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中国人富裕層の購買力:新たな消費パターンの傾向

中国人富裕層の購買力は、ますます大きくなっています。

今や、中国人富裕層は世界でNo.1の数を誇るほど、影響力が大きく、無視できない存在です。

そんな中国人富裕層の消費パターンや最近の傾向を把握しておくことは、中国市場や中国向けインバウンドビジネスに関わる方にとって、非常に大事です。

この記事では、中国人富裕層の消費パターンや最近の変化について、紹介していきます。

目次

中国人富裕層とは

中国人富裕層とは

中国人富裕層とは、さまざまな分類がありますが、一般的に600万元(1.2億円相当)以上の資産を持つ世帯層を指します。

中国では、一代で中国人富裕層になった人を「富一代」、その子どもは「富二代」と呼ばれています。

中国人富裕層の多くは、1978年に始まった改革開放政策によって市場開放された後に、ビジネスで成功した人です。

そのビジネスの業種は、健康医療、Eコマース、SNSなどさまざまです。

中国人富裕層の最新ランキング

イギリスメディアである胡潤レポート(中国語:胡润百富)の2023年に行われた調査によれば、中国人富裕層の資産金額ランキングは下記の通りです。

左から、順位、資産額、氏名、企業名、本社所在地、業種、性別、年齢を示しています。

1位 4562億元 钟睒睒 农夫山泉/万泰生物 浙江杭州/北京 ミネラルウォーター饮料/医药生物 男 69

2位 3105億元 张一鸣 今日头条 北京 プロモーション及びショートビデオ 男 40

3位 2603.6億元 黄峥 拼多多 上海 Eコマース 男 43

4位 2389.5億元 马化腾 腾讯控股 广东深圳 インターネット総合サービス 男 52

5位 2243.2億元 曾毓群 宁德时代 福建宁德 電池システム 男 55

6位 1469.8億元 马云 阿里巴巴 浙江杭州 インターネット総合サービス 男 59

7位 1468.5億元 丁磊 网易 浙江杭州 インターネット総合サービス 男 52

8位 1436.6億元 王卫 顺丰控股 广东深圳 物流 男 52

9位 1392.6億元 秦英林/钱瑛 牧原股份 河南南阳 畜産養殖 男/女 58/57

10位 1378.2億元 何享健家族 美的集团 广东佛山 家電 男 80

あまり聞きなれない名前や会社名だと思いますが、5位にランクインしている腾讯控股(テンセント)は、WeChatやQQを開発している企業です。

また、6位の马云(ジャックマー)氏は、アリババの創業者であり、孫正義氏から出資を受けて大きく成功した日本ともかかわりが深い富豪です。

中国人富裕層の数が世界第一位に

クレディ・スイスが発表した「Global wealth report 2019」によれば、中国は米国を追い抜き、世界で富裕層が1番多い国になりました。

胡潤レポートの調査によれば、2022年時点での中国人富裕層の数は、下記の通りです。

資産額600万元の富裕層:518万世帯、前年比2.1%増加

資産額1,000万元の高純資産層:211万世帯、前年比2.5%増加

資産額1億元の超高純資産層:13.8万世帯、前年比3.5%増加

さらに、年々2-3%の増加率で、中国富裕層が増え続けています。

ただし、人口の割合からすると、中国富裕層は、まだまだ少ないことが分かります。

例えば、アメリカでは、100万ドル以上の資産を保有するミリオネアの人口割合は、約6%です。

一方、中国のミリオネアの人口割合は、わずか0.4%です。

つまり、中国では、アメリカ以上に貧富の差が激しいことがわかります。

中国人富裕層の消費パターン

中国人富裕層の消費パターン

今や世界No.1の規模を誇る中国人富裕層ですが、彼らは何を消費しているのかについて、見ていきましょう。

中国人富裕層が最も多く消費しているものは、日用高級品、こどもの教育、旅行、ヘルスケアなどです。

【中国人富裕層への何にどのくらい消費したかのアンケート結果、胡潤レポートの調査結果より】

年間消費金額としては、総資産の約6%です。

特に、30歳以下の中国人富裕層が、日用高級品に対して最も消費に旺盛なことが分かっています。

ちなみに、既婚で子どもがないグループにおいて、日用高級品の消費額は、年間平均で35万元(700万円相当)でした。

中国人の特徴として、メンツを重視する文化があり、自分のステイタスを表現する目的でブランド品を身に着けます。

誰もが知っている高級ブランドで、高級ブランドとすぐに判別できるブランドや商品を購入する傾向があります。

一代で中国人富裕層になった「富一代」は、特にその傾向が強いです。

一方、その子どもである「富二代」は、そのような傾向はそれほどありません。

「富二代」の中国人富裕層は、特別なものを好み、日本の田舎でしか買えないご当地ものや、その場所でしか体験できない陶芸や着付けなどを好む傾向があります。

また、今後3年間で支出を増やす予定の分野としても、日用高級品(中国語:日用奢侈品)がNo.1で56%を占めています。

【中国人富裕層へ消費を増やす予定についてのアンケート結果、胡潤レポートの調査結果より】

続いて、子どもの教育(55%)、旅行(53%)、ヘルスケア(52%)が上位です。

4位のヘルスケアは、中国富裕層の健康に対する関心が高まっていることが背景としてあります。

中国人富裕層の消費パターンの変化

中国人富裕層の消費パターンは、コロナ前後で変化が起きています。

2023年3月に発表されている胡潤レポートのアンケート調査結果がありますので、その一部を紹介しましょう。

  • 国際旅行意欲が上昇
  • 住宅投資熱は収縮
  • プライベートコンサルタントへのニーズが高まっている

まず、中国人富裕層の国際旅行意欲は、前年に比べ20%上昇し、モルディブ、シンガポール、カナダ、ドバイへの注目度が上昇しました。

注目度は下がったものの、日本は未だに国際旅行先の第二位にランクインしています。

中国国内旅行意欲も54%上昇し、上海、北京、三亜、アモイ、マカオ、香港が急上昇しました。

【中国人富裕層へのどこにいたいかのアンケート結果、胡潤レポートの調査結果より】

次に、中国人富裕層の住宅投資熱は冷めており、3年前より12ポイント下落しました。

直近では、銀行預金、金が人気な投資先です。

【中国人富裕層への直近3年でどこに投資したいかのアンケート結果、胡潤レポートの調査結果より】

それに関連して、プライベートバンカーやプライベートコンサルタントへのニーズも高まっています。

【コンサルタントに対してどのようなニーズがあるかのアンケート結果、胡潤レポートの調査結果より】

特に、プライベートバンカーのニーズは最も高く、富裕層の中でも資産額が高ければ高いほど、年々ニーズが高まっています。

国際情勢が不安定な中、資産管理をどのようにしたらよいかについて、悩んでいることがうかがえます。

ここでは記載しきれないほど、興味深い調査結果がありますので、興味のある方は、「胡潤胡潤レポートのアンケート調査結果」を一読されることをお勧めします。

高净值人群的经济信心达到十年来最高水平|《胡润至尚优品—中国高净值人群品牌倾向报告》重磅发布! (qq.com)

日本企業の優位性

中国人富裕層の消費パターンやその変化を見てきましたが、日本企業や日本ブランドにとっては、大きな優位性があります。

  • 中国人富裕層向けインバウンドサービス
  • 健康志向
  • 円安

まず、中国人富裕層の娯楽で最も人気だったのは、旅行でした。

そのため、観光国として日本の人気も高まっていることから、今後、中国人富裕層向けインバウンドサービスのニーズは高まっていくことが期待できます。

実際、中国富裕層の間では、モルディブに続き、日本が最も人気のある海外旅行先となっています。

2023年8月10日に中国コロナ政策が解除されましたが、その2週間後には日本政府による処理水の海洋放出バッシングが始まりました。

さらには、中国政府による日本水産物の全面輸入禁止が実行され、風評被害により、日本渡航が再度自粛ムードになっているのが現状です。

一方で、グローバルな視点で情報を集めている中国富裕層の一部は、中国の報道をものともせず、訪日旅行を楽しんでいます。

今後、中国人富裕層をターゲットにしたインバウンドツアーやオーダーメイドサービスなどのニーズは確実に高まっていくことでしょう。

また、中国人富裕層では、健康志向がますます高まっています。

特に、コロナ以降、健康や衛生面に関心のある中国人が増え、日本料理や日本式の衛生管理手法が再注目されています。

もともと日本料理は、中国料理に比べて脂分が少なくヘルシーなど、人気が高かったのですが、最近はさらに人気が高まっています。

実際、中国人富裕層へのアンケート調査では、四川料理(中国語:四川菜)に次いで、日本料理が2位にランクインしています。

【どんな料理が好きかのアンケート結果、胡潤レポートの調査結果より】

最後に、日本企業や日本ブランドにとっては、円安が大きな優位性です。

コロナ前と比較すると、中国元から見ると、約20%ほど日本円が安くなっています。

中国人富裕層と言えども、損得勘定はしっかりしており、価値がないものや少しでも高いものは手を出しません。

円安により、欧米人が日本で多くの買い物をするとの同じように、中国人でも財布のひもが緩くなることは容易に想像がつきます。

中国人富裕層をターゲットとしたビジネス展開

中国富裕層の心をとらえる情報発信

ここからは、中国人富裕層をターゲットとしたビジネス展開に必要なことと、成功事例を紹介したいと思います。

まず、中国人富裕層をターゲットとする場合は、中国富裕層の心をとらえる情報発信が何よりも大切です。

日本へ旅行する前、旅行中、旅行した後で、どこから情報を集めて、どのように活用しているのか、分析を行う必要があります。

中国人はやみくもに情報を集めているわけではなく、一定のルールや傾向などがあります。

それをうまく把握できれば、自分が狙いたいターゲット層に対してアプローチし、効果的なプロモーションを行うことができます。

中国国内でのトレンドやバズっているワードなどがありますので、それらを意識して情報発信を行うことも大事です。

場合によっては、中国インフルエンサーを活用することが大きな効果を及ぼすでしょう。

特に、「富二代」は、流行りやインフルエンサーによって紹介された物・サービスには、非常に敏感です。

詳細は、下記の記事で紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

中国向けSNSインバウンドマーケティングの秘訣:成功のための戦略解説

店内での利便性向上

本格的に中国人富裕層向けのインバウンドビジネスを始めるのであれば、店内での利便性向上にも努める必要があります。

ここでいう利便性向上は、中国人視点で考えていくことが大切です。

例えば、中国人に人気なお店は、WeChat Pay(微信支付)が導入されており、Wi-Fiが使えます。

WeChat Pay(微信支付)とは、中国で最もよく使われているメッセンジャーアプリである微信(WeChat)のお財布機能です。

中国では、日本よりもスマートフォン決済が進んでおり、現金決済をすることはほどんどありません。

中国人は日本へ訪問した際も、いつも使っているWeChat Pay(微信支付)で決済できることを望んでいるのです。

また、訪日中国人は中国にいる家族や友達のために、大量に買い物をします。

微信(WeChat)のビデオ通話を利用して、家族と買い物を楽しむため、訪日中国人にとってWi-Fiは必須のインフラなのです。

成功事例

ここでは、中国人富裕層向けインバウンドにおける、弊社の成功事例を紹介したいと思います。

弊社では、外国人VIP・富裕層向けに、日本文化などの特別な体験を企画制作から提供しています。

グローバルブランドとして名高い化粧品会社様向けに、中国子会社にいる中国人幹部教育の一環として、日本文化体験ツアーを提供したことがあります。

体験ツアー内容としては、中国人幹部に日本へ来ていただき、日本伝統芸能(歌舞伎・忍者)、日本文化(茶道・華道・書道)、武道(空手・相撲)の特別な体験を企画制作から提供しました。

結果として、中国人幹部のプロ意識、チームワーク、おもてなしのこころを養うことにつながったと、大きな評価を得ることができました。

その体験サービスでは、実際の歌舞伎演者や空手師範を呼んで、本物のすごさを目の前で体験していただきます。

華道などでは、中国人幹部同士に一緒に作業してもらい、チームワークの大事さを勉強していたきました。

日本伝統芸能や武道を通じて、相手を思いやる気持ちやおもてなしを感じてもらう工夫も行っています。

また、弊社では、エンターテインメントとして、楽しく学んでもらうようにしています。

強制感がある学びではなく、楽しい体験を通じた学習こそが、最も効果があると信じているからです。

お問い合わせいただければ、その他の事例もありますので、お気軽にお問い合わせください。

最後に

以上、中国人富裕層の消費パターンや最近の変化について、解説しました。

弊社は、日本と世界を更に近づけるために、訪日外国人向けのインバウンド事業や、日本製品を海外に展開するアウトバウンド事業を展開しています。

インバウンド事業においては、訪日外国人の富裕層やVIP向けに豊富なコンテンツを全てオーダーメイドで企画・制作からサポートしております。

ぜひご気軽にご相談ください。

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