小紅書(RED)は、若い女性の間で最も人気のある中国SNSであり、さらにブランドにとっても必須の集客ツールです。
そんな小紅書(RED)を使った成功事例がある一方で、集客がうまくいかないということも少なくありません。
失敗の主な理由は、
に集約されます。
今回は、小紅書(RED)集客がうまくいかない3つの理由と改善策について、現地の最新情報を取り入れながら、紹介します。
コンテンツ戦略の誤り
小紅書(RED)集客がうまくいかない理由として、真っ先に挙げられるのが、コンテンツ上の戦略の失敗です。
具体的には、以下の通りです。
ターゲットのニーズを理解していない
まず、コンテンツ上の戦略の誤りとして、ターゲットのニーズ理解が甘いことが挙げられます。
具体的には、中国消費者のニーズ理解が甘い場合や、狙いたいターゲット層とアプローチ方法がかみ合っていないことを指します。
小紅書(RED)の主なユーザー層は、20〜30代の女性で、美容・ファッション・ライフスタイルに特化したコンテンツを好みます。
ある中国ローカル家電ブランドは、自社製品の技術的なスペックや性能に重点を置いた投稿を続けた結果、ターゲット層とのギャップが生まれてしまい、注目されませんでした。
ユーザーは実用性や生活シーンでの利便性を重視していたため、ブランドが想定した訴求点とは異なる関心を持っていたのです。
改善策
コンテンツを作成する際は、ターゲットユーザーのライフスタイルやニーズに基づくアプローチが必要です。
例えば、同じ家電製品であれば、シンプルな使い方や、家庭内での具体的な使用シーンを提案するなどビジュアルコンテンツが効果的です。
また、小紅書(RED)のユーザーはレビューやリアルな体験談を好むため、ユーザーからのフィードバックを活かしたコンテンツが有効です。
オーガニック(広告色のない自然な)コンテンツと広告コンテンツのバランスが悪い
次に、コンテンツ上の戦略誤りとして、広告コンテンツが多すぎるという失敗要因が挙げられます。
小紅書(RED)上で、多くのブランドが広告を頻繁に投稿しすぎることで、消費者が逃げて行ってしまうという問題に直面しています。
例えば、あるスキンケアブランドが短期間で複数の広告キャンペーンを行いましたが、結果としてフォロワーは増えたものの、その後、広告投稿しても、反応がなくなってしまいました。
ユーザーはビジネス的なアプローチに敏感で、広告臭が強すぎる投稿は嫌われる傾向にあります。
改善策
オーガニック(広告色のない自然)なコンテンツと広告のバランスを取ることが重要です。
特に、インフルエンサーによる自然な製品レビューや日常の使い方を紹介する投稿が効果的です。
例えば、化粧品ブランドであるイヴ・サンローラン(YSL)は、有名人を起用した広告の代わりに、インフルエンサーを活用し、製品を実際に使ってもらうコンテンツを提供することで、ユーザーからの信頼を獲得しました。
【中国インフルエンサーによるイヴ・サンローラン(YSL)の口紅の商品紹介】
結果として、実際に売上にも大きく貢献しています。
ビジュアル的に魅力のないコンテンツ
最後に、ビジュアル的に魅力のないコンテンツのため失敗するケースが挙げられます。
小紅書(RED)はビジュアル中心のプラットフォームのため、ビジュアル要素が非常に重要です。
あるファッションブランドは、ビジュアル的に魅力のない画像や過剰に加工された写真を多用した結果、ユーザーからの信頼を失い、商品の売上にも影響が出ました。
小紅書(RED)のユーザーは、リアルで共感できるコンテンツを好み、過度な演出や現実とはかけ離れた過剰加工された画像は逆効果となります。
改善策
魅力的な画像や動画を使用し、リアリティのあるビジュアルでユーザーの関心を引くことが必要です。
特に、製品の使用シーンやビフォーアフターの比較が効果的です。
例えば、中国ローカル化粧品ブランドであるPROYA(珀莱雅)は、肌改善のプロセスを動画で分かりやすくしたことで、ユーザーの共感を得て大きな反響を呼んでいます。
【PROYA(珀莱雅)のビフォーアフターの比較、小紅書(RED)より】
ちなみに、PROYA(珀莱雅)は、朝はビタミンC、夜はビタミンA配合の化粧水を使うと良いというテーマで大成功し、関連商品の売上が大きく伸びました。
インフルエンサー活用の失敗
小紅書(RED)集客がうまくいかない2つ目の理由が、インフルエンサー活用による失敗です。
具体的には、以下の通りです。
適切なインフルエンサーを選んでいない
小紅書(RED)でのマーケティングでは、インフルエンサーを活用することが一般的ですが、フォロワー数の多さに頼りすぎると効果が薄れるなどの不具合があります。
ある中国食品ブランドが、著名なインフルエンサーを起用してプロモーションを行いました。
ところが、そのインフルエンサーのフォロワー層はファッションや美容に興味を持つ層で、食品には関心が薄かったため、集客効果が低かったという事例があります。
また、中国でお茶ブランドとして有名な霸王茶姫が、中国で有名な歌手である夏之光を起用してプロモーションを行いました。
夏之光が、プロモーション中、「大好きでいつも飲んでいます」と言ったのにかかわらず、何度もブランド名を言い間違えるという失態を犯してしまいました。
【夏之光を起用した霸王茶姫のプロモーション】
最終的には、お笑いの話題として多くの人を引き付けることができましたが、広告色の非常に強いプロモーションに終わった残念な結果となりました。
改善策
知名度やフォロワー数に過度に依存するのではなく、ブランドや商品のターゲットに合致するインフルエンサーを選ぶことが大切です。
例えば、植村秀(shuuemura)は、中国の幅広い消費者層に動画を見てもらうことを目的として、フォロワー層が全く異なる8人のインフルエンサーの採用を行いました。
インフルエンサーにどんなフォロワーがついているのかの分析の他、実績なども合わせて細かい調査を行いました。
結果としては、非常に広い中国の消費者層へのアプローチができ、1週間で動画が数百万回再生され、認知度が大幅に上昇しました。
ターゲットの興味に合わせたインフルエンサーの選定が鍵です。
インフルエンサー任せにしている
「インフルエンサーに全てのコンテンツ制作を任せ、ブランドの方向性や価値観が反映されていない」というような失敗事例もよく散見されます。
ある中国ローカルファッションブランドは、インフルエンサーに商品レビューを依頼しました。
ところが、ブランドのイメージとはかけ離れた投稿がされ、結果的にブランドイメージの損失につながりました。
改善策
インフルエンサーに依頼する際には、ブランドのビジョンやメッセージを明確に伝え、ガイドラインを設定することが重要です。
例えば、ある中国ローカルのスキンケアブランドは、インフルエンサーに詳細なガイドラインを提示しながらも、彼らの個性や創造性を尊重する形でコラボレーションを行っています。
この結果、ユーザーとの信頼関係が築かれ、投稿がバズりやすくなりました。
短期的なキャンペーンに依存している
短期的なキャンペーンに依存しすぎると、ユーザーの興味はすぐに薄れてしまいます。
ある欧米コスメブランドが、一度限りのプロモーションをインフルエンサーと行った結果、最初は反響が大きかったものの、その後のフォロワー維持にはつながらず、集客効果が薄れていきました。
改善策
ターゲット層との長期的な関係を築くことが重要です。
例えば、あるアパレルブランドは、インフルエンサーとの継続的なパートナーシップを結び、四季ごとに異なるテーマでキャンペーンを展開しました。
これにより、フォロワーの興味を持続させ、ブランドとの関係性を強化することができました。
エンゲージメント戦略の欠如
小紅書(RED)集客がうまくいかない3つ目の理由が、エンゲージメント戦略の欠如です。
具体的には、以下の通りです。
コメントやメッセージへの対応が不十分
エンゲージメントとは、ブランドと消費者のつながりを指します。
ブランドがSNSで発信するコンテンツに対して「いいね」やコメントなどのアクションを起こすユーザーが多い状態であれば、「エンゲージメントが高い」と言われます。
消費者とのコミュニケーションが疎かになると、つながりが弱まり、集客効果は薄れてしまいます。
あるコスメブランドは、フォロワーからのコメントに対する反応が遅れたため、エンゲージメントが低下し、フォロワーの信頼を失いました。
小紅書(RED)のユーザーは、コメントや質問に対する素早い応答を期待するため、無視されるとブランドのイメージに悪影響を与える可能性があります。
改善策
コメントやメッセージに対して迅速かつ丁寧に対応することで、ユーザーとの信頼関係を築きましょう。
ある健康食品ブランドは、ユーザーからの質問やフィードバックに積極的に答えたことで、エンゲージメント率を大幅に向上させました。
ユーザー生成コンテンツを活用していない
ユーザー生成コンテンツ(User Generated Contents)とは、ブランドではなく、一般ユーザーによって作成されたコンテンツを指します。
レビューサイトとして活用されている小紅書(RED)は、ブランドや企業によって作成されたコンテンツよりも、一般ユーザーによって作成されたコンテンツやレビュー、コメントなどが重要視されています。
したがって、ブランド側にとっては、ユーザー生成コンテンツは、小紅書(RED)で集客効果を高める強力なコンテンツとも言えるでしょう。
あるブランドはユーザー生成コンテンツ重視しておらず、ユーザーが投稿するレビューや体験談を無視していたため、フォロワーのエンゲージメントが低下し、信頼感も薄れてしまいました。
改善策
ユーザー生成コンテンツを積極的に活用し、ユーザーの声を大事にしましょう。
例えば、ナンバーシュガー(表参道)は、フォロワー数が数十人の一般ユーザーからの投稿がトリガーとなり、中国版ぐるなびと言われる「大衆点評」で、東京お菓子屋さんランキング1位までなっています。
エンゲージメントの指数を軽視している
多くのブランドは、注文数や売上を重視するあまり、エンゲージメントの指数を軽視しています。
小紅書(RED)を活用した集客で、1回や2回のプロモーションや施策でうまくいったという事例はほぼありません。
日本で大手ブランドと言われるアネッサや中国大手ブランドでも、数多くの失敗を重ねて、最終的に中国市場で成功しています。
改善策
彼らが最終的に成功した大きな理由は、失敗事例について分析し、分析結果に基づいて再度チャレンジしていることなのです。
分析する際に、重要になってくるのが、エンゲージメントの指数です。
プロモーションの内容と売上高を比較検討するだけでは、情報量が乏しく、次の有効な対策やアクションを導き出すのは困難と言えるでしょう。
一方で、
プロモーション内容→エンゲージメント指数→売上高
という関係性で見ていくと、様々な原因分析ができます。
例えば、売上が小さく、エンゲージメント指数である「いいね」や「コメント」も少なかったのであれば、コンテンツの魅力がなかった可能性や、そもそも小紅書(RED)が適切な販促プラットフォームなのかなど検討する必要があるでしょう。
一方、売上が小さいが、「いいね」や「コメント」が非常に多かった場合は、コンテンツは魅力的であったが購買につながっていないため、購買力のあるターゲット層へのアプローチや購買への導線作りなどの検討が必要になります。
このように、エンゲージメントの指数を活用することで、多くのことが見えてくるのです。
実は、成功しているブランドは、このような地道な作業をコツコツと行っているのです。
エンゲージメントと売上の関係については、下記の記事でも紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
抖音(Douyin)プロモーションによるエンゲージメントと売上の関係 成功事例3選 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
最後に
以上、小紅書(RED)集客がうまくいかない3つの理由と改善策について、現地の最新情報を取り入れながら、紹介しました。
弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。
ぜひご気軽にご相談ください。
小紅書(RED)運用代行
【 こんなお悩みありませんか??】
- 動画で中国人向けに訪日を促したい
- 中国進出するため製品をプロモーションしたい
- 中国向けに動画を再編集したい
クレソンの小紅書(RED)運用代行なら、丸投げで運用が可能です!お気軽にお問合せください。
\まずは、お気軽にご相談ください!/