小紅書(RED)の魅力のひとつは、アプリを見るだけで最新トレンドをキャッチできることです。
中国で商品やサービスを売り込むためには、トレンドを把握することが大切です。
特に、中国マーケティングにおいて、トレンドに乗ったプロモーションをすれば、効果は絶大です。
この記事では、最新トレンドの重要性、小紅書(RED)を見るだけで最新トレンドのつかむ方法、そして小紅書(RED)アプリ内での直近のトレンドについて、紹介していきます。
小紅書(RED)の魅力
見るだけで最新トレンドをキャッチできる
中国の最新トレンドをキャッチすることは、容易なことではありません。
理由は、言語の壁、文化の違い、海を隔てた場所にあることから、実際の中国の状況が見えにくいためです。
ところが、小紅書(RED)アプリを使えば、一瞬にして中国の最新トレンドを把握することができます。
小紅書(RED)では、画像や動画がメインの為、中国語や中国文化がわからない場合や中国現地にいなくても、コンテンツ全体の空気感などを感じることができるのです。
また、1つの動画だけではわからない部分があっても、類似の動画がたくさんあるため、複数見ていくと共通点がみつかり、トレンド把握が非常に容易になります。
トレンドは売れ筋や伸びるコンテンツに大きく影響
中国でビジネスを行うには、中国のトレンド把握がとても重要です。
トレンドは、売れ筋商品や伸びるコンテンツに大きく影響するためです。
トレンドを自ら作り出していくことも不可能ではありませんが、多くの時間と費用がかかります。
そのため、限られた時間と費用の中で、プロモーション効果を最大化させようとしたら、素直にトレンドに乗ることが賢明です。
特に、中国のトレンドの変化は激しいです。
背景には、人口動態の変化や、中国国内における多数の地方文化、頻繁に行われる中国政府政策変更などが織り交ざっていることが影響しています。
日本のような比較的安定した経済状況や統一された国民性などとは、全く異質な環境であるという理解も必要でしょう。
小紅書(RED)を見るだけで最新トレンドのつかむ方法
小紅書(RED)の検索画面を見るだけ-ホーム検索画面
そんな変化の激しい中国トレンドについて、小紅書(RED)を使った最新トレンドのつかみ方を紹介したいと思います。
しかも、その方法は、小紅書(RED)アプリを見るだけという、とても楽な方法です。
1つ目は、小紅書(RED)のホーム検索画面を見る方法です。
小紅書(RED)のホーム検索画面をタップすると、下の画面によく検索されているテーマなどが表示されます。
さらに、検索数やランキングの変動まで表示されるため、どのぐらいの規模で検索されているのかなども容易に把握することができます。
操作方法を紹介しながら、具体的にどのようなトレンドがつかめるのか見ていきましょう。
まず、アプリのホーム画面を開けます。
右上に、虫眼鏡の検索ボタンがありますので、そのボタンをタップします。
すると、上の画面のように、上から历史记录(日本語訳:検索履歴)、猜你想搜(日本語訳:あなたの検索したいことを予測)、搜搜发现(日本語訳:タイムラインで検索されているテーマ)が表示されます。
そのうち、搜搜发现(日本語訳:タイムラインで検索されている内容)で表示されるテーマこそが、小紅書(RED)アプリ内で今まさに流行っている内容やトレンドを指しているのです。
それでは、実際に、現在流行っている内容について、詳細に見ていきましょう。
搜搜发现の上から二番目に「e人i人自拍大赏」というテーマがあります。
6万(wは万という意味)回再生されており、ランキングも上昇中の検索テーマです。
「大賞」と書いているため、何かのグランプリがあったのだろうと想像できると思いますが、具体的な内容はわからないと思います。
では、ここで「e人i人自拍大赏」をタップして、具体的な投稿内容を見ていきましょう。
「e人i人自拍大赏」をタップすると、上の写真のような結果が表示されます。
「e人」と「i人」を比較したコンテンツであることは想像がつきますが、それ以上の情報はまだわからないと思います。
そのため、さらに、スクロールして他のサムネイルやコンテンツの中身を見ていきます。
すると、「e人」はExtrovert(外向型)、「i人」はIntrovert(内向型)を指していることがわかります。
【「e人」と「i人」を説明した投稿、他にも「s人」などのタイプがある】
再度、詳しく他の投稿を見ていくと、外向型と内向型の写真の撮り方や表情の違いを比較したコンテンツが今のトレンドなのだとわかります。
【外向型と内向型の比較をした投稿】
どこでグランプリをやっていて、どこが発祥なのかまでは、わかりませんでしたが、今のトレンドであることだけは確かです。
ここで、例えば、商品プロモーションをしたいと考えた場合に、外向型と内向型のユーザーで、使い方に差があれば、それを紹介しながら商品PRをすれば、このトレンドに間違いなく乗れます。
単純に商品の使い方のPRをするよりも、このトレンドに乗りプロモーションをした方が、多くの注目を集めることができる可能性は高まるでしょう。
小紅書(RED)の検索画面を見るだけ-購買検索画面
2つ目の小紅書(RED)を見るだけで最新トレンドをキャッチする方法は、購買検索画面を見ることです。
1つ目の方法は、検索画面からトレンドをキャッチする方法でしたが、購買検索画面からは、実際に売れ筋商品のトレンドをキャッチすることができます。
こちらについても、操作方法を紹介しながら、具体的にどのようなトレンドがつかめるのか見ていきましょう。
まず、小紅書(RED)のアプリを開けます。
次に、画面左下に「购物(日本語:買い物)」のボタンがありますので、それをタップします。
すると、上のような画面に変わります。
「常用分类(日本語訳:よく使うジャンル)」と書かれた下に、人気の商品ジャンルが画像で並んでいます。
これらのボタンを押すと、その商品ジャンルのランキングが表示されます。
上の図では、「纸巾(ティッシュペーパー)」のジャンルを選択した結果です。
最初の設定では、販売量や評価などが総合評価されたランキングが表示されます。
一方、上に表示されている「销量(日本語訳:販売量)」をタップすると、販売量のランキングで上位から売れている商品が表示されます。
このように、人気の商品ジャンルや、その商品ジャンルの中でどのような商品が人気なのかを把握することができます。
また、中国語がわかればよりスムーズに操作できますが、すべて写真や絵で表示されているため、中国語がわからなくてもなんとか操作できることが分かったと思います。
なお、数か月前までは、「最近的趋势(日本語訳:最近のトレンド)」という商品ジャンルもあったのですが、今はそのボタンはなくなっています。
小紅書(RED)の画面は、日々更新されていますので、最新トレンドのキャッチ方法も変わることに注意しましょう。
小紅書(RED)のトレンド調査ツールを見る方法
小紅書(RED)のトレンド調査ツールを合わせて使うと、より明確にトレンドがつかみやすくなります。
小紅書(RED)を見るだけでわかるトレンドキャッチ方法より、難易度は上がりますが、参考までに紹介しますね。
具体的なトレンド調査ツールは、千瓜という中国SNSに関するビッグデータ解析ツールです。
小紅書(RED)の他、中国版TikTok抖音(Douyin)や微信(Wechat)などにも対応している、中国で最も有名な分析ツールです。
例えば、小紅書(RED)アプリ内で、直近一週間で最も流行っている話題(日本でいうハッシュタグ)について、ランキングを見ることができます。
直近ランキング1位の「有人懂我的羞耻症(日本語:誰かは私の羞恥心を理解している)」について見てみると、「浏览数(日本語訳:閲覧数)」は1632.6万で、「笔记数(日本語訳:投稿数)」は、8投稿です。
投稿数の少なさから、このテーマで投稿を行えば、閲覧数が大きく伸びることが期待できます。
そのほかにも、直近で最も検索されている文字のランキング、その検索数や関連投稿数なども見ることができます。
無料版で見ることができる範囲は限られていますが、非常に有益な情報です。
そのほかにも、灰豚数据という調査ツールもあります。
千瓜ほど有名ではありませんが、使えるデータや分析結果などがたくさんあります。
本格的に中国マーケティングを行いたいという方は、有料版の使用を検討してもいいでしょう。
小紅書(RED)アプリ内での直近のトレンド
出个远门(日本語訳:遠出)
小紅書(RED)アプリを見るだけで最新トレンドをつかむ方法は、上述の通りですが、参考までに、小紅書(RED)アプリ内の直近のトレンドを参考までに紹介したいと思います。
「2023小红书年度生活趋势报告(日本語訳:2023年度生活トレンド報告書)」が小紅書(RED)から発行されていますので、そこから興味深いトレンドをピックアップしてご紹介します。
1つ目は、出个远门(日本語訳:遠出)です。
コロナが解除され、やっと遠出ができるようになり、遠出をした写真や動画に関する投稿数が通年に比べて、193%増えています。
特に、中国の若い世代は、人口が密集し社会的プレッシャーを感じる大都市病を抱える人が多く、遠出をしてリラックスしたいという気持ちが強くなっています。
現在は、中国国内の遠出の旅行が流行っていますが、今後、日本へのビザ解禁もあり、日本インバウンドビジネスの拡大が見込めるトレンドと言えるでしょう。
日本インバウンドビジネスの復活タイミングについては、下記の記事で詳細を紹介していますので、興味ある方はご覧ください。
中国からのインバウンド観光客が本格復帰!いつから来日可能?回復予測と経済効果は? | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
家有桃花源(日本語訳:家に桃花のような素晴らしいものがある)
2つ目は、家有桃花源(日本語訳:家に桃花のような素晴らしいものがある)です。
厳しいコロナ政策により、自宅にいる時間が増えたのをきっかけに、現在においてもあまり外に出ず、自宅で生活をエンジョイする中国の若者が増えてきています。
中国の若い世代は、家で使うものに多くの消費する傾向が出てきており、例えば、ホームシアターや家庭菜園グッツ、スマート家電製品を購入するようになってきています。
実際に、このテーマに関する投稿数は、通年より196%伸びています。
特に、中国Z世代は、仕事が終わった後の私生活の充実について、他の世代よりも重視していることがわかっています。
自宅でエンジョイできるグッツを扱っているブランドは、今がビジネスチャンスとも言えるでしょう。
轻解压(日本語訳:リラックス)
3つ目は、轻解压(日本語訳:リラックス)です。
中国のZ世代は、中国が経済的に裕福になった後に生まれており、不自由のない環境下で育ち、あまり我慢することを知らずに育った世代でもあります。
そのため、会社に就職するなどし、社会に出て初めて強いストレスを感じる若者が増えています。
実際、ストレス解消に関する投稿は通年よりも303%増えています。
それに関連して、ストレス解消グッツやコンテンツが大変人気で、力いっぱい地面に投げつけて遊ぶボールや小さなパンチングミット、リラックス効果のあるヨガに関するコンテンツが流行っています。
ストレス解消グッツを扱っているブランドにとっては、商機といえるトレンドでしょう。
近邻升温(日本語訳:ご近所との親交が深まる)
4つ目は、近邻升温(日本語訳:ご近所との親交が深まる)です。
中国の厳しいゼロコロナ政策により、自宅待機時間が長く続き、結果として、ご近所との親交が深まりました。
実際、ご近所さんと仲良くなりましたという投稿数は、通年よりも213%伸びました。
日本ブランドにとっては、中国への商品やサービス売り込みには関係はないと思われるかもしれませんが、全く縁がないというわけではありません。
先見性のある中国ブランドは、このご近所との親交が深まったことを利用して、自社ブランド商品の売り込みを模索しています。
具体的には、町内会長に相当するようなポジションの方を通した売り込みです。
コロナ規制時に、中国住民は、生活物資の調達が困難になり、生活居住区ごとで生活物資の共同購入を取りまとめる団長を中心として、まとめて生活物資を調達する共同購入が始まりました。
そして、今でもなお、共同購入は利用され続けています。
中国現地では、共同購入の展示会が盛んに行われており、多くのブランドや企業だけでなく、団長、インフルエンサーなどが参加しています。
中国ブランドは、共同購入の展示会などで、団長や町内会長レベルの方へアプローチすることによって、彼らによって、自社ブランドの認知を高めようと施策を練っているのです。
現在、日本ブランドをはじめとする外資ブランドでは、共同購入の展示会への参加はあまり見ないですが、試してみる価値はあるでしょう。
最後に
以上、小紅書(RED)の最新トレンドの重要性、最新トレンドのつかみ方、そして直近のトレンドについて、解説しました。
弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。
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