中国のZ世代を中心に利用され、月間アクティブユーザーは約3億を超える小紅書(RED)。
中国の消費者向けのマーケティング手法として展開を考えているものの、どんなコンテンツを作れば良いかわからずなかなか動けずにいる企業も少なくありません。
本記事では、このような悩みを抱える担当者のために、中国本土企業及び日本企業それぞれの小紅書(RED)を利用したマーケティング事例をご紹介します。
小紅書(RED)の基本データ
中国版InstagramとAmazonの結合?
当初「世界中の良いモノが見つかる」というコンセプトを掲げていた小紅書は、月間アクティブユーザー数3億人を突破し、近年WeiboやWeChatと肩を並べる中国5大プラットフォームの1つとして急成長を遂げています。
2022年には、2億人でしたので、小紅書(RED)の人気の勢いは、日に日に増しています。
小紅書(RED)は、Instagramのように衣食住すべての日常生活にまつわる口コミ投稿(UGC)型のSNSでありながら、直接商品を購入することができるEC機能も備えており、中国版InstagramとAmazonの結合とも言われています。
更には近年中国のEC消費において大きな割合を占めるライブコマースも対応しており、認知度向上などの間接的なマーケティング効果だけでなく、直接的な購買行動までも期待することができます。
小紅書(RED)のユーザーの特徴
SNSを利用したマーケティングを展開するにあたって、重要なポイントの一つがそこに集うユーザー像の理解です。
2024年4月に発表された、小紅書(RED)アクティブユーザー研究書(中国語:2024「活跃用户」研究报告(小红书平台))によると、約3億を超えるMAU(月間アクティブユーザー)のうち、約85%がZ世代と呼ばれる1990年生まれ以降の若者が占めています。
半数以上が一線・二線都市のユーザーです。
また、リリース当初から女性比率が非常に高く、約70%を占めています。
日曜日から火曜日にかけて、最もアクティブに小紅書(RED)を見るというユーザーの傾向も見逃せません。
人気の投稿内容などから更に深堀りした主なユーザー像をいくつか紹介します。
- Z世代 … 1990年以降生まれの若者、ネットを日常的に利用
- ホワイトカラーOL … 経済的に独立し、仕事を愛する女性
- ファッションリーダー … 流行に敏感、盲目に追従するのではなく個の考えをしっかり持つ
- 単身貴族 … 経済的に独立しており、質の高い生活を重視
- おしゃれママ … 丁寧で質の高い生活をおくる若い母親
- 享楽主義者 … 楽しむことも最優先し、趣味などにもお金をかける
上記のユーザー像にもみられる通り、生活の質を重視しお金をかけるユーザーが多く利用しており、高い消費力が期待できます。
投稿内容としては、下記の分野が特に相性が良いと言えるでしょう。
小紅書(RED)におけるブランドマーケティング戦略
では、どのようなマーケティング戦略がより上述の小紅書のユーザーに刺さりやすいのでしょうか?
ブランドマーケティング戦略のコツをいくつかご紹介します。
ブレないキャラクター設定
公式アカウントとして最も無難なのは淡々とお知らせなどを流すアカウントですが、大量の投稿の中で無味乾燥なお知らせだけを投稿するようなアカウントはなかなか注目されません。
そのため、ブランドと目的に合わせた公式アカウントのキャラクター設定を行うことが大事です。中国語ではこれを「人設」(人物設定の略)と呼び、人説の軸がなくブレた発信を行うアカウントは好まれません。
ブランドのストーリーや魅力を適切に伝え、ユーザーから親近感をもたれるアカウントの「人設」を設定するようにしましょう。
目的に合わせた芸能人・KOL・KOCの有効活用
ユーザーに対して影響を与えるユーザーのことを日本では一律インフルエンサーと呼びますが、中国ではより細かく分類されています。
KOL
Key Opinion Leaderの略で、特定の分野に精通し一定の専門性と信憑性をもつユーザーです。
多くは複数のSNSで横断して発信しています。代表的な人物では、元美容部員の経験と知識を活かし、わかりやすい解説と忖度のない評価で信頼されている李佳琦(Austin)が挙げられます。
小紅書(RED)では、KOLをフォロワー50万人以上と定義しています。
KOC
Key Opinion Consumerの略で、その名の通りあくまで消費者としての立場で発信をしており、一定の影響力を持っているユーザーです。KOCはフォロワー5000人前後のアカウントも多く、KOLと比較するとより消費者に近い感覚で発信をしています。
そのため、実際の購入の意思決定にはKOCのレビューを参考にするというユーザーも少なくありません。
このように、KOLとKOCではユーザーへの影響の与え方に違いがあり、目的に合わせて彼らを利用したマーケティングの戦略を考える必要があります。
一般的には数名のKOLを利用してブランドや商品の認知度をあげ、KOCを数多く投入することで繰り返し商品の存在感の刷り込みを行い、適切なレビューで消費意向を刺激するという戦略が良いでしょう。
また、ブランドのストーリーやイメージ戦略においては伝統メディア含め強い影響を持つ芸能人をイメージキャラクター・スポークスパーソンとして起用するのも効果的です。
近い距離感の演出
一方的に発信するテレビや雑誌などの伝統的なメディアに対するSNSの強みの一つがインタラクティブなコミュニケーションが容易にできる点です。
積極的にエゴサーチを行い、商品を利用してくれているユーザーの投稿にいいねやコメントをする、ハッシュタグを用いたキャンペーンを行うなど、多くのブランドがインタラクティブな施策を行う場として小紅書(RED)を利用しています。「宠粉」と呼ばれるフォロワー感謝キャンペーンもよく見かけます。
小紅書を利用したマーケティング事例
小紅書のユーザー像を理解したところで、実際のマーケティング事例についてみていきましょう。ここでは、中国本土ブランド・日本発ブランドをそれぞれご紹介します。
中国本土のブランド
花西子(Florasis)
EC含め、最も小紅書の活用が活発に進んでいるのが中国本土のブランドです。
その中でもスキンケア・コスメ分野に関しては口コミ投稿が多く、多くのユーザーが購入の意思決定において小紅書の投稿を参考にしており、マーケティング効果が期待できます。
その中でも近年急成長を遂げている中国発化粧品ブランドの花西子(Florasis / フローラシス)は、伝統的な東方の古典美をテーマとしたブランドで、「国潮」と呼ばれる中国的な要素を取り入れた美しいデザインがZ世代を中心に絶大な人気を誇っています。
花西子の小紅書公式アカウントはトップレベルのKOLである李佳琦(Austin)を起用して、生まれの地である杭州の旗艦店を紹介したり、100名の皮膚の専門家を起用して肌への優しさを訴える投稿などで、ユーザーの商品・ブランドに対する理解を深めています。
また、毎月コミュニケーション頻度の高いユーザーへのプレゼントキャンペーンや、イメージキャラクターである劉詩詩の誕生日祝いキャンペーンなど、インタラクティブな施策を多く打っており、フォロワーは21万人を超えます。
海底捞(Haidilao)
海底捞は日本にも複数の店舗を持つ人気の火鍋店であり、待ち時間にネイルや託児サービスが受けれるなど、過剰とさえ言える丁寧なサービスはオープン当初から注目を集めてきました。
公式アカウントでは、食べ方のアレンジや店頭で受けられるサービス、プレゼントなどの紹介をすることでユーザーの来店意欲を刺激しています。
同様に、KOCも多く投入して投稿を行っており、手作り餃子や湯葉巻きなど隠れたアレンジレシピなどを紹介し、投稿を見て店舗におとずれたユーザー自身も投稿するという投稿の連鎖を作り出しています。
日本ブランド
ZEBRA
日本の老舗文具メーカーであるZEBRAも小紅書アカウントを活用したマーケティングをおこなっております。
ZEBRAのフォロワーは約18万人に達しており、小紅書のコアユーザーであるZ世代やホワイトカラーから絶大な人気を誇っています。
&be
メイクアップアーティストの河北祐介さんがプロデュースしており、日本でも多くの商品が品薄となっているスキンケア・メイクアップブランド&be。
以前より多くの日本コスメ関連のKOLが小紅書(RED)で自発的に紹介をおこなっていましたが、昨年から正式に小紅書に公式アカウントを開設し、今月EC旗艦店もオープンしました。
まだフォロワー数は8000ほどと少ないですが、定期的にフォロワー感謝キャンペーンを行い、丁寧に一つ一つのコメントに返信するなど、小紅書(RED)でのマーケティング施策に注力しはじめている点が伺えます。
KOCなどによる高評価のレビュー投稿も多く、参考にする価値のあるアカウントの一つです。
まとめ
本記事では、中国の人気SNS小紅書(RED)でマーケティング展開をはじめようとする方々に向け、小紅書(RED)のユーザーの特徴、マーケティングにおいて重視すべき点、中国本土ブランドと日本ブランドそれぞれの具体事例を紹介してきました。
ユーザー像の特徴がはっきりしており、購買行動の参考として中国消費者の生活に深く溶け込んでいる小紅書(RED)でのマーケティング展開は、うまく活用できれば中国向けのプロモーションを大きく加速することができます。
しかし一方で様々な公式アカウントやKOL・KOCが活発に投稿をおこなっているので、うまく展開できなければ閲覧数もフォロワー数もなかなか伸びずじまいということも少なくありません。
弊社では、中国現地スタッフを含めた精鋭チームが、豊富な自社アカウントの運用経験とノウハウをもとに、アカウントの開設から、ブランディング、コンテンツの制作、さらにはECやライブコマースの運用までサポートいたします。
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