中国SNSを活用して中国マーケティングを行う際、中国人インフルエンサー(KOL)を起用するのが一般化しています。
日本ブランドやインバウンドビジネスを展開する会社の場合、在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)を起用することで、大きな広告効果を得ることがあります。
この記事では、在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)の影響力やランキングなどについて、紹介していきます。
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)の影響力とその役割
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)の影響力
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)の影響力は、非常に大きいです。
なぜなら、多くの中国人は、日本に関して調べたいと思ったとき、在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)からの情報を参考にするためです。
自分が見知らぬ場所に訪れることを想像してみれば、わかりやすいと思います。
その地域に訪れたインフルエンサー(KOL)や、実際に住んでいる人の情報を参考にすることでしょう。
中国マーケットを狙おうとするとき、多くの人は、中国向けに何かアクションすべきと考えがちです。
ところが、日本国内にいる中国人インフルエンサー(KOL)を活用することで、中国市場と関係を持つことができるのです。
日本に在留している中国人へ直接影響を与えることが可能
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)の影響力について、もう少し具体的に見ていきましょう。
まず、在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)は、日本に在留している中国人に対して影響を与えます。
出入国在留管理庁の最新情報によれば、中国に在留している中国人の数は、なんと約80万人と日本に在留する外国人の中で最も多く、日本国内の外国マーケットとして最大を誇ります。
【国籍・地域別 在留外国人数の推移(上位5か国・地域)、出入国在留管理庁より】
【国籍・地域別 在留外国人数の構成比、出入国在留管理庁より】
日本に暮らしているほとんどの中国人は、中国メディアや中国SNSから多くの情報を得ています。
また、華僑ネットワークと呼ばれる強固な中国ネットワークがあり、良い商品や面白いところがあると、瞬く間に情報が知れ渡ります。
日本に住んでいる中国人をターゲットにするだけでも、十分に一つの市場として成り立つ大きさがあるのです。
訪日観光中国人にも影響を与えている
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)は、訪日観光中国人にも大きな影響を与えます。
なぜなら、日本に訪れる中国人観光客は、中国SNSを使って情報収集しており、中国SNSで最も影響力が強いのはインフルエンサー(KOL)だからです。
JNTO(Japan National Tourism Organization、日本政府観光局)によれば、数年前まで出発前に役に立った日本旅行情報源のトップは、
- 1位 日本政府観光局ホームページ
- 2位 動画サイト
- 3位SNS
でした。
ところが、最近では、中国SNSが、中国人観光客の旅行に関する主な情報源です。
2023年4-6月で行われたJNTOの調査では、出発前に役に立った日本旅行情報源は
- 1位 SNS
- 2位 日本在住の親族・知人
- 3位 動画サイト
でした。
【2023年4-6月国籍・地域と中国の比較、JNTOの訪日旅行に関する意識から抜粋】
さらに、中国のSNSのなかでは、小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)が、最も人気です。
小紅書(RED)と中国版TikTok抖音(Douyin)は中国SNSであり、動画サイトでもありますから、最もよく使われる情報源であることは間違いないでしょう。
ちなみに、中国人を含む全国籍の外国人観光客の情報源のトップは、動画サイトでした。
他の外国人と比較しても、中国SNSの人気は際立っています。
中国大陸の中国人にも間接的に大きな影響を与える
中国人は家族や親友を最も信用する民族でもあります。
日本に在留する中国人の家族や親友が背後にいると考えると、世界にいる中国人へのアプローチも可能なのです。
在日中国人80万人と2023年度日中国人観光客250万人の合計は330万人で、現在中国の人口は14億人です。
つまり、今、日本にいる中国人1人あたりの背後には、425人(=中国人口14億人÷日本にいる中国人330万人)の顧客がいるとも考えていいでしょう。
また、日本に興味がない中国人でも、中国SNSで人気なコンテンツはよく見ます。
中国人にとって在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)とほかのインフルエンサー(KOL)には境目がなく、面白いと思われれば、影響力を与えるのです。
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)トップ10の紹介!
中国でのインフルエンサー(KOL)の影響力が分かったところで、どんな在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)が活躍しているのか見てみましょう。
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)ランキング
ここでは、小紅書(RED)における在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)トップ10を紹介したいと思います。
日本と同じように、中国には多くのSNSがありますが、小紅書(RED)は日本のインスタグラムに該当するSNSです。
小紅書(RED)は、もともと日本の化粧品や旅行を中心として情報共有するプラットフォームでしたので、日本でもゆかりのあるSNSです。
それでは、さっそくトップ10を見ていきましょう。
順位 | インフルエンサー名 | フォロワー数 |
1 | 日本摸鱼的小超人 | 220.5万 |
2 | 玲子reiko | 196.3万 |
3 | 混血爱酱 | 80.9万 |
4 | 阿鸡 | 72.9万 |
5 | 来酱在东京 | 61.3万 |
6 | 如酱在东京 | 59.8万 |
7 | 今天也是元气甘甘 | 42.3万 |
8 | Junka的健康生活在日本 | 36.8万 |
9 | 波波日本 | 29.1万 |
10 | 扬扬Kiyoyo在日本 | 24.5万 |
※フォロワー数は2024年8月時点
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)のコンテンツの特徴
実際に上位ランキングを見てみると、グルメ、旅行、美容に関するコンテンツが人気があることに気付きます。
グルメ
例えば、1位の在日本摸鱼的小超人(フォロワー数:220.5万)のアカウントを見ると、すべてのコンテンツが日本のグルメです。
【在日本摸鱼的小超人の小紅書(RED)アカウントトップページ】
【「日本人は生きた魚を食べる勇気がある」というコンテンツ、在日本摸鱼的小超人の小紅書(RED)より】
日本人でもあまり食べないような珍しいグルメも紹介されていますが、インパクトがある投稿ばかりです。
玲子reiko(フォロワー数:196.3万)は、小紅書(RED)だけでなく、中国版TikTok抖音(Douyin)でも支持されている在日中国人インフルエンサー(KOL)ですが、彼女の最も人気のあるコンテンツは、グルメです。
【玲子reikoの小紅書(RED)アカウントページ】
その他、混血爱酱(日本东京)(フォロワー数:80.9万)や阿鸡(フォロワー数:72.9万)も、そのほとんどのコンテンツがグルメなのです。
旅行
次に人気があるコンテンツは、旅行です。
来酱在东京(フォロワー数:61.3万)や波波日本(フォロワー数:29.1万)のメインコンテンツは、日本旅行に関するものです。
【来酱在东京の小紅書(RED)アカウントページ】
小紅書(RED)のメインユーザーが女性ということもあり、おしゃれで女性が好む旅行先が多いですが、日本人が見ても行きたいと思わせるコンテンツばかりでした。
美容
3つ目に人気があるのは、美容関連です。
例えば、Junka的健康生活在日本(フォロワー数:36.8万)や扬扬Kiyoyo在日本(フォロワー数:24.5万)のコンテンツは、美容です。
【扬扬Kiyoyo在日本の小紅書(RED)アカウントページ】
日本の芸能人がなぜ若く見えるのか、日本美容サービスや日本ブランド化粧品などを紹介しており、日本ならではのコンテンツばかりです。
日本の美容医療や化粧品は、中国で非常に人気があり、安全性や技術面で評価が高いです。
日本の美容関連コンテンツを積極的に投稿する在日中国人インフルエンサー(KOL)が、その人気に拍車をかけているのは間違いないでしょう。
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)活用のメリットとデメリット
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)の影響力の大きさが分かったと思います。
ここからは、在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)活用のメリットとデメリットを検証してみましょう。
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)活用のメリット
まず、メリットについて、主に4つあります。
- 高い口コミ効果が期待できる
- バリエーション豊かにマーケティングできる
- 費用対効果が高い
- 連絡や連携が比較的容易
高い口コミ効果が期待できる
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)活用の最も大きなメリットを挙げるとすれば、高い口コミ効果があることです。
中国では、商品やサービス選択決定時に最も重要視されているのが、口コミです。
中国の消費者は、気になる商品があれば、広告や商品に表示されている内容をあまり注視していません。
その代わりに、口コミサイトや実際に使った人から商品・サービスの評価を重要視します。
中国SNSは口コミサイト化している部分があり、中国インフルエンサー(KOL)の評価が参考にされています。
中国インフルエンサー(KOL)によって紹介された動画が起爆剤となり、その動画のコメント欄などに一般消費者からの口コミも表示されます。
このように、口コミが口コミを呼ぶ状態をつくれるのが、在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)活用の最も大きなメリットなのです。
バリエーション豊かにマーケティングできる
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)活用することにより、マーケティングのバリエーションを増やすことが可能です。
例えば、テレビコマーシャルであれば、どの芸能人にCMしてもらうかやどの時間帯に流すかなどによって、ターゲット層が絞られてしまいます。
CM一本の予算も比較的高額で、ターゲット層を広くしてマーケティングしたい場合は、大きな費用がかかってしまうケースがあります。
一方、在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)を活用する場合は、インフルエンサー(KOL)一人当たりの報酬額はそれほど高額ではありません。
広告効果は別途考慮する必要はありますが、1万円前後で依頼できるインフルエンサー(KOL)もいます。
バリエーション豊かにインフルエンサー(KOL)を手配することにより、ターゲット層やマーケティングも自在に変化させて対応できるのです。
費用対効果が高い
3つ目の在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)活用のメリットは、費用対効果が高いことです。
仮に、中国インフルエンサー(KOL)を自前で手配したとすると、中国インフルエンサー(KOL)自ら撮影や投稿を行ってくれるため、芸能事務所の費用や中間マージン、撮影代などは一切かかりません。
また、中国インフルエンサー(KOL)によっては、「このようにしたら高い広告効果がある」や次回からの改善策を提案してくれるケースもあります。
中国マーケティングは、何度も試行錯誤や改善を行って成功するパターンが多いです。
テレビCMなどの改善がやりにくい一過性の強いマーケティングよりも、経験や知見が蓄積されていく中国インフルエンサー(KOL)マーケティングの方が、長期的な目線で見ても、費用対効果は高いと言えるでしょう。
連絡や連携が比較的容易
中国インフルエンサー(KOL)を活用する上で、最も難しいのが連絡手段や連携上の問題です。
日本に来たことのない中国インフルエンサー(KOL)を活用する場合、インフルエンサー(KOL)がラインやメールを持っていないことや、日本企業とのやり取りに慣れていないことにより、コミュニケーション上のトラブルが起きやすいです。
一方、在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)であれば、日本式のコミュニケーションに慣れていることが多く、連絡や連携が比較的容易なのです。
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)活用のデメリット
デメリットについても見ていきましょう。
主なデメリットは、3つあります。
- 短期的な効果しかない場合がある
- 風評被害にあうリスク
- インフルエンサー(KOL)を手配するのが大変
短期的な効果しかない場合がある
在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)活用しても、数日や数か月の短期的な効果しかないケースがあります。
原因としては、中国SNSの時流にうまく乗れなかったことや、投稿内容と実際のギャップが大きかったなどさまざまです。
いずれにしても、広告効果の確度を高めることはできても、必ずしもヒットすることは限らないことは理解しておく必要があるでしょう。
風評被害にあうリスク
過去に投稿依頼したインフルエンサー(KOL)が不祥事を起こし、それが火種となって、ブランド側にも悪い影響を及ぼすケースがあります。
それほど、インフルエンサー(KOL)の影響力が強かったことの裏返しですが、インフルエンサー(KOL)の影響に頼りすぎた結果でもあります。
インフルエンサー(KOL)の活用はあくまで起爆剤として使い、ブランディングやロイヤリティを高めることが大事です。
インフルエンサー(KOL)を手配するのが大変
インフルエンサー(KOL)の手配は、簡単なことではなく、一定の時間とコストがかかります。
クセのある中国人インフルエンサーも多く、長い時間をかけて商談をしていたのにかかわらず、突然連絡が取れなくなることもあります。
また、言語の問題だけなく、中国人個人とのビジネス習慣の違いなども勉強しておく必要があります。
最後に
以上、在日・訪日中国人インフルエンサー(KOL)の影響力やランキングについて、解説しました。
弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。
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