中国マーケティングに必須の小紅書(RED)には、個人アカウントと企業アカウントがあります。
閲覧用であれば個人アカウントでも十分ですが、会社としてマーケティングやプロモーション用に使うのであれば、小紅書(RED)企業アカウントがおススメです。
この記事では、小紅書(RED)企業アカウントのメリット・デメリット、企業アカウント作成方法や運用テクニックについて、紹介していきます。
小紅書(RED)企業アカウントのススメ
小紅書(RED)企業アカウントとは
小紅書(RED)企業アカウントとは、会社名義で登録する、会社公式のアカウントを指します。
会社公式サイトのように、ブランディング、マーケティングやプロモーションのツールとして使いたい場合、小紅書(RED)企業アカウントが利用されています。
小紅書(RED)は、中国消費者に向けたSNSアプリのため、中国ローカル企業が多いですが、中国市場を狙う外資の企業アカウントもあります。
日本企業でいえば、トヨタ、資生堂、ANESSAなど、中国市場を重視している企業はすべて、小紅書(RED)の企業アカウントがあります。
小紅書(RED)は、中国の若い女性向けのマーケティングやプロモーションのツールとして、中国で最もよく使われているSNSアプリでもあります。
もし、個人レベルではなく、会社として中国市場を狙いたいのであれば、小紅書(RED)の企業アカウントを作ることよいでしょう。
なお、現在の小紅書(RED)では、プロ版(专业号)と非プロ版(非专业号)に分かれており、企業アカウントはプロ版(专业号)に吸収されています。
これより企業アカウントを申請する方は、プロ版(专业号)への申請となりますが、この記事では、企業アカウント≒プロ版(专业号)として解説しております。
小紅書(RED)企業アカウントのメリット
中国市場を本気で狙いたいのであれば、小紅書(RED)企業アカウントは、非常に有効ですが、すべての方におススメなわけではありません。
ここで、小紅書(RED)企業アカウントのメリットとデメリットについて、整理したいと思います。
まず、小紅書(RED)企業アカウントのメリットは、下記の通りです。
- アカウントの信頼性がアップする
- 広告に関する投稿制限がなくなる
- マーケティングに関する機能が多く使える
まず、アカウントの信頼性がアップすることについて、企業アカウントとして登録すると、アカウントホーム画面に青色チェックマークが付きます。
【SK-Ⅱの小紅書(RED)の会社公式ページ、真ん中に青チェックマークがある】
これは、小紅書(RED)プラットフォームから会社公式アカウントとして、認証完了しているという意味であり、このマークを見た視聴者は、信頼性の高いアカウントとして扱ってくれます。
また、小紅書(RED)から会社公式アカウントの認証が完了した後は、そのアカウント名は保護され、同じ名前で重複申請されることはなくなり、唯一無二のアカウント名になります。
次に、広告に関する投稿制限がなくなることについて、個人アカウントの場合、広告に関する投稿制限がありますが、企業アカウントの場合は、その制限が解除されます。
例えば、個人アカウントの場合、小紅書(RED)にて、広告と判断された動画を多く投稿していると、徐々におすすめ動画として扱われなくなってしまい、視聴回数は減っていきます。
一方、企業アカウントの場合、そのような制限は全くありません。
小紅書(RED)は、あくまで私生活の中で面白い発見をしたときの情報共有プラットフォームであり、広告プラットフォームではないため、個人アカウントには広告制限をかけているのです。
最後に、マーケティングに関する機能が多く使えることについて、小紅書(RED)企業アカウント場合は、各種プロモーション機能が使えるようになります。
例えば、フォロワー限定のキャンペーンや、抽選でユーザーに無料で商品やサービスをプレゼントするキャンペーンを小紅書(RED)の中で実施することなどができるようになります。
その他、小紅書(RED)企業アカウントでは、小紅書(RED)内の広告のバリエーションも増え、リスティング広告など個人アカウントでは利用できない広告が使えるようになります。
小紅書(RED)企業アカウントのデメリット
小紅書(RED)の企業アカウントのデメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 費用が発生する
- コンプライアンス問題が発生しやすくなる
- 被害を受けやすくなる
1つ目の費用が発生することについて、まず、初回登録費用が600元(12,000円相当)、その後、二年目から年間維持費用600元(12,000円相当)が発生します。
中国版TikTok抖音(Douyin)の企業アカウントでは、初期登録料が600元(12,000円相当)、その後の年間費用120元(2,400円相当)が発生しますので、小紅書(RED)の2年目からの年間維持費は少し高いです。
2つ目のコンプライアンス問題が発生しやすくなることについて、企業アカウントにバージョンアップすると、訴訟されるリスクが高まります。
最近では小紅書(RED)で投稿された動画により、肖像権の侵害として、中国で裁判判決された事例も出てきています。
訴訟されれば、アカウントの維持時停止など起こるため、十分なコンプライアンス対応が必要になります。
3つ目の被害を受けやすくなることについて、具体的には、商標権などの権利侵害や不正ログインなどの被害が発生しやすくなります。
権利侵害については中国弁護士などに協力してもらいながら解決、不正ログインによる被害については情報管理を徹底して行うなどの対応が必要になります。
小紅書(RED)企業アカウント作成方法と運用時の注意点
小紅書(RED)企業アカウントの作成手順
それでは、実際に小紅書(RED)企業アカウントの作成方法を紹介したいと思います。
まず、個人アカウント版の小紅書(RED)を開きます。
画面右下の「我(日本語:自分)」をタップします。
すると、上記の写真のような表示になりますので、右上の設定マーク(ナットマーク)をタップします。
画面が変わりましたら、上段にある「账号与安全(日本語:アカウントと安全)」をタップします。
次の画面では、上から4番目の項目にある「官方认证(日本語:公式認証)」をタップします。
次の画面では、「企业认证(日本語:企業認証)」をタップします。
企業アカウントに関する紹介画面が表示されますので、下にある「下一步(日本語:次へ)」をタップします。
この記事をお読みの方は、ほとんどが日本または中国会社だと思いますので、「我是企业(日本語:私は企業です)」を選んで、下の「立即申请(日本語:すぐに申請)」をタップします。
この画面では、企業アカウントのアイコンと名前を入力します。
入力が完了しましたら、画面下にある「下一步(日本語:次へ)」をタップします。
次の画面では、企業の詳細情報を入力していきます。
上記の画面では、中国現地法人の情報を入れていますが、必要な情報は下記の通りです。
- 主体归属地:申請者の所属地域
- 主体名称:申請者の名称
- 社会信用代码:会社登録番号
- 证件期限:会社証書の期限(期限有或いは期限無)
- 限期有效:期限がある場合は、その有効期限日
- 所在地:申請者の住所
- 邀请码:推薦番号(通常はないので、入力不要)
すべて入力完了しましたら、右下の「下一步(日本語:次へ)」をタップします。
次の画面では、申請者である会社からスマートフォンから操作している人への委託書を、アップロードします。
委託書フォーマットは、上記画面下の青文字で記載されている「下载模板(日本語:フォーマットをダウンロード)」をタップすると、フォーマットがダウンロードされます。
ダウンロードが完了しましたら、必要事項を記載の上、印刷し、サインをして、PDF化してアップロードします。
アップロードが完了しましたら、下の「身份选择(日本語:ジャンル選択)」にて、自社が関連する業種を選択します。
それが完了しましたら、右下の「下一步(日本語:次へ)」をタップします。
いよいよラストの画面です。
ここでは、運営者の情報を入れていきます。
上から順に日本語へ翻訳すると、下記の通りです。
- 运营者姓名:運営者の姓名
- 联系邮箱:メールアドレス
- 联系电话:電話番号
- 验证码:認証番号(電話番号にショートメッセージで送付されてきます)
- 发票邮箱:初期登録費用600元の電子領収書の送付先メールアドレス
- 身份资料:身分証明書の種類(日本人であればパスポート)
- 证件照片:身分証明書の写真(日本人であればパスポートの写真)
すべての入力が完了しましたら、「同意并遵守以下内容(日本語:同意且つ以下の内容について順守する)」にチェックをします。
その後、「提交并支付(日本語:提出かつ支払う)」をタップします。
支払い画面にて、支払いが完了すれば、企業アカウント申請の完了です。
中国現地法人でしたら、数日で申請受付~承認完了しますが、中国外の企業の場合は、2週間ほどかかります。
また、小紅書(RED)から追加の書類が要求される場合もありますので、要求された書類を速やかに提出しましょう。
小紅書(RED)企業アカウントの運用時の注意点
小紅書(RED)企業アカウントを運用するときの注意点は、個人アカウントとほぼ同様ですが、より高いコンプライアンス意識を持つ必要があります。
個人アカウントを使用していた時には、法的問題にならなかったとしても、企業アカウントになったときに、法的問題に発展する可能性が高くなります。
例えば、小紅書(RED)で投稿されている動画の中には、肖像権の侵害で訴えられてもおかしくない動画がたくさんあります。
再生数やコメントなどが多くない場合や、訴えても誠実に対応をしてくれないだろうと視聴者から判断された場合には、訴えられる可能性は少ないです。
しかしながら、企業アカウントの場合、個人アカウントよりも動画が伸びやすいことや視聴者からは法的観点から比較的厳しい目で見られることから、訴えられる可能性は高まります。
企業側の誠実に対応せざるを得ない状況を逆手にとって、小さなことでも訴えてくる人も出てきますので、コンプライアンス順守に対する高い意識が求められます。
また、中国コンプライアンスのみではなく、小紅書(RED)プラットフォーム内の規約にも適切に対応する必要があります。
例えば、美容用具や金融アドバイザリなどに関する特定の商品・サービスを取り扱う場合、小紅書(RED)に対し、専門家であることを示す資格証や許可証の提出が必要です。
さらに、その規約内容は、日ベースで更新されています。
違反と判断された場合は、アカウントの一時停止のみではなく、損害賠償を求められるケースもあります。
小紅書(RED)個人アカウント開設時に、規約に目を通している方もいると思いますが、もう一度規約に目を通し、定期的にルール変更がないかについてチェックするとよいでしょう。
小紅書(RED)の規約は下記リンクから見ることができますので、ご興味のある方はご覧ください。
小紅書(RED)企業アカウントの運用方法
小紅書(RED)企業アカウントの運用のコツ
小紅書(RED)企業アカウントの運用のコツは、プロフィール設定を充実させること、キーワード精査、商品紹介ページを投稿しすぎないことです。
小紅書(RED) 企業アカウントには、プロフィール設定ができます。
ブランドイメージが高まるように、ブランド紹介、主力商品、実店舗の所在地など、わかりやすく記載しましょう。
小紅書(RED)内のキーワード精査も大切です。
小紅書(RED)内のトラフィックは、約90%が検索流入ですので、SEO対策は非常に有効です。
したがって、グーグルでのSEO対策同様に、定期的に小紅書(RED)内のキーワード精査を行うことをお勧めします。
最後に、商品紹介ページを投稿しすぎないように注意しましょう。
ブランドイメージを高めるために、商品PRばかりの投稿をすると、ユーザーが離れていくことがあります。
企業アカウントでいくら広告制限がなくなったとはいえ、小紅書(RED)はあくまで私生活の中で面白い発見をしたときの情報共有プラットフォームです。
自社商品やサービスに関連したお役立ち情報なども、合わせて投稿するようにしましょう。
小紅書(RED)企業アカウントのECコマース
小紅書(RED)企業アカウントでは、小紅書(RED)ECコマースができるようになります。
小紅書(RED)は、口コミサイトとして利用されているアプリであり、中国の若い女性は、気になる商品があれば、タオバオなどの有名ECサイトではなく、小紅書(RED)を使って商品検索を行います。
小紅書(RED)ECコマースを利用できるようになれば、マーケティングから中国消費者へのアプローチ、購買まで小紅書(RED)内で完結できるようになります。
しかしながら、小紅書(RED)ECコマースの利用には、保証金の支払いが必要になります。
中国ローカル企業であれば、1,000元(2万円相当)で十分なことがありますが、中国国外企業の場合は、最低3,500米ドル(50万円相当)の保証金が必要です。
取り扱う商品やサービスなどによって、保証金の額が異なりますので、詳細は下記のサイトをご覧ください。
その他、商品販売時の販売手数料があり、商品価格の5%です。
さらに、消費者側で支付宝(アリペイ)や微信(Wechat-Pay)を使って決済した場合は、支払金額の0.7%の決済手数料が発生します。
小紅書(RED)企業アカウントのオンライン授業
小紅書(RED)企業アカウントでは、オンライン授業を提供することもできます。
例えば、下記は編み物のオンラインレッスンを1授業198元(4,000円相当)で販売が可能です。
現在、一時的に使用できなくなっていますが、特殊な技能などがある企業は、カリキュラムを作って、オンライン授業をしてみるとよいでしょう。
なお、オンライン授業を開始するには、企業アカウントであることに加え、下記の条件が求められています。
- 一定数のフォロワーがいること(公表はされていないが、1万人以上が目安)
- 特殊な技能を有することを証明できる
- 月に4つ以上(同日に複数投稿しても1つとカウント)の投稿があること
しかしながら、小紅書(RED)企業アカウントのオンライン授業は、一時的に使用不可の状態です。
明確な理由は公表されていませんが、2022年末ごろから使用不可の状態が続いています。
小紅書(RED)からは、「メンテナンス中」という回答も一時期ありましたが、現状では復旧の目途はたっていないようです。
最後に
以上、小紅書(RED)企業アカウントのメリット・デメリット、企業アカウント作成方法や運用方法について、解説しました。
弊社は現在、中国版TikTok抖音(Douyin)・小紅書(RED)を活用した中国SNSの運用代行や、中国への越境ECの支援などのサービスを展開しております。
ぜひご気軽にご相談ください。
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小紅書(RED)運用代行
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