは小紅書(RED)で口コミ調べるという行動が、一般化しているほどです。
そのため、中国の女性をターゲットとしてマーケティングをしたい場合は、小紅書(RED)を活用するのが非常に有効です。
女性客が多い美容サロン・美容院にとって、このプラットフォームは、非常に強力な武器になるでしょう。
小紅書(RED)については、下記の記事で詳細を記載していますので、興味のある方はご覧ください。
小紅書(RED)とは? 中国人女性に人気のSNSについて解説!! | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
次に、中国版TikTok抖音(Douyin)は、日本でもお馴染みのショート動画プラットフォームです。
中国では8億人を超える利用者がおり、最も利用されているショート動画アプリでもあります。
中国版TikTok抖音(Douyin) の大きな強みは、多くの幅広い中国消費者層にアプローチできることです。
ユーザーの年齢層は、中国の年齢層とほぼ一緒で、老若男女問わず、多くの中国人に支持されています。
また、おすすめ動画として扱うかどうかの判定を行う仕組みであるアルゴリズムが、非常に特徴的で、強みにもなっています。
簡単に説明すると、中国版TikTok抖音(Douyin)では、動画コンテンツ自体が純粋に評価される仕組みがあり、一度高い評価を得ると、一気に拡散する爆発力を持っています。
例えば、中国で自社の美容サロン店・美容院の認知度が低い場合やフォロワー数が少ない場合であっても、ひとたび投稿した動画がヒットすれば、短期間で拡散していきます。
中国で知名度のある美容サロン店・美容院は皆無に等しいため、多くの方は、中国版TikTok抖音(Douyin)を使ったプロモーションが向いています。
中国ソーシャルメディアを活用した美容サロン・美容院業界の成功事例
GO TODAY SHAiRE SALON(いろぱるるん、iroparurun)
ここで、小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)を活用による、美容サロン・美容院の成功事例を紹介していきましょう。
1つ目の成功事例は、GO TODAY SHAiRE SALON(いろぱるるん、iroparurun)という美容サロンです。
集客に成功している要因は、GO TODAY SHAiRE SALON自身が紹介しているわけではなく、日本に住む中国人インフルエンサーによる紹介画像です。
紹介画像を投稿したのは、ROLAという、小紅書(RED)フォロワー数約12万人のミドル級の中国人インフルエンサーです。
【ROLAの小紅書(RED)ホーム画面】
ROLAは、日本の化粧技術2級を保有するほど化粧品やメイクアップに関する専門性が高く、影響力の大きいインフルエンサーです。
トップクラスのインフルエンサーではないものの、投稿されている動画やエンゲージメント関連の指数をみると、非常にプロモーション効果の高いインフルエンサーです。
ROLAが投稿した画像のテーマは、「原宿に行って日色ヘアーカットにしてみて良かった」でした。
【ROLAの小紅書(RED)投稿写真】
実際の投稿内容を見てみると、広告色が非常に薄く、散歩がてら美容院に行ってきたといった日常風景を投稿しているように感じる仕上がりです。
画像の中では肝心のサロン名や美容師名前は明らかにせず、小紅書(RED)のコメントにて、ユーザーから質問されて美容師の名前を回答するという、非常に自然な形で対応しています。
【ROLAの小紅書(RED)投稿のコメント】
【いろぱるるんのインスタグラムの紹介画像】
もともと「いろぱるるん」はソーシャルメディアの活用が非常に上手な美容師ですが、小紅書(RED)活用によっても、成功している美容師の一人であるといえるでしょう。
日本发型师 柳迫一輝
2つ目の成功事例は、日本发型师 柳迫一輝です。
日本发型师 柳迫一輝は、小紅書(RED)、微博(Weibo)などのメジャーな中国ソーシャルメディアすべてをフル活用していることが大きな特徴です。
最近の更新履歴を見る限り、中国版TikTok抖音(Douyin)を中心に中国人消費者の集客を行っています。
【日本发型师 柳迫一輝の中国版TikTok抖音(Douyin)ホーム画面】
中国版TikTok抖音(Douyin)のフォロワー数は、現時点で2.3万人いるほどの日本の個人美容師としては、トップクラスの人気を誇ります。
実際の動画を見てみると、日本式ヘアーカットを売りにしている投稿が目立ちます。
また、投稿履歴を見ると、2018年ごろから投稿をしており、誰よりも先駆けて中国版TikTok抖音(Douyin)を活用していることがわかります。
投稿数も多く、当初から試行錯誤をしながら、中国ソーシャルメディアを活用していることが見て取れます。
名古屋と中国上海にサロン店舗があり、中国ソーシャルメディアを活用し、話題性のある動画を投稿して、集客に大きく成功しています。
银座Calla
3つ目の成功事例は、银座Callaです。
银座Callaは、AIによる最適な光の出力調整や痛みの少ない脱毛照射、保湿ケアなどを実施する技術力の高い日本の脱毛サロンです。
银座Callaは、TikTok抖音(Douyin)を活用し、集客に役立てています。
【银座Callaの中国版TikTok抖音(Douyin)ホーム画面】
中国版TikTok抖音(Douyin)のフォロワーは1600人ですが、日本の美容サロン・美容院としては、多い方になります。
小紅書(RED)のアカウントもありますが、フォロワー数はほどんどおらず、まだ試行錯誤中といった状態です。
脱毛技術についても、中国と日本と比較して、日本の方が高いといわれており、中国では男性でも脱毛をする中国人が徐々に出てきました。
もう少し時間はかかるかもしれませんが、潜在可能性を考慮すると、これから大きく伸びる市場といえるでしょう。
中国ソーシャルメディアを活用した美容サロン・美容院業界の成功のポイント
インフルエンサーの活用
中国ソーシャルメディアを活用した美容サロン・美容院の成功事例を紹介しましたが、ここで成功のポイントを押さえておきましょう。
成功のポイントを3つにまとめるのと、下記のとおりです。
- インフルエンサーの活用
- 魅力的なコンテンツ
- 根気強さ
まず、美容サロン・美容院業界に限ったことではありませんが、中国ソーシャルメディアを使ってプロモーションを行う場合、インフルエンサーの活用が非常に大事になります。
インフルエンサーの中国ビジネスへの影響は、日本と比較にならないほど、非常に大きいです。
実際、中国においては、インフルエンサーを活用したマーケティングはすでに主流になっています。
その背景には、中国消費者は、大きな組織による裏切りを経験してきた過去があり、会社やブランド自身による広告は信じていません。
結果として、組織に起用されている有名人よりも、一般庶民に近いインフルエンサーの情報の方が信頼性できると評価されているのです。
そのため、中国では、知名度の高い有名人やトップインフルエンサーを使い、会社公認のアンバサダーとして広告を行う方式はあまり受けが良くありません。
成功事例で紹介したROLAのようなミドル級のインフルエンサーの方が、中国消費者受けは良いです。
特に、ROLAは、コスメや美容関連に興味があるヘビーユーザーによってフォローされています。
口コミマーケティングとしては、ROLAのような専門性が高く、人気もある程度あるインフルエンサー起用が最も効果が高いのです。
魅力的なコンテンツ
次に、中国ソーシャルメディアを活用する際は、魅力的なコンテンツを作成することが大事です。
具体的には、流行を意識することや視聴者を飽きさせない工夫が重要です。
例えば、中国語動画制作・動画編集を行う際は、流行を意識して行うことが求められます。
中国版TikTok抖音(Douyin)では、流行っているジャンルの関連動画を連続して多く見るユーザーが多く、話題性のある動画を制作・編集するだけで、動画再生数が大きく伸びるためです。
また、動画のテーマだけでなく、トレンドに乗っているBGMを選ぶだけで、再生数が伸びることもあります。
現在流行っている話題やトレンドには、常にアンテナを張っておくことが、たくさん再生される動画を作ることにつながります。
一方、話題性のある動画は、既に多く投稿されており、それだけ競争が激しい状態である可能性があります。
自分が投稿するタイミングや独自性等も考慮しながら、動画編集していくと良いでしょう。
視聴者を飽きさせない工夫も、大事なポイントです。
具体的には、動画撮影・編集前に、動画の構成やシナリオをしっかり考えておくことが、コツです。
特に、ショート動画については、開始数秒が最も離脱率が高い傾向がありますので、開始数秒の動画編集には最も力を入れるようにしましょう。
根気強さ
中国ソーシャルメディアを活用した美容サロン・美容院業界の成功のポイントとして、技術的なことを紹介してきました。
最後に大事なのは、成功するまで分析していく根気強さです。
中国ソーシャルメディアの状況や運用ルール、そして中国消費者心理は、日々変化しています。
トレンドも大きく変わることがあるため、これまでの成功パターンが急に使えなくなるということもあります。
そのため、中国ソーシャルメディアで投稿した後でも、何が足りないのかや、中国消費者が求めているものは何かなどを根気強く分析していくことが大事です。
最後に
以上、中国ソーシャルメディアの力を活用した美容サロン・美容院業界の成功事例などについて、解説しました。
弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。
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