現在、中国では、小紅書(RED)を活用した多くの成功事例が出ています。
小紅書(RED)がリリースしたばかりの頃は、多くのブランドや企業が、様々な方法を探りながら、小紅書(RED)を活用していましたが、最近では、広告運用のベストプラクティスが確立しつつあります。
しかしながら、そのベストプラクティスや運用ノウハウなどは、一般には知られていません。
この記事では、小紅書(RED)広告運用の基本、そして成功への5つのステップとベストプラクティスについて、紹介していきます。
小紅書(RED)広告運用の基本
小紅書(RED)の特徴
小紅書(RED)広告運用の基本を紹介する前に、そもそも小紅書(RED)を活用した広告運用がベストプラクティスなのかどうかを慎重に検討する必要があります。
広告運用に活用できる中国SNSは数多くあり、それぞれユーザー層や特徴が異なり、ブランディングの方向性や商品によっては、小紅書(RED)広告運用が必ずしもベストとは限らないためです。
それでは、小紅書(RED)広告を活用すべきかどうかの判断方法について、解説しましょう。
結論からいうと、中国人の若い女性に受ける商品やサービスでしたら、小紅書(RED)で高い広告効果が期待できます。
なぜなら、小紅書(RED)の利用ユーザーは、8割女性・8割若者と言われるほど偏りあるプラットフォームだからです。
具体的には、化粧品・美容やファッションなどが向いています。
小紅書(RED)は、当初、旅行や日本コスメ商品の情報共有サイトとして利用されていたことから、日本コスメ商品や旅行関連のサービスもヒットしやすいジャンルです
また、小紅書(RED)でのトレンドもある程度おさえておくことも大事です。
特に、女性コスメ商品の場合、流行のメイク手法によって、売れる商品が全く異なります。
最近では、ユーザー比率でいうと少数派ではありますが、男性用商品もヒットしており、男性用化粧品やスポーツジムグッツ関連がひとつのトレンドになっています。
総括すると、中国人の若い女性に受ける商品やサービスであれば、小紅書(RED)広告が向いていますが、トレンドは別途見極めたうえで判断する必要があります。
小紅書(RED)の基本については、下記記事でも紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
小紅書(RED)とは? 中国人女性に人気のSNSについて解説!! | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
小紅書(RED)広告の種類
小紅書(RED)広告運用の基本として、小紅書(RED)広告にはどんな種類があるのかについて、おさえておきましょう。
小紅書(RED)広告の種類は、大きく分けると、下記の通りです。
- インフルエンサー広告
- 小紅書(RED)内広告
- キャンペーン
1つ目の広告は、インフルエンサーを活用した広告です。
小紅書(RED)は、主に口コミサイトとして活用されているため、企業自身による単純な広告よりも、インフルエンサー広告の方が広告効果は断トツで高いです
特に、最近では、トップインフルエンサーよりも、中国一般消費者に近いと言われるKOC(Key Opinion Consumer)と呼ばれるインフルエンサーを活用した広告が流行っています。
KOCのフォロワー数はそれほど多くないのですが、中国一般消費者目線で商品やサービスを紹介してくれるため、一定の影響力があります。
日本のような広告色の強い広告運用は中国では受けず、あくまで一般消費者からの口コミが信頼される傾向があります。
2つ目は、小紅書(RED)内の広告です。
具体的には、検索時に上位表示させてくれるリスティング広告や、小紅書(RED)のExplore(中国語;发现)におススメとして表示されるフィード広告があります。
特に、小紅書(RED)内のトラフィックは、約90%が検索流入ですので、検索時に上位表示させてくれるリスティング広告は非常に有効です。
投稿内容が広告色の強いものでなければ、フィード広告により自然な形で、おススメ動画や画像として表示されるため、ユーザーが口コミとしてとらえてくれる可能性が高くなります。
3つ目は、割引キャンペーンや賞品プレゼント企画などです。
中国では、割引キャンペーンや懸賞金などがあると、多くの参加者が集まります。
一旦話題になれば、さらに多くの人を引き付けるため、非常に有効です。
小紅書(RED)の広告運用費用
ここでは、前述した3つの広告種類の広告運用費用について、紹介したいと思います。
1つ目のインフルエンサーを活用した広告について、インフルエンサーの報酬額は、基本的にフォロワー数によって決まります。
具体的には、時期や専門性等によっても大きく異なりますが、フォロワー数が1万人であれば、約1,000元(2万円相当)です。
フォロワー数が1,000人以下になると、商品サンプルを渡すのみで、無料で対応してくれるインフルエンサーもいます。
ただし、小紅書(RED)の広告運用システムなどでも、各インフルエンサーの直近報酬相場を見ることができますが、具体的には広告主との交渉で決まります。
2つ目の小紅書(RED)内の広告運用費用は、上位表示させたい文字などによって大きく変わるため、あくまで目安ですが、直近の広告費用は下記の通りです。
- クリック課金(CPC、クリックされる度に課金):1-3元(20~60円相当)/1タップ
- インプレッション課金(CPM、1,000回広告が表示される度に課金):20-40元(400-800円相当)/1000回表示
なお、インプレッション課金では、通常最低1万元(20万円相当)の広告予算を組むことが一般的です。
3つ目の割引キャンペーンや賞品プレゼント企画について、時期やキャンペーン内容などによって大きく変わりますが、10万元(200万円相当)以上になることが多いです。
最も広告効果が大きい手法ですが、多くの費用と手間がかかります。
小紅書(RED)広告運用の成功への5つのステップ
5つのステップ概要
小紅書(RED)広告運用の基本がわかったところで、具体的な広告運用のステップについて、紹介したいと思います。
小紅書(RED)広告運用の成功へのステップは、以下の5つです。
1、広告コンセプト設計
2、投稿の素材準備やインフルエンサー手配
3、小紅書(RED)で投稿開始
4、ユーザーからのコメントなどに対応
5、小紅書(RED)アプリ内広告
それぞれのステップでの具体的な作業については、以下でお話ししますね。
コンセプト設計~投稿の素材準備やインフルエンサー手配~
小紅書(RED)広告運用の第一歩は、広告コンセプトの設計です。
具体的には、広告対象商品をもとに、いつ、どんなユーザーに対して、どのようなイメージを持ってもらい、購買につなげていくかを明確に設計していきます。
コンセプト設計段階では、中国の市場動向やトレンド、ユーザーの生活習慣などを詳細に把握しておけば、より広告効果が高まる施策を実施することができます。
季節やユーザーの購買意欲が高まるタイミングによっては、広告開始時期を調整することもあります。
広告のコンセプトが完成しましたら、次に、広告の素材準備やインフルエンサー手配を行います。
自社小紅書(RED)アカウントで広告を行うのみでしたら、広告の動画や画像素材の準備を行います。
しかしながら、中国で高い知名度がない限り、ブランド主体の広告の効果は、非常に限定的です。
例えば、日本でも有名な日焼け止めクリームブランドであるアネッサは、数年かかっても中国ではそれほどヒットできず、中国インフルエンサーを使って、初めて知名度が高まり大きな売上につながっているのです。
したがって、インフルエンサー手配は、中国マーケティングにおいては、ほぼ必須であることを認識しておくといいでしょう。
投稿~ユーザーからのコメントなどに対応~アプリ内広告
インフルエンサーへの手配や投稿動画などの素材の準備ができましたら、小紅書(RED)で投稿を開始します。
投稿のタイミングについて、視聴者が増えるゴールデンタイムは、よく「四点两天(日本語訳:四つの時間帯と二日)」と言われます。
四つの時間帯とは、午前7~9時(出勤時)、正午12-13時(お昼休み)、午後16-18時(退勤時)、午後21-22時(食後~寝る前)を指します。
二日は、土曜日と日曜日を指し、どの時間帯に投稿しても良いとされています。
テーマやファンの生活スタイルによっても、適した時間帯は大きく異なるため、自分が狙いたいターゲット層がどのような生活を送っているのか想像しながら、投稿時間を決めておくとよいでしょう。
当然ながら、中国インフルエンサーを活用する際は、投稿タイミングに関する指示や方向性も十分に伝えておく必要があります。
投稿が完了した後は、視聴回数やいいね、コメントなどのエンゲージメントを確認し、ユーザーからの質問などがあれば、返信を行います。
ユーザーからの質問やコメントに対しては、できるだけ丁寧に回答し、ネガティブな質問に対しても、嫌がらせ行為でなければ、可能な限りポジティブな回答をするようにしましょう。
回答の仕方によってはフォローやユーザーが離れる場合がありますし、逆に回答や対応が良ければ、アンチがファンに変わることもあります。
小紅書(RED)のコメントを見るのが一番の醍醐味だ(漫才をみているようで面白い)というユーザーもいますので、コメント対応は気を抜かずしっかり行いましょう。
最後に、視聴数回数が予想より少ない場合やエンゲージメントがなかった場合は、小紅書(RED)アプリ内広告の活用を検討します。
小紅書(RED)アプリ内広告は費用が発生してしまいますが、確実にユーザーの目に触れる機会が増えます。
広告コンセプトや投稿コンテンツが魅力的でも、タイミングなどによって、うまくヒットしないこともあります。
例えば、視聴数が少なくてもいいねやコメントなどが多い場合や、視聴完了率が高い場合は、コンテンツ自体は魅力的でもう一押しでヒットするコンテンツの可能性があります。
投稿したコンテンツが思ったより伸びなくても、それだけで落ち込む必要はなく、原因がどこにあるか、或いはどのような施策が必要なのかについて、冷静に判断していくのが大切です。
小紅書(RED)広告運用のベストプラクティスと注意点
小紅書(RED)広告運用のベストプラクティス
前述した小紅書(RED)広告運用の5つのステップのうち、すべてに共通して大事なことは、トレンドをおさえることです。
例えば、数年前では、トップインフルエンサーを活用して、プロモーションを行うのがベストプラクティスと考えられていた時期がありました。
今でもその方法は十分に効果的ではありますが、今ではKOCという消費者に近いインフルエンサーを複数活用し、口コミマーケティングを行うことがトレンドであり、大きな成果が出ています。
また、直近まで、小紅書(RED)アカウントで中国消費者を引き付け、淘宝(タオバオ)や微信(Wechat)ECミニプログラムへの誘致を行うことが流行っていました。
今でも可能ではあるのですが、今では小紅書(RED)の蒲公英という広告管理システムで、承認を得て、行う必要があります。
小紅書(RED)は、小紅書(RED)経済圏を確立させ、自社のECプラットフォームを活性化させたいという意思表示でもあるのですが、その動きは年々厳しくなってきています。
承認を得ずに、淘宝(タオバオ)への誘致を行うと、アカウントが凍結されることもあります。
小紅書(RED)の規制強化も、小紅書(RED)自身のトレンドに大きな影響を与えますので、十分にチェックしておきましょう。
小紅書(RED)広告運用の注意点
小紅書(RED)広告運用の注意点について、3つ紹介したいと思います。
- 小紅書(RED)の広告規制強化
- 商品PRが強すぎないように注意
- 中国インフルエンサーの管理
まず、小紅書(RED)の広告規制強化には、十分に注意する必要があります。
小紅書(RED)では、承認を得ない限り、他のプラットフォームへの勧誘は厳しく禁止されています。
例えば、1-2年前でも、小紅書(RED)の投稿コンテンツでの他プラットフォームへの勧誘は厳しく監視されていたのですが、コメント欄は比較的監視が緩かった時期がありました。
そのため、多くのブランドが、コメント欄で「どこで買ったのか」とさくらに質問させ、インフルエンサーがECプラットフォームのリンクをつけて回答するという手法を採用していました。
ところが、今では、コメント欄の監視も厳しく行われ、そのさくらの質問やインフルエンサーの回答は、コメントした本人だけ表示され、他のユーザーには見ることができない状態になります。
ちなみに、この手法は、中国政府に都合の悪いコメントについて、コメントした人だけが見ることができ、他のユーザーは見ることができなくするという中国政府による扇動防止手法から来ており、中国現地では、「被吞了(日本語意訳:自分のコメントが飲み込まれた)」と言われます。
次に、商品PRは強すぎないように注意しましょう。
インフルエンサーといえども、広告色が強すぎると、それを毛嫌いする中国消費者が一定数います。
また、小紅書(RED)を本格的にビジネスで使い、広告運用を行う場合には、プロアカウントに変更する必要があります。
プロアカウント(企業アカウント)については、こちらで詳細を記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
小紅書(RED)企業アカウントの使い方完全ガイド:登録方法から使い方まで | CRESON Media | 中国SNS動画・越境EC支援のクレソン
商品PRだけのコンテンツだけでなく、お役立ち情報に関する投稿をおこなうなどするとよいでしょう。
最後に、中国インフルエンサーの管理は、慎重に行いましょう。
中国インフルエンサーは、基本的に中国人個人であるため、日本の商習慣などは通用しません。
例えば、日本インフルエンサーに比べると、期限に若干ルーズなインフルエンサーが多く、海外視察などで世界を転々としているインフルエンサーもおり、長期で音信不通になることやサンプル品の確認が大幅に遅れるなどは日常茶飯事です。
さらに、中国インフルエンサーが少しでも不機嫌になれば、多くの時間をかけてコンセプト説明したのにかかわらず、最終的に対応してくれないこともあります。
中国企業とのビジネスに慣れている方でも、中国インフルエンサーは少し特殊ですので、もし経験や知見がないということであれば、はじめは経験豊富な代行会社に依頼するのがいいでしょう。
最後に
以上、小紅書(RED)広告運用の基本、そして成功への5つのステップとベストプラクティスについて、解説しました。
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