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WeChatから抖音・小紅書まで:中国SNSマーケティングの全貌と効果的なテクニック

中国マーケティングでは、中国SNSの活用が必須です。

しかしながら、数多くの中国SNSが存在し、言語の違いも相まって、何から手を付けたらよいかわからない方が多いと思います。

この記事では、どこから手を付けたらよいかわかるように、中国SNSマーケティングの全貌と効果的なテクニックについて、わかりやすく紹介していきます。

目次

中国SNSマーケティングの全貌

中国SNSマーケティングとは

中国SNSマーケティングとは、中国SNSを使ったマーケティング手法を指します。

ここで、SNSとは、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略称で、プラットフォームに登録したユーザーが交流できるサービスを意味します。

日本でもSNSマーケティングの重要性が増してきていますが、中国ではその重要性の度合いが全く異なります。

詳細は、後述しますが、中国ではSNSの影響力が日本と比較にならないほど大きいためです。

また、中国SNSと日本SNSを比較してみると、言語の違いだけなく、SNSそのものが異なります。

ツイッターやラインなどの国際的にもよく使われている多くのSNSは、中国で使うことができません。

また、ツイッターやラインなどに相応する中国SNSがありますが、使い方や機能などには大きな差があります。

そのため、中国SNSマーケティングを行うのでしたら、日本国内のSNSマーケティングとは、別で対応する必要もあります。

中国SNSマーケティングがなぜ必須なのか‐中国SNSの大きな影響力

中国で商売したいと思うのでしたら、中国SNSマーケティングが必須です。

その理由は、主に2つあり、中国SNSの影響力が大きいことと、マーケティングが容易になることです。

まず、中国SNSは、中国市場に対する影響がとても大きいです。

中国現地に来るとすぐにわかりますが、中国人は老若男女問わず、時間があれば、スマートフォンを片手にSNSを見ています。

電車の中では、スマートフォンでSNSを見ていない人をみつけるのが難しいくらいです。

生活インフラの一部となっている中国SNSは、中国人の情報収集方法にも大きな影響を与えています。

例えば、訪日旅行をする中国人の情報源は、SNSがメジャーな情報源となっており、今では旅行会社パンフレットや旅行ガイドブックは、マイナーな情報源になりつつあります。

JNTO(Japan National Tourism Organization、⽇本政府観光局)によれば、2022年度で出発前に役に立った日本旅行情報源のトップ3には、旅行ガイドブックなどは入っておらず、SNSや動画サイトがランクインしているのです。

インバウンドビジネスにおける中国SNSの影響は、下記の記事で詳細を記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。

中国人観光客を増やす方法:SNSを使った訪日インバウンドの効果的なプロモーションとマーケティング | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

さらに、中国ローカル調査会社(比达咨询)によれば、中国人が旅行で計画を立てる際に使うプラットフォームを調査では、1位が小紅書(RED)、2位が中国版TikTok抖音(Douyin)という結果でした。

旅行に関する情報でも、中国人は、旅行サイトや旅行関連アプリではなく、中国SNSを使って情報を集める時代になっており、中国SNSの中国人への影響は既に計り知れないレベルに達しているのです。

中国SNSマーケティングがなぜ必須なのか‐中国マーケティングが容易になる

中国SNSマーケティングが大事な2つ目の理由は、中国マーケティングが非常にやりやすくなることです。

SNSマーケティングにおいて、他のマーケティング手法と異なる点は、ターゲティングがしやすいこと、消費者の反応が分析しやすくなることです。

まず、各中国SNSによってユーザーの層が異なるため、SNSの選択が正しければ、それだけでターゲティングもできるようになります。

例えば、中国Z世代ユーザーが約8割を占める哔哩哔哩(bilibili)、20-30代の女性ユーザーが大半を占める小紅書(RED)、中国人口年齢層とユーザー層がほぼ同一の中国版TikTok抖音(Douyin)などがあります。

つまり、自社のターゲティング層が明確であれば、おのずと中国SNSの選択が決まり、その作業自体がターゲティングになります。

また、中国SNSでは、消費者の反応も細かく分析できます。

例えば、自分のフォロワーが中国のどの地域に多いのか、年齢層の分布、いつ視聴数が伸びたかなど、細かい分析が可能です。

これらの分析結果を基に、ターゲティングの精度を上げるための施策や、ターゲット層からのリアクションが得られるよう改善することができるのです。

マーケティングでは、初期マーケティングだけでなく、戦略や施策の継続的な改善が大切です。

中国SNSマーケティングでは、SNSのデータ分析結果という事実に基づいて、改善作業を行うことができるため、より効果的・効率的にマーケティングを行うことができるようになるのです。

中国SNSの種類

中国SNSは2種類に分類される

様々な分類の仕方がありますが、中国SNSはシンプルに2種類に分類できます。

1つ目は拡散系、2つ目は購買系です。

拡散系とは、主に集客や認知拡大を目的として使う中国SNSを指します。

具体的には、中国版TikTok抖音(Douyin)、微博(Weibo)、小紅書(RED)などが該当します。

一方、購買系とは、主に顧客に購買させることを目的として使う中国SNSを指します。

具体的には、微信(Wechat)、小紅書(RED)などが該当します。

なお、小紅書(RED)は、拡散力があり、かつ購買プラットフォームとしても使われているため、両方に属しているという特徴的な中国SNSです。

また、微信(Wechat)では、中国版LINEと訳されることが多いですが、ブランドや企業からすると、全く別の使い方がされています。

例えば、中国では、微信(Wechat)公式アカウントと連携したECミニプログラムで購買させるのが、微信(Wechat)の使い方の王道になっています。

さらに、最近では、中国版TikTok抖音(Douyin)のように独自のECプラットフォームやライブコマースなど、分類の垣根が徐々になくなってきているのが現状です。

中国版TikTok抖音(Douyin)、小紅書(RED)、微信(Wechat)さえ押さえておけばOK

先ほど、中国SNSを二種類に分けて中国SNSを紹介しました。

ところが、中国版TikTok抖音(Douyin)、小紅書(RED)、微信(Wechat)さえ押さえておけば、中国SNSマーケティングはほぼ十分な場合が多いです。

まず、集客を行うために拡散系の中国SNSを使う場合は、特殊な商品でない限り、中国版TikTok抖音(Douyin)或いは小紅書(RED)で行うのがいいでしょう。

一方、ユーザーに購買をさせることを目的として中国SNSを使う場合は、微信(Wechat)或いは小紅書(RED)が向いています。

商品やターゲット層によっては、他の中国SNSの方が有効にマーケティングを行うことができる場合がありますが、中国版TikTok抖音(Douyin)、小紅書(RED)、微信(Wechat)ですべて対応できることが多いのです。

例えば、集客を行うのであれば、投稿するコンテンツが純粋に評価され且つ拡散力も高い中国版TikTok抖音(Douyin)がベストなことが多いです。

実際に中国版TikTok抖音(Douyin)では、中国で有名ではないブランドや商品の認知度を最も短期間にアップしてくれます。

さらに、中国版TikTok抖音(Douyin)、小紅書(RED)、微信(Wechat)は、中国ブランドにとって、最もメジャーな広告ツールでもあるため、各種分析ツールがそろっており、実務的にマーケティング管理がしやすいです。

中国SNSマーケティングの効果的なテクニック

まずは中国版TikTok抖音(Douyin)か小紅書(RED)でブランディング

使うべき中国SNSが決まったところで、具体的な中国SNSマーケティングの効果的なテクニックを簡単に紹介したいと思います。

まず第一歩として、中国版TikTok抖音(Douyin)、或いは小紅書(RED)でブランディングを行うことが大切です。

中国市場でブランディングができていない状況で、微信(Wechat)で中国消費者に購買をさせようとしても、うまくいきません。

最近の中国消費者は、残念ながら、日本商品だからといってすぐに購入する人はほぼ皆無だからです。

気になる商品であっても、まずは中国SNSで口コミなどを確認して、購入する価値があると判断した場合にのみ購入します。

例えば、20代~30代の中国女性は、面白そうな商品があれば、すぐに検索サイトやECサイトで探すことはしません。

彼女たちは、まず中国最大の口コミサイトである小紅書(RED)で評価などを確認してから、購入するというのが一般化しているのです。

したがって、手順としては、先に、中国市場における自社ブランドのコンセプトやターゲット層を明確にした上で、中国版TikTok抖音(Douyin)などで認知度を高める施策を行うことが重要なのです。

微信(Wechat)で顧客の囲い込み

中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)を使って、うまく中国市場でブランディングができた後、多くのブランドで採用されているのは、微信(Wechat)で顧客の囲い込みです。

中国版TikTok抖音(Douyin)などでも独自のECプラットフォームやライブコマースがあり、商品種類や時期によっては、大きな売上が見込めます。

ところが、最近では、微信(Wechat)で顧客の囲い込みが、一つのトレンドになっています。

ブランドによって事情は異なりますが、多くの場合、微信(Wechat)で顧客の囲い込みを行なう主な理由は、以下の3つです。

  • 少ない広告費で大きな売上が見込める
  • 微信(Wechat)だと規制が緩く、突然のアカウント閉鎖などのリスクが低い
  • 運用費用を抑えることができる

まず、微信(Wechat)で顧客の囲い込みができると、少ない広告費で大きな売上が見込めるようになります。

例えば、中国版TikTok抖音(Douyin)でプロモーションを行い売買につなげたい場合は、インフルエンサー手配などを含めると、大きな広告費が必要です。

マーケティング初期段階の認知拡大のために、必要な費用ではありますが、認知度がある程度高まった後は、その費用を抑えたいと考えるブランドが多くいます。

そこで、微信(Wechat)で顧客の囲い込みを行ない、微信(Wechat)でプロモーションを行う場合は、比較的簡易な告知で購買につながります。

理由は、微信(Wechat)の公式アカウントに登録されている顧客は、ほぼファンに近いレベルのユーザーの為、凝ったプロモーションを行わずとも、購入してくれるためです。

また、微信(Wechat)の公式アカウントの場合、お気に入りにしないと全部の情報が見ることができないなど、クローズドな空間のため、比較的規制が緩いです。

一方、中国版TikTok抖音(Douyin)は、誰でも見ることができるオープンな空間であるため、投稿動画や広告に対する監視が比較的厳しく行われており、運用の変更により、規則違反として突然アカウントが使えなくなるなどがあります。

中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)で集客できた顧客を規制の緩い微信(Wechat)へ移行させることで、リスク分散を図りたいと考えるブランドが出てきているのです。

3つ目の運用費用について、多くの場合、微信(Wechat)での販売を行う方が、費用は低く抑えることができます。

例えば、微信(Wechat)のECプラットフォームのミニプログラムであれば、販売手数料は1%以下です。

一方、中国版TikTok抖音(Douyin)のECプラットフォームの販売手数料は2-10%、小紅書(RED)は5%です。

取引額が大きくないときは、それほど大きな費用には見えませんが、取引額が大きくなればなるほど、その運用費用は大きな影響を及ぼしてきます。

微信(Wechat)のECプラットフォームのミニプログラムの運用費用の低さは、ビジネスが大きくなればなるなど、ブランドや企業にとって魅力的に見えてくるのです。

成功事例

中国SNSマーケティングで成功しているブランドの成功事例について、紹介したいと思います。

直近で、大きく成功している企業は、隅田川コーヒー、という中国ローカルのインスタントコーヒーブランドです。

直近1-2年では、ECコマースにおけるドリップバッグコーヒーでは、中国でNO1の売上を誇るまでに急成長しているブランドです。

その成功の秘訣は、最初からブランディングをしっかり行ったこと、中国SNSマーケティングが非常に上手だったことが挙げられます。

まず、隅田川コーヒーは、ロゴが非常に特徴的で、三つの丸が横に並んでいます。

真ん中の丸はマグカップを示し、外側の2つ丸は人を示しています。

隅田川コーヒーの創業者である林浩夫婦が、日本へ留学時、よく隅田川のほとりで、二人で一杯のコーヒーを飲んでいた、というのがロゴのストーリーです。

さらに、一杯のコーヒーを通じて、お互いのアイディアやインスピレーションを共有しあいましょう、というメッセージも込められています。

このブランディングが、人との関係を重視する中国人に受けたのです。

そして、中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)を通じて、ブランドの認知度を上げていきました。

認知度をある程度上げた後は、微信(Wechat)公式ホームページで顧客の囲い込みを行ないます。

【左側が微信(Wechat)公式ホームページ、右側が小紅書(RED)アカウント】

具体的には、微信(Wechat)のグループチャットに登録するともらえる大幅割引のクーポン券などで、微信(Wechat)公式ホームページへの誘致を行いました。

結果として、中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)で集客、微信(Wechat)公式ホームページで顧客の囲い込みが成功し、数年という短期間でコーヒーブランドとしてポジションを確立するまでになっているのです。

実際、隅田川コーヒーの微信(Wechat)公式ホームページを見ると、まずブランドコンセプトの説明があり、ブランディングやマーケティングをしっかり行っていることがすぐに読み取れます。

隅田川コーヒーの成功事例は、中国SNSマーケティングを戦略的に行い成功している非常に参考になる事例です。

中国SNSマーケティングの全貌と効果的なテクニックのまとめ

中国SNSマーケティングでは、まず、自社のブランドコンセプトを固めることが先決です。

その後は、狙いたいターゲット層を明確にし、それに合わせて中国SNSの選択を行いましょう。

多くの場合、中国版TikTok抖音(Douyin)や小紅書(RED)にて、認知拡大のための施策を行うことが有効です。

ある程度ブランディングができましたら、その後は、微信(Wechat)で顧客の囲い込みを行ない、運用費用を抑えながら売上と利益を高めていきます。

これらの集客と顧客の囲い込みのサイクルを回していくことが、中国SNSマーケティングのトレンドであり、最新のテクニックです。

最後に

以上、中国SNSマーケティングの全貌と効果的なテクニックについて、解説しました。

弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。

ぜひご気軽にご相談ください。

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