中国は広大な国土と多様な文化を持ち、旅行者にとって魅力的な観光地です。
そんな中国では近年、スマートフォンの普及により、旅行をより便利に、快適にするためのアプリが多数登場しています。
特に「携程旅行」や「飛猪」といった旅行系アプリは、宿泊施設の予約、交通手段の手配、観光地の情報収集など、多岐にわたる機能を提供し、旅行計画をサポートします。
さらに、多くのアプリは中国語だけでなく、英語や他の言語にも対応しており、言語の壁を越えて情報を取得できるのも嬉しいポイントです。
この記事では、中国の旅行系アプリの特徴や活用法を紹介するとともに、日本のインバウンド動向情報などをお届けします。
中国の各旅行系アプリの特徴とユーザー層
中国の旅行系アプリの現状と主要アプリ5つをご紹介
まず中国の旅行系アプリの現状と主要アプリについて紹介します。
中国の旅行業界は急速にデジタル化が進んでおり、旅行系アプリはその中心的な役割を果たしています。
近年、スマートフォンの普及とともに、ユーザーが求める情報やサービスも多様化しました。
そのため、さまざまな旅行系アプリが登場し、それぞれが異なるニーズに応えています。
【中国には数多くの旅行系アプリが存在する】
■主要な旅行系アプリの特徴
① 携程旅行: 中国最大の旅行予約プラットフォームで、航空券、ホテル、ツアーなどを一括で予約できます。
特に国内外の旅行に強く、英語対応も進んでいるため、外国人旅行者にも利用されています。
② 飛猪: アリババグループが運営するアプリで、特に若年層をターゲットにしています。
旅行商品のカスタマイズがしやすく、SNS機能を通じて友人との情報共有が簡単にできます。
③ 同程旅行: パッケージツアーに特化したプラットフォームで、特に家族旅行やグループ旅行を重視したサービスを提供しています。
レビュー機能が充実しており、他のユーザーの体験を参考にしやすいです。
④ 途牛: 中国の旅行予約アプリで、ホテル、航空券、ツアーなどを一元管理できるプラットフォームです。
ユーザーは旅行プランを簡単に検索・比較し、レビューや評価を参考にしながら予約できます。
⑤ 马蜂窝: 中国の旅行情報共有プラットフォームで、旅行者が旅行プランを立てるのに役立つアプリです。
主に旅行先の情報やレビュー、旅行記、観光スポット、ホテル、レストランなどの情報を提供しています。
ユーザーは他の旅行者の体験を参考にしたり、自分の旅行記を投稿したりすることができます。
また、コミュニティ機能もあり、旅行に関する質問をしたり、情報を交換したりすることができるのが特徴です。
旅行の計画を立てる際に非常に便利なアプリです。
これらのアプリは、ユーザーが快適に旅行を楽しむための情報を提供するだけでなく、各アプリの特色に合わせたプロモーションやサービスも展開しています。
ユーザー層と利用動向
続いて、中国の旅行系アプリについて、ユーザー層と利用動向をご紹介します。
中国の旅行系アプリは、ユーザー層が非常に多様です。
年齢、性別、旅行スタイルによって、それぞれ異なるアプリを選ぶ傾向があります。
ユーザー層の分析
• 若年層(18〜30歳): 旅行系アプリの主要ユーザーで、特に「飛猪」などのSNS機能を活用する傾向があります。
短期間の旅行やバックパッカー旅行が多く、友人とシェアしやすいアプリを好みます。
• 中年層(30〜50歳): 家族旅行やビジネス旅行が多く、特に「携程」や「同程旅行」を利用することが一般的です。
彼らは信頼性やサービスの充実度を重視し、安定したプラットフォームを選ぶ傾向があります。
• シニア層(50歳以上): 最近ではシニア層もスマートフォンを利用するようになり、旅行計画にアプリを活用することが増えています。
「同程旅行」や「携程」のような簡潔で使いやすいアプリを好む傾向があります。
旅行スタイル別の利用傾向
続いて、中国の旅行系アプリについて、旅行スタイル別の利用傾向をご紹介します。
中国の旅行市場は急速に成長しており、旅行系アプリも多様なニーズに応える形で進化しています。
特に、旅行スタイルによって利用されるアプリや機能が異なるため、ユーザーは自分のスタイルに合ったサービスを選ぶ傾向です。
以下では、主な旅行スタイル—観光旅行、アクティブ旅行、一人旅、ビジネス旅行—に分けて、それぞれの利用傾向を考察します。
観光旅行
おすすめアプリ:携程旅行、飛猪、马蜂窝
観光旅行は、中国国内外の名所を訪れることを目的としたスタイルで、特に家族連れや友人同士のグループに人気があります。
このスタイルの旅行者は、旅行プランを詳細に立てる傾向があり、旅行系アプリでは観光スポットの情報、入場券の予約、交通手段の確保など、オールインワンの機能が求められます。
アプリの中でも、携程や马蜂窝などは観光地情報の充実度が高く、ユーザーは他の旅行者のレビューを参考にしながら計画を立てます。
また、パッケージツアーを選ぶ際には、特典や割引情報が重視されるため、アプリ内での比較機能が重要です。
アクティブ旅行
おすすめアプリ:携程旅行、飛猪、同程旅行、马蜂窝
アクティブ旅行は、登山、ハイキング、サイクリングなど、身体を動かすことを重視したスタイルです。
このスタイルの旅行者は、体験を重視し、ユニークなアクティビティやローカルな体験を求めます。
旅行系アプリでは、アクティビティの予約や体験型ツアーの情報が豊富に提供されることが重要です。
特に、マウントエベレストのベースキャンプへのトレッキングや、各地域の特産品を学ぶワークショップなど、オフラインでの体験を提供するアプリが人気です。
このため、地元のガイドや参加者のレビューが充実していることが求められます。
一人旅
おすすめアプリ:携程旅行、途牛、马蜂窝
一人旅は、個人で自由に行動することを楽しむスタイルで、特に若い世代に人気があります。
この旅行スタイルの特徴は、自分のペースで移動できることや、新しい出会いを楽しむことです。
一人旅の旅行者は、宿泊施設の選定や現地でのアクティビティを重視し、アプリでは特にホステルやゲストハウスの情報が求められます。
また、旅行系アプリには、他の旅行者とのマッチング機能や、現地のイベント情報を提供する機能が求められます。
これにより、一人旅でも新しい友達を作る機会が増え、より充実した経験を得ることができます。
ビジネス旅行
おすすめアプリ:携程旅行、同程旅行、飛猪、马蜂窝
ビジネス旅行は、出張やビジネス関連のイベントを目的としたスタイルです。
このスタイルの旅行者は、効率的かつ迅速に移動できることを重視します。
アプリでは、宿泊施設やフライトの予約機能が中心であり、出発時間や到着時間に対する柔軟性が求められます。
ビジネスパーソン向けの旅行系アプリは、特に会議やビジネスイベントの情報を提供する機能が充実している必要があるほか、出張中の観光や食事のオプションも重視され、仕事の合間に楽しめるスポットの情報があることが望まれます。
中国から日本へのインバウンド動向
インバウンド需要の回復とその背景
中国から日本へのインバウンド需要は回復傾向にあります。
2024年に入ってから、中国から日本へのインバウンド需要が顕著に回復しています。
2023年にCOVID-19の制限が緩和され、日本への旅行が再び活発化したことが大きな要因です。
特に、中国政府が旅行制限を緩和したことで、多くの中国人が国外旅行を再開する動きが見られました。
日本は、中国人観光客にとって非常に魅力的な旅行先であり、文化、食、ショッピング、温泉など、多彩な体験ができることから人気を集めています。
特に、東京や京都、大阪などの大都市は観光のハブとして、多くの旅行者が訪れています。
また、円安の影響もあり、経済的な面からも日本旅行が選ばれる要因となっています。
【出所:日本政府観光局(JNTO) 2024年8月 訪日外客数(JNTO数値)(対2023年比)】
【出所:日本政府観光局(JNTO) 国籍/年別 訪日外客数(1990年~2024年)】
2024年8月度の日本政府観光局(JNTO)の統計によると、訪日中国人観光客は745,800人であり、2023年8月度の364,228人と比較すると104.6%の伸率となりました。
また年度単位では、2024年1~8月度の訪日外国人観光客は4,595,200人、2023年1~8月度は1,272,324人と、261.2%の伸率となりました。
人気の旅行スタイルと目的地
続いて、中国からの旅行者に人気の旅行スタイルと観光地について紹介します。
中国からの旅行者は、主に団体旅行と個人旅行の両方のスタイルで日本を訪れています。
団体旅行では、パッケージツアーを利用することが一般的で、観光名所を効率よく巡るプランが人気です。
一方で、個人旅行では、自由な日程で自分のペースで観光することが好まれています。
人気の観光地としては、東京の秋葉原や新宿、京都の清水寺や金閣寺、大阪の道頓堀などが挙げられます。
また、近年では、地方の観光地にも注目が集まっており、温泉地や美しい自然環境を楽しむ旅行が増加の傾向です。
特に、北海道や九州地方は、自然と食文化が豊かで、多くの旅行者を引きつけています。
インバウンド促進のための施策と今後の展望
続いて、日本政府による海外からのインバウンド促進のための施策と今後の展望について紹介します。
日本政府は、中国からのインバウンド観光客をさらに増やすために、さまざまな施策を講じており、たとえば、ビザの緩和やプロモーション活動、観光インフラの整備などが行われています。
また、特に中国市場に向けたマーケティングキャンペーンが強化され、中国語対応の情報提供やサービスの充実も進められています。
今後の展望としては、2025年の大阪万博や2027年の福岡アジア文化都市など、大規模なイベントが日本で予定されており、これに伴いさらなるインバウンド需要の増加が見込まれるでしょう。
また、旅行のデジタル化が進む中で、中国の旅行系アプリを活用した情報収集や予約が一般化し、旅行者の利便性も向上しています。
モテナス日本で『極上のおもてなし』を
モテナス日本の概要と目的
「モテナス日本」は、当社クレソン株式会社が運営する「オーダーメイド型の外国人向け日本伝統文化体験および企業研修・チームビルディング」サービスで、日本の観光や文化を海外に向けて発信するためのプラットフォームです。
このサービスは、特に中国をはじめとするアジア圏の旅行者をターゲットにしており、日本の魅力的な観光地や体験を紹介しています。
旅行者にとって、事前に情報を得ることは旅行計画の重要な要素であり、モテナス日本はそのニーズに応えています。
中国からの旅行者は、日本を訪れる際に様々な旅行系アプリを活用します。
たとえば、「途牛」や「马蜂窝」といったアプリは、旅行者が宿泊施設や観光地を簡単に探し、予約できる便利なツールです。
これらのアプリとモテナス日本が連携することで、より充実した旅行体験を提供できる可能性が広がります。
中国からのインバウンド動向とモテナス日本の役割
2024年に入ってから、中国から日本へのインバウンド需要は急激に回復していています。日本政府のビザ緩和や旅行制限の緩和により、まずます多くの中国人が日本を訪れるようになりました。
モテナス日本は、こうした動向を受けて、訪日中国人旅行者向けの特別なキャンペーンやプロモーションを展開しており、特に、観光地や体験に関する詳細な情報提供や、日本の文化に触れることができるユニークなプログラムが好評を博しています。
これにより、旅行者は日本での体験をより深く楽しむことができ、リピーターを増やす効果も期待できます。
中国の旅行系アプリと組み合わせることで、旅行者は自分の興味に合った情報を効率的に得ることができ、旅行計画の質が向上します。
今後の展望と持続可能なインバウンド促進
モテナス日本は、今後の展望として、特に中国市場を中心とした戦略を強化する予定です。
インバウンド需要の回復に伴い、旅行者のニーズも変化しているため、柔軟に対応することが求められます。
たとえば、個人旅行の増加に合わせて、よりパーソナライズされた情報提供や、リアルタイムでのサポートが重要であるとともに、持続可能な観光を促進するための取り組みも進められています。
地域資源を活用し、地元の文化や食を体験できるプログラムが増加しており、これにより旅行者はより深い日本の魅力に触れることができます。
中国の旅行系アプリとの連携により、これらの情報が迅速かつ効果的に旅行者に届けられることが期待される状況です。
最後に
以上、中国の旅行系アプリの特徴や活用法、日本のインバウンド動向情報などについて、紹介しました。
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