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抖音(Douyin) 小紅書(RED) WeChat :中国SNS連携によるマーケティングシナジーと効率化

中国には、日本と同じように様々なSNSがありますが、それらを正しく使い分けし、マーケティングを行うことが大切です。

特に、各中国SNSの特徴を活かして連携させることができれば、高いシナジー効果と効率性を維持しながら、プロモーションができるようになります。

この記事では、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)・微信(Wechat)などの各中国SNSの特徴、連携方法、マーケティングシナジーと効率化について、紹介していきます。

目次

中国SNSの種類とその特徴

中国SNSの種類

中国SNS連携について、具体的な話をする前に、中国SNSにどんなものがあるのかを紹介したいと思います。

まず、大前提としてあるのが、LINEやTwitterなど国際的によく使われているSNSは中国では使うことができません。

ところが、LINEなどに相応する中国独自のSNSがあり、中国消費者は特に不自由さを意識することなく、それらのSNSを使っています。

小さいSNSも含めると、数限りなくありますが、代表的な中国SNSをお伝えすると、下記のように種類分けすることができます。

  • コンテンツ投稿系:中国版TikTok抖音(Douyin)、快手(Kuaishou)、知乎(zhihu)
  • ソーシャルメディア系:小紅書(RED)、微博(Weibo)
  • チャット系:微信(Wechat)、QQ
  • ライブ系:哔哩哔哩(bilibili)、斗鱼(Doinb)

実際には、中国版TikTok抖音(Douyin)にライブ機能があるなど、各SNSが多様化しているため、明確に分類できるというわけではありません。

しかしながら、このように種類分けすると、中国SNSの全体像が見えやすくなり、中国SNS連携を行う際に役に立ちます。

各中国SNSの特徴-中国版TikTok抖音(Douyin)

それでは、先ほど種類分けした各中国SNSの特徴について、簡単に見ていきましょう。

まず、コンテンツ投稿系の代表格である中国版TikTok抖音(Douyin)は、日本でもお馴染みのショート動画プラットフォームです。

中国では8億人を超える利用者がおり、最も利用されているショート動画アプリです。

Quest Mobile(インターネット専門の中国大手市場調査会社)の最新調査によれば、2022年1~10月における中国インターネット広告収入占有率で、ランキングNo.1は中国版TikTok抖音(Douyin)でした。

ただし、ここで注意が必要なのは、日本人が普段よく見ているのは国際版のTikTokであり、中国版TikTok抖音(Douyin)とは全く異なるプラットフォームであるということです。

アプリの作りやロゴマークなどは一緒ですが、プラットフォーム自体が異なるため、中国マーケティングを行う際は、中国版TikTok抖音(Douyin)を別途ダウンロードして、使う必要があります。

中国版TikTok抖音(Douyin)の使い方の詳細は、下記の記事で紹介していますので、ご興味のある方はご覧ください。

中国版TikTok抖音(Douyin)の使い方完全ガイド:登録方法から使い方まで | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

また、快手(Kuaishou)も中国版TikTok抖音(Douyin)に次ぐ、中国消費者によく利用されているショート動画プラットフォームですが、中国地方都市使用者が多いなどの特徴があります。

知乎(zhihu)は、日本のYahoo!知恵袋のような中国最大のQ&Aプラットフォームですが、回答の質が高いことや、人気回答者に話題を取り上げてもらうことでマーケティングに使うことができるなどの特徴があります。

各中国SNSの特徴-小紅書(RED)、微信(Wechat)

次に、ソーシャルメディア系の代表格である小紅書(RED)は、中国のソーシャルECプラットフォームであり、中国版Instagramとも言われることがあります。

特徴としては、20-30代の中国人女性ユーザーが圧倒的に多く、口コミサイトとして使われていることです。

例えば、20代~30代の中国女性は、気になる商品があれば、すぐに検索サイトやECサイトで探すことはしません。

彼女たちは、まず中国最大の口コミサイトである小紅書(RED)で評価などを確認してから、淘宝(タオバオ)ECで購入するというのが一般化しているのです。

また、微博(Weibo)もソーシャルメディア系のプラットフォームではありますが、現在、口コミとして使われることはあまりなく、新商品の告知やキャンペーンのお知らせとして、使われることが多くなっています。

次に、チャット系の代表格である微信(Wechat)は、約12億人ものユーザーがいる中国最大のコミュニケーションアプリです。

特徴としては、日本のLINEに相当するSNSとして、中国人に毎日利用されていることです。

もう一つ特徴を挙げれば、微信(Wechat)のアプリ内に各種機能やミニプログラムがあり、微信(Wechat)一つで、他のアプリは要らないと言えるほど、便利な機能が使えることです。

例えば、微信(Wechat)のアプリ内には、支払機能、地図アプリ、タオバオなどのECサイトアプリなど、専用のアプリをダウンロードせずとも、そのまま使うことができるのです。

一時期、コミュニケーションアプリとして、QQがよく使われた時期もありましたが、現在の状況を見ると、その使用範囲は限られてきています。

QQは、PC上でユーザー相互認証を行うことで、遠隔でその認証したPCを操作することや会話履歴のダウンロードができるなど、微信(Wechat)にはない機能があり、ビジネスとして使われることが多くなっているのです。

最後に、ライブ系の中国SNSの代表格である哔哩哔哩(bilibili)は、Youtubeに該当する動画プラットフォームでもあります。

哔哩哔哩(bilibili)は、中国Z世代のユーザーが多いのが特徴です。

月狐(中国市場調査会社)の哔哩哔哩ユーザー層の調査によれば、2022年6月には25歳以下のユーザーが42.9%、26-35歳のユーザーが39.7%というユーザー構成になっています。

詳細は、下記の記事で紹介していますので、ご興味のある方はご覧ください。

哔哩哔哩(bilibili)のマーケティング戦略とは?中国で若者を魅了する動画共有サイトの秘密と事例 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

中国SNSの連携手法と注意点

中国SNSの連携手法-中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)・微信(Wechat)

中国SNSの種類とその特徴がわかったところで、具体的な連携手法を2つ紹介したいと思います。

1つ目は、中国版TikTok抖音(Douyin)、小紅書(RED) ・微信(Wechat)の特徴を活かしたプロモーションです。

例えば、同一の動画を3つのプラットフォームで同時に流しただけでは、より多くのユーザーにリーチできるという面では、効率性は上がるかもしれませんが、効果的なプロモーションはできません。

なぜなら、前述したように、各中国SNSには特徴があり、ユーザー層が異なれば、拡散の範囲、伸び方も全く異なるためです。

まず、自社ブランドや商品が中国で知名度はないが、中国消費者を十分引き付けることができるビジュアルや動画があれば、中国版TikTok抖音(Douyin)でプロモーションをするのが適しています。

中国版TikTok抖音(Douyin)のアルゴリズムでは、アカウントのフォロワー数に関係なく、動画の面白さが純粋に評価されやすい仕組みになっており、またメガヒットが最も生まれやすいためです。

次に、中国でコミュニティやファン層を構築してから、中国市場を着実にゆっくりと攻めていきたいというのであれば、まずは小紅書(RED)を使っていくのがおすすめです。

小紅書(RED)は、コンテンツ作り、ファン層やコミュニティの形成に最適だからです。

既に中国に一定の顧客層やフォロワーがいるのであれば、微信(Wechat)の動画アプリである微信视频号(WeChat動画アカウント)を使っていくのがおすすめです。

微信(Wechat)でのフォロワーは、凝ったプロモーションをしなくても、動画告知だけで買ってくれる傾向があり、その動画自体もいい動画として評価されやすいです。

さらに、微信アプリ内の友達が高い評価をした動画が、おすすめ動画として選ばれやすくなっているため、熱狂的なフォロワーがいること自体が起爆剤となりえます。

これは、微信视频号(WeChat動画アカウント)が、メッセージアプリから派生したアプリということもあり、友達のとのつながりを重視していることを表しています。

総括すると、自社商品の特性や、中国でのコミュニティの有無、熱心なファンの有無などを分析し、各中国SNSに合わせて、使い分けしていくことが成功のキーになるのです。

ただし、使い分けとはいえ、撮影した動画を少し編集することや公開時期などを調整するだけですので、アプローチできる顧客層の増加を考えれば、効率性が上がることは間違いないでしょう。

また、中国SNS間で動画が異なれば、興味を持った中国消費者は、各中国SNSで検索しますので、アカウント名や動画タイトルなどは、各中国SNSで統一させるのが良いでしょう。

そのように行えば、各中国SNSの間で、直接的な連携はされていなくても、ブランドや価値観を軸として連携することが可能になります。

中国版TikTok抖音(Douyin)から微信(Wechat)への呼び込み

2つ目は、中国版TikTok抖音(Douyin)から微信(Wechat)への呼び込みです。

この動きは、中国では「私域转化(日本語:プライベートドメイン化)」と呼ばれており、最近のトレンドとも言えます。

プライベートドメイン化とは、中国版TikTok抖音(Douyin)などのオープンなプラットフォームから、WeChat公式アカウント(登録して詳細情報が見れる)などのプライベートなプラットフォームへの移行を指します。

背景には、中国版TikTok抖音(Douyin)などのオープンなプラットフォームにおける広告コストの増大や、厳しい規制があります。

まず、中国版TikTok抖音(Douyin)での広告手数料、KOLへの出演費用などが年々上がっています。

企業側にとっては、顧客を獲得し売上を上げるために必要な費用であったとしても、最終的に利益を圧迫しかねないため、コスト増大に悩む企業が出てきているのが実情なのです。

また、中国版TikTok抖音(Douyin)では、非常に厳しい管理が行われています。

少しでも運用規定に違反した場合は、アカウントの一時停止だけでなく、アカウント信用評価が下がり、ビジネスチャンスを逃すことさえあります。

最悪の場合、アカウント閉鎖のリスクもあり、企業側は中国版TikTok抖音(Douyin)のプラットフォームだけで運用することに危険性を感じているのです。

ここで、最近、多くの企業では、中国版TikTok抖音(Douyin)の圧倒的な集客力を活用して、潜在顧客にアプローチし、フォロワーになってもらった顧客に対して、WeChat公式アカウントへの誘導を行うという戦略が採用されています。

実際に、この戦略により、中国SNS連携によるマーケティングシナジー効果が格段に上がっている事例が多く出ています。

連携時の注意点

複数の中国SNSの連携を行う際は、注意点があります。

まず、中国SNS間の連携は、基本的には認められていないことです。

例えば、よくあるのが、自社のWeChat公式アカウントのURLリンクを、そのまま中国版TikTok抖音(Douyin)のショート動画やコメント欄に張り付けてしまうパターンです。

この行為は、中国版TikTok抖音(Douyin)では認められておらず、その動画がおすすめとして選ばれなくなるだけでなく、注意を受けても改善が見込まれない場合は、アカウント停止になることさえあります。

WeChat公式アカウントへの誘導は、中国版TikTok抖音(Douyin)では広告の一種と位置付けられており、一定の手続きを経て許可を得た後、行う必要があります。

その一定の手続方法については、下記の記事にて詳細を記載していますので、ご覧ください。

WeChat公式アカウントと中国版TikTok抖音(Douyin)を連携することで実現できるマーケティング戦略 | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン

中国SNS連携による成功事例

安热沙(ANESSA)

中国SNSの連携手法と注意点がわかったところで、具体的な成功事例を紹介したいと思います。

まず、1つ目は、安热沙(ANESSA)です。

安热沙(ANESSA)は、資生堂が展開している日焼け止めクリームのブランドであり、中国でも大変人気があります。

安热沙(ANESSA)は、中国版TikTok抖音(Douyin)と小紅書(RED)の使い分けを非常にうまく行い、成功しています。

まず、中国版TikTok抖音(Douyin)では、安热沙(ANESSA)は、ブランディングの期間を、初期、中期、爆発期と分けます。

そして、それぞれの期間で、適切な施策を行いました。

具体的には、初期(2021年4-8月)は、中国版TikTok抖音(Douyin)内での認知拡大が先決ととらえ、トップKOL(Key Opinion Leader、中国インフルエンサー)に、動画投稿などを依頼します。

中期(2021年9-12)は、業界全体として、日焼け止めクリームのニーズが小さくなり、閑散期になるため、ミドル級以下のKOLを中心に動画投稿を依頼しました。

また、ライブコマースを行うことで、潜在顧客とのコミュニケーションも絶えず行います。

爆発期(2022年1月~現在)には、日焼け止めクリームのニーズが徐々に高まることも見据えて、再びトップKOLに動画投稿依頼、ライブコマースも合わせて積極的に行いました。

一方、小紅書(RED)でのマーケティングでは、中国版TikTok抖音(Douyin)とは異なったマーケティングを行います。

具体的には、小紅書(RED)では、主として、フォロワーが1万人以下のKOC(Key Opinion Consumer、フォロワーは少ないが一定の影響力のある人)に動画の投稿依頼などを行っていました。

小紅書(RED)では、コミュニティ形成や口コミサイトとして人気なプラットフォームのため、フォロワーに近い存在であるKOCの方が、効果的にマーケティングができるのです。

そして、多くの中国消費者にアプローチできる中国版TikTok抖音(Douyin)でブランドの認知度を高め、小紅書(RED)で口コミやコミュニティ形成を行うという、連携がうまく機能しました。

結果として、前月比で売上増加幅が500%を超える結果を生み出すほど、中国で人気の商品になりました。

2021年3月と2022年3月で比較した場合では、売上が630%増加しています。

自社の中国市場の立ち位置を正しく見極め、中国SNSの特徴に合わせて、KOLとKOCの選定まで細かく管理し、中国SNSをうまく連携させた面白い事例です。

老饭骨

2つ目は、老饭骨という、中国ローカルの料理教育・食料品販売のアカウントです。

WeChat公式アカウントと中国版TikTok抖音(Douyin)を連携して、成功している代表的な事例です。

老饭骨では、刘建明を代表とする有名料理人がユーモアも交えながら、様々な伝統中国伝統料理を調理し、紹介しています。

中国版TikTok抖音(Douyin)のフォロワーは1329万人であり、料理人や主婦層に圧倒的な人気があります。

老饭骨は、中国版TikTok抖音(Douyin)からWeChat公式アカウントやWeChatの中のグループチャットへの呼び込みにも成功しており、実際、WeChat公式アカウント内での販売も非常に活発です。

老饭骨が、WeChat公式アカウントと中国版TikTok抖音(Douyin)が連携うまくいっている要因は、2つあります。

1つ目は、中国版TikTok抖音(Douyin)上で唯一無二の地位を築いたことです。

まず、老饭骨は、中国版TikTok抖音(Douyin)を始めたのは2019年2月という後発組ではありましたが、圧倒的な料理のレベルとユーモアで、唯一無二の地位を築きました。

10本の動画を投稿しただけで、すぐにフォロワーが100万人に達し、その後は毎月70-100万人フォロワーが増えていきます。

つまり、中国版TikTok抖音(Douyin)上で、老饭骨はブランド化に成功していたのでした。

2つ目は、フォロワーのニーズをうまくくみ取っていることです。

フォロワーが増えた後、老饭骨は、中国版TikTok抖音(Douyin)上で、フォロワーグループ(中国語:粉丝群)を作ります。

ここで、中国版TikTok抖音(Douyin)のフォロワーグループとは、一定条件を満たすフォロワーだけが入れるグループです。

フォロワーグループに入ると、そのグループ内で特別な通知や割引券などを取得することなどができるようになります。

老饭骨は、フォロワーのニーズに合わせて、複数のフォロワーグループを作り、フォロワーのニーズをうまくくみ取り、フォロワーとの結束性を高めていきました。

それと同時に、WeChat公式アカウントも開設しますが、WeChat公式アカウントのフォロワーグループではより細分化し、各ユーザーのニーズに細かく対応します。

実際、老饭骨のWeChat公式アカウントでは、「料理学習グループ」、「買い物グループ」、「専門調理師グループ」などすべてで31のグループが作られています。

中国版TikTok抖音(Douyin)では老饭骨に少し興味を持っているフォロワーグループに集まり、WeChat公式アカウントでは老饭骨でより深く学びたいフォロワーが集まる仕組みが自然と形成されているのです。

中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)・微信(Wechat) :中国SNS連携によるマーケティングシナジーと効率化のまとめ

中国SNSをうまく連携させると、高いマーケティングシナジーと効率化を維持しながら、中国市場を攻略できることが分かったと思います。

特に、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)・微信(Wechat)は、中国で最も人気のある中国SNSであり、ブランドや企業側にとっては、必須のマーケティングツールです。

今回紹介した連携方法だけではありませんが、今後も新しい成功事例やトレンドがあれば、共有していきますね。

最後に

以上、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)・微信(Wechat)などの各中国SNSの特徴、連携方法、マーケティングシナジーと効率化について、解説しました。

弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。

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